第2話 まずはお互いを知ること
つい先日、家の事情でやってたバイトを辞めることになった。
何か他の仕事がないかと溜息をついていると俺様、張り紙を発見。
どうやら何かしらのスポーツチーム?がサポーターを募集しているそうだ。なんと給料がかなり高額じゃないか!
もう半分ヤケだがやってやる!
‥‥と思っていたあの頃、面接をしてくれた女の子(たぶん高校生)から告げられたのは‥‥
「みんなの笑顔を守る魔法少女のチームですよ。」
は?
斯くして俺は魔法少女!? たちのサポーターとなったとさ‥‥?
…………
「それじゃ、まずは自己紹介。あと、もう面
接終わったから敬語はやめるね。」
『待て待て待て!!!
どういうことだよ! なんだ魔法少女って!
バレーとかのチームじゃないのか!』
「そっくりそのままですよ、サポーターさ
ん。」
「‥‥‥‥‥うん」
「えぇ~クスクス、飲み込みおっそーい笑」
思考停止する前に考えろ‥‥。
恐らくチームメンバーだろうか、今喋っていた3人に加え、面接の女の子と、あともう二人いるようだ。
『もう一度聞くよ?ほんとの本当に?』
「「「「 うん。」」」」
もう訳わからん。こういうのは疑ったら負けだ(?)
何か質問でもしてみるか?‥‥
『は‥、じゃあ何してんるんだ? 普段の活
動とかさぁ。』
「まぁまぁそれは一旦置いといてさ、まず
は自己紹介だよ。お互いを知ること!」
面接の女の子が言っている。
あかん、スルーされとるな。てか、置いとくなよ‥‥こっちは混乱してるんだよなぁ。
まぁ聞き流すだけでもして‥‥
「じゃあ最初は私です!
よろしくお願いします!」
うおぉお、もう始めやがったぞ。
唯一俺に敬語で話してくれていた子が言った、同い年なのか。
「みなみー、アレはー?」
再び面接の女の子が言う。
「あぁっ! 忘れてた‥。私は〝元気系〟
魔法少女ですよ!」
なんだそれ! そんなんあるのかよ!
未だにこの状況に頭が追いついていない。
急に魔法少女のサポーターしろっていわれても誰が納得できんだよぉ‥‥!
でも言われてみれば確かに‥。ポニーテールに良く聞こえる声、今は長めのジャージ姿だ。なんか運動部とか入ってそう。
「じゃあ時計回りにしよっ! 次は……み
おうちゃんお願い!」
「おっけー、‥‥みおうだよ、高校二年生‥‥。
私は〝地雷系〟魔法少女、よろしくね。」
ちょっと大人しめな子だ、苦笑いだったしそんな雰囲気あるな‥‥。でも髪も長めってぐらいだし格好も制服だし、そんな感じはしないけどなぁ。
「じゃあ次私ねぇ~♪
うっ‥なんだこの人間という存在を舐めているような感じは‥! わからん、何と形容すればよいのか‥‥。
「タイムアップ~笑、正解は〝メスガキ系〟
魔法少女でしたぁ~w ざぁーこw」
ぐぬぬっ‥、確かにそんな感じ!身長も低めでショートっぽい髪型、ニヤニヤしている所とか口調がほんとにそれだ‥。でも高校生だから制服なんだろうな。
「じゃ、じゃあ次は私ですぅ‥‥!
す‥、私は〝ドジっ子系〟魔法少女ですぅ!
よ、よろしくお願いしまひゅ! ううっ、
か、噛んだぁ‥‥!」
おうおう‥‥騒がしいな‥。短めで癖のついた髪、大げさな動きに敬語だが私語ちょくちょくが入るあたりそんな感じだな、深刻な顔つきだし。
てか自分で言って良いのかそれ‥? この子も制服だし、学校帰りかな。
「つひ、わはひはね~!」
この子はなんか食ってる、もぐもぐと。何言ってるかわからんけども。
「うん、おいしかったぁ~、やっぱり甘いものは正義~♡ あ、私の名前は
〝小動物系〟魔法少女だよ!よろしくね。」
うんうん、大きな目に少し長めな髪型、犬を彷彿とさせるような話し方だ、言うだけあるなぁ。
やっぱりこの子も制服だな、学校帰りの子が多いんだろうか、金曜日だしな。
「じゃ、ラスト私ねー。
ちなみに〝お姉さん系〟魔法少女、どうかな?」
面接の子だ、長い髪に整った顔立ちに
この人は制服じゃないんだな、でも、いかにもお姉さんらしい出で立ちだ。
「うん、みんなOKだね。今いる子達は以上かなぁ。ほんとはあと二人いるんだけどね。」
白石さんだっけかな?(先輩付けようか悩んだ)が言った。
マジかよ‥‥こんなのがあと二人も居るのか‥けっこう激務だろうなぁ、知らんけど。
「ささっ! サポーターさんも自己紹介してくださいよ!」
笹山? だな、ほんと元気だなぁ。
確かにそうだ、こっちも自己紹介せねば無作法というもの‥‥。
「今日(?)から皆さんのサポーターを務めさ
せていただくことになりました。
なんか年近いのに敬語ってヘンだな。
まぁ、これも仕事の一環だ。きっちりとこなさねば‥、こういうのは第一印象が大切なんだ。
「みんな、そういう事だから。仲良くしてい
こうね!」
「「「「「はーい」」」」」
第一印象は大丈夫‥‥っぽいかな。
「よろしくお願いします!」
「よろしくー‥‥」
「頼んだよぉ~w」
「お願いしますぅ!」
「よろしくねぇ~!」
「これからよろしくね。」
あぁぁああ‥‥もういかん。情報量多すぎて疲れてきたわ‥‥。これからどうなるんだろう、俺のバイト生活。初対面でもう不安しかないんだが‥‥‥。
「じゃあ早速、仕事してもらおうかな~。
頑張ってね、満木くん。」
もうここまできたら
まずはチャレンジ、ここは頑張り時!
俺は立派なサポーターになってやるからな!
気のせいだろうか、あの瞬間、何かが始まって、俺は少し笑っていたんじゃないだろうか。
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