おまけ 初夢‥‥? at 2023 1/1


 



 『こっ、ここは‥‥?』



 気付いたら、吐く息が白くなるような寒い中、来たこともない神社の鳥居を見上げていた。

 なんでだ‥‥? というか足にモゾモゾした違和感が‥‥!

 恐る恐る足元に目線を移すと、そこに見えたのは‥‥



 『あれっ! お、お前どうしたんだい‥‥?』



 その姿のなんたる潔白さか、真っ白にくりくりお目目のウサギさんだ。これまたかわいい。

 上目遣いでこちらを見上げてくるその愛くるしさに胸をうたれた。と、思えば‥‥



 『あっ‥‥あぁ~待ってくれよぉー!』



 くるっと背を向けて、鳥居の向こうへと駆けていってしまった。

 何故だか俺も、惜しいのか導かれているのか、その背中を追っていると、ジャリジャリという足の音の他に聞こえる声があった。



 「あけおめ~! ことよろ~!」


 「凛、明けましておめでとう」


 『‥‥‥‥?』



 八重さん? 白石さん?



 「あけおめぇ~♡」


 「まぢおめでとう~!」


 「今年はうさぎ年~! ぴょんぴょん!」



 藍浦ちゃん? みおうちゃん? 笹山ちゃん?



 「ねぇねぇ~! 甘酒貰えた~!」


 「えぇ‥‥! 千咲ちゃんまだ大人じゃ‥‥!」


 「華‥‥? 今年は勉強の年かも‥‥」



 宇江原ちゃん? 小栗ちゃん? 瀬々木ちゃん?



 『あぁ、おいお前っ! みっ、みんなー!』



 白いウサギは彼女らの方へと一直線へ走っていってしまう。

 俺も後に続いてみんなのもとへ向かう。



 「ねぇ七奈美ぃ! 何吉だった?」


 「私は中吉かなぁ~、まぁそこそこ」


 「マジ! ウチも一緒~! 小羽は?」


 「大吉ぃ~♡ つよつよ~♡」


 「私も大吉でしたー! ぴょんぴょんMAX

 ぅ~!!」


 「なにそれみなみ‥‥うわっ、小吉‥‥まぢ病む

 ぅ‥‥!」


 「結ちゃーん! 私大吉だった~!」


 「あぁ千咲、私も‥‥!」


 「華ちゃんは~?」


 「うひっ‥‥! 見せらんないぃ‥‥!」


 「勉学なんて書いてあった‥‥?」


 「何にも書かれてなかったうっううぅ‥‥!」


 「神も見放した‥‥!?」


 「あっ! とーや君!」


 色とりどりの華のある晴れ着に身を包んだみんなが、八重さんの声と共に振り向いた。


 

 「もぉ~! 遅いですよサポーターさん

 っ!」


 「桃弥くんも引きなよ、おみくじ」


 「何が出るかなぁ~♡」


 『えあっ? うんうん‥‥』



 挨拶も忘れて、俺はおみくじの箱へと手を伸ばした。そういえば、さっきのウサギは‥‥?

 そんなことを頭の片隅に浮かべ、ごそごそと箱の中を掻き回していると、突然箱がブルブルと震え出す。


 

 『うわあぁっ! 何これキモォ!?』


 「来たっ‥‥!」


 『何!? 何が来たの瀬々木ちゃん!!』

 

 「おぉ~! 桃くんすごー!」


 『宇江原ちゃんッ! だから何がぁ!?』



 意味分からん状況に混乱していると、今度は箱がきらびやかな虹色へと輝き出す。



 「うわっ! マヂじゃんみつ君!!」


 『ちょ待ってw なになに?』


 「確定演出‥‥」


 『何それ瀬々木ちゃん!?』



 ちょ、意味分からん意味分からん笑 何が起こってんの

 訳も分からぬまま、今度は白いフラッシュのような光が眩しく視界を包み込む。



 『うっ‥‥うわぁァァァァ!!!!』



 



……………………






 気付けば、自室のベッドの上、何これ‥‥?

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