なぜか、学校で一二を争う腕っぷしの先輩たちに告白された件

　高校生活、三日目。

「ここは……どこなんだろう……？」

　高校一年生の朝香《あさか》瑞樹《みずき》が目を覚ましたのは、薄暗い部屋の中だった。

　周りを見渡すと、ズラリと並んだロッカーと柑橘系の匂いが漂っている。

　そう。この場所とは…――“更衣室”だった。
どうして、更衣室のベンチに自分が寝ていたのか思い出せないでいると、

「そこのお前、ここでなにをしている？」

　慌てて振り返ると、扉の前でセパレートのユニフォームを着た女子生徒が立っていた。

　汗で濡れた黒の短髪とキリッとした瞳の彼女の名前は、武藤《むとう》秋《あき》。

　姉の同級生で同じ陸上部に所属している。

「おいっ、ここは女子更衣室だぞ」

　は、はい～～～っ!!?

　瑞樹が目を覚ましたのは、なんと……“女子”更…続きを読む