第43話 最近の映画

 映画館に足を運んで映画を見る機会が年々、減ってきている。


 まったく行かないと言うわけではないが、この前、映画館に行ったのはいつだっけ、と忘れるくらいご無沙汰状態になってしまっている。


 また、映画館自体も減少しているという話も聞く。


 なにしろ、むかしは、結構、月に何本も映画を見に行くことがあって、それを自慢すると、さらに上には上がいたなんてこともあった。


 まさしく、映画館に行って映画を見るというのは、大きなスクリーンで映像を見ることで、まるでその場にいるような迫力ある臨場感を味わうことができる。


 さらに、ポップコーンなどを頬張りながら、家族や友人といっしょに、笑ったりドキドキしたりと、共通の体験をするというのも、それもまた、楽しいひと時だった。


 まあ、最近のテレビは画面は大きいから、わざわざ、映画館に行かなくても、家庭でも、十分に迫力のある映像を見ることもできる。


 おまけに、様々な動画配信サービスもあるから、新作の映画だって、少し待っていれば家庭で見ることもできる。


 つまり、そうしたことで行かなくなったのだろうか……何かそれだけではないような気がするのだ……


 そうなると、見たい映画がなくなってきているということはないだろうか……


 映画の中の世界は、しょせん、別世界であって、その中で、主人公やヒロインが煮られようが焼かれようが、こっちの責任ではないから、そんなことにはおかまいなしで見ていた。


 ところが、どうだろうか。


 最近の映画といえば、デジタル技術が進んで、ますます、映像は鮮明であり、リアルさを増しているから、映像を見ながら、これはどうやって撮ったのだろう?この映像はすごいな!本物みたいだ!などと感心しながら見ている。


 つまり、映像のテクニックばかりに気を取られて見ているような気がするのだ。


 そうなると、以前、楽しんで見ていたような、作られた世界を見ることの気楽さ、余裕、無責任さといった、心を楽にして見るといったことがなくなっているかもしれない。


 いずれにせよ、まだまだ、映画鑑賞は娯楽の一つとして、続けていきたいと思っている。


 見たいなと思わせる作品がどんどん作られることを期待したい。


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