第17話 城の好きな女
「私は、お城が大好きな歴女です」
「なぜ、お城めぐりがそんなに好きなのかって、そりゃ、姫になった気分で、天守閣から城下を眺めるシーンにあこがれてお城に登るのが最高ね!今まで、いちばんよかったのは姫路城かな。高さといい、見晴らしといい、何もかも見下ろす感じが最高だったわ!」
「なにしろ、城下町からは、イヤでもシンボルとしてしっかり見えるようにそびえ立ってるけど、私だったら、包囲して下から火をつけてやるわ。それをやられたら、きっとひとたまりもないわね」
「殿様だって、そんなこと百も承知なのにさ、天守閣を備えたひょろ長い城が多く作られたのは、しょせん、真剣に戦う気がなかったか、いざとなったら、いさぎよく退路を断って死ぬ気で戦うつもりだったか、どっちかだわ」
「つまり、こうして立派な城郭をどうやったら攻め落とせるかなって、まるで戦さをやってるつもりで見るってのも、お城にハマった理由の一つかもね」
「でも、お城って見世物じゃなくて、あくまでも、戦闘を目的とした建物だから、狭い空間の中に、とりわけ、効率よく敵を倒すための仕掛けがあったり、その一方で味方を生かすための工夫もあったり、実によく出来ていて、ホントに感心するのよ」
「今の時代、観光名物のひとつとしての価値しかないけど、強者(つわもの)どもの夢の跡って感じでさ。私、お城に来ると、自分が生きているっていう実感が増すのよ!」
「だって、こんなふうに守ってもらえる人がいるくらいならお城なんてこないわよ!ほほほほっ!」
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