タマゴたちはＦ＆Ｍ賞の下に集う

内心、密かに自信のあった作品が、とある賞の最終選考に残るも、入賞にはあと一歩届かず、落選の憂き目を見た大学生の井藤悦子。幼馴染みで“ほぼ彼氏”の優に手荒く慰められ、さらには優の妹で高校生の恵美と小説談義に花を咲かせることで、どうにかこうにか復活。次の賞を目指して、新作に取り組む意欲がわいてきた。
一方、悦子にある種憧れを持つ恵美。友達と連れ添って、兄や悦子の通う大学の学園祭を訪れた。するとそこでたまたま、クラスの男子、津村と出くわす。成り行きで話し込む内に、津村の当面の夢は「面白い物語を見付けて映画にする」ことで、恵美の読書好きを知る彼は、恵美に「小説を書いてよ」と言い出した。※第一部「バトンを受け取ったら」

ユキこと木川田雪奈は、コンビニエンスストアの中でその光景を見掛けたとき、我が目を…続きを読む