第3話 お仕事スタート
「じゃあ最初の仕事はみんなの予定確認
と時間合わせをまとめてね。」
やはり〝お姉さん〟らしいな、白石さん。
が、頭が全力で拒否しに来ている。そう感じながらも俺の体は持参しているペンとメモ帳を取りだそうとしていた。
『なんか表とかありますかね、既存のものと
か。』
「もー、別に敬語じゃなくていいのに。君は
サポーターなんだよ?」
『え、でも先輩ですし‥。』
「いーよいーよ!気にしないで。」
『え、じゃ、じゃあタメ口にします‥。
あ‥いや、し、しますわ!』
「ふふっ、慣れてないね~。忘れてたけど、
私たち初対面だし。これから慣れればいい
よ。
そうだ、表はあるにはあるんだけどちょっと
古くて。今はもうスマホとかで連絡とりあっ
てるんだよね。せっかくだし新しいの作って
よ。」
『わ、分かりました。一人ずつ聞き込んでき
ますッ!』
俺は勢いよく飛び出した。
「しばらくは敬語かなぁ‥‥。」
なんと初仕事はメンバーたちの予定確認やスケジュール把握、そして集まれる時間を表にまとめるということだ。
これなら今居るメンバーとコミュニケーションをとりながら表を仕上げれるな。得意と言える程ではないが、過去のバイト経験で培ったコミュ力で頑張るぞ‥!
『さぁ、誰から聞きにいこうか…』
「サポーターさん!何してるんですか?」
『あ、あぁ笹山…みなみちゃんだっけ?』
「そうです!覚えてくれたんですね。」
『そ、そうだね‥サポーターだからな。
ところで笹山ちゃん、君の活動できる日とか
を知りたいんだけども。』
「あぁ~、分かりました!
月・木・日曜日は学校以外ならOKです。
金・土曜日はその日次第ですね。」
『OK、ありがとうな~。んじゃ、また。』
「ありがとうごさいまーす、頑張ってくださ
ーい!」
やっぱりこういう子が居ると仕事はスムーズに回るよなぁ、いい子なんだろう。
『さて、次は‥』
近くに小栗ちゃんだっけか?と宇江原ちゃん?が居るな。メモ取っといて良かったぜ。
「はなちゃん苺好きだったよね?これあげる
よ~!」
「あ‥ありがとね、ちさきちゃん!」
二人とも高1だから接しやすいのだろう、
仲良さげに見える。
『ちょっといいかなお二人、活動できる時間
をききたいんだけれど。』
「あ、サポーターさんだ! お疲れ様でー
す。」
「ひゃうっ! どうも!」
『う、うん。どうもどうも‥。』
「そうだ! クッキーいる?」
『え、あぁ、うん‥! ありがとね。』
宇江原 千咲、この子はフレンドリーで話しかけやすい。年の差はあるが友達のような口調で接してくれている、
やはり〝小動物系〟と言うだけあるな。
「わ、私もグミあげます! あ、ちさきち
ゃんもどーぞ‥!」
「わ~い! ありがとー!」
小栗 華‥‥ガサゴソと取り出すあたりが慌てているように見える。なんかいつでも焦ってない?
さすが〝ドジっ子系〟って感じだなぁ。
お菓子は嬉しいけど、そろそろ聞かなけれ
ば。
『ところで二人とも、いつなら活動できると
か希望時間とか言っておきたいことはあるか
な?』
「えっとね、私は‥月・水・金曜日と、でき
たら土曜日!」
フムフム‥‥宇江原ちゃんは月・水・金にワンチャンの土曜日ねー。
「わ、私は、えと‥水・金と土日ですっ!」
そして小栗ちゃんは水・金に土日な‥‥。
よし、こんなもんかな。
「あと私はおやつ大好き~!」
「わ、私もです‥!」
『お、おう‥!そうかそうかOK、ありがとね
ー。じゃあ、また。』
「はーい、頑張ってね~!」
「ふ、ファイト‥!」
最後のいるか?
まぁ、これからのコミュニケーションにはもってこいな情報だ。頭に入れておこう。
あと半分だな、残りは藍浦とみおう? ちゃん、そして白石さんだな。
お、あっちにちょうど二人‥‥‥
「うわぁ‥なんかサポーターがみてるよ~
w きもーい笑。」
「そだねー‥。」
なんかうっすら聞こえたぞ‥。確かに君らのほうを見たかもだけど、視界にいれるのもダメなんか?
『あ、あぁ‥‥、ごめんごめん‥。藍浦ちゃん
と、みおうちゃんだっけ?』
「そうだけどぉ~なんか緊張してる~笑
女の子と話せないのぉ?w」
ぐぬぬ‥‥、藍浦ちゃんは〝メスガキ系〟か、日常生活もこれがデフォルトなんか‥?
でもこれも仕事の内‥、ここは我慢だ!
「もぉ~、あっち混乱してるよ? 初対面
でそれはキツいでしょーw」
ほんとその通りだわ!
みおうちゃんは〝地雷系〟だっけか。
雰囲気そんな感じだが、見た目は普通だけどなぁ。
「どーせ予定調べとかでしょ~笑、私は
火・金・土・日ねー、よろしくぅ~w」
うっ‥、なんか見透かされとる‥‥。
「ついでに私も、水・金・土ね~。」
『お、OKだ。二人ともありがとうな
~‥‥。んじゃ、またねぇ…。』
「「ばいばーい笑」」
くそぉ‥なんか萎えるなぁ‥。
あいつら特にクセ強いじゃん‥。
まぁ、ともかく二人の情報が手に入ったんだ、なかなか順調だろう。
あとは白石さんだな、戻りがてら聞きにいこう。
…………
「あ、私ね。私はしばらくは金・土だけか
も、受験生だからね~。」
飲み物とお茶菓子を出しながら白石さんは言った。ほんとお姉さんって感じだなぁ‥。
『よし、残りの二人?以外はまとめました
よ。また会えれば聞いて表完成させときま
すね。』
「ありがとーね。ちゃんと仕事こなして
て、えらいぞー!」
『あ、あざっす‥‥。』
「よーし、今日はもう解散にしますか
ぁ。
みんなー、今日はこれでおしまーい。」
「はーい!」
「おつー」
「またねぇ~」
「ばいばーい!」
「お、お疲れ様ですっ!」
「元気でね~。」
みんながぞろぞろと帰り始める。
なんかそれっぽい活動何もしてなくね?
てか、魔法少女って何すんだよ‥!
「今日は時間なかったからお話会みたい
になっちゃつたけど、これからもよろしく
ね。
そうだ!連絡先、交換しよ?満木くん
MINE《マイン》やってる?」
『あ、はい。これ俺のコードです、おなし
ゃす。』
スマホの無料通信サービスMIME《マイン》、やっぱり便利だなぁ。
連絡先が貰えたら情報交換楽だし、良かったわ。
「おっけー、じゃまた明日。土曜日はいけ
るんだよね?」
『は、はいっ、いつでもOKです!』
「あはは‥‥笑、たしかに面接の時言ってた
ね。」
そう、俺は面接の時にいつでもいけると言ったのだ、もう暇人である。
「頑張ってくれるのは嬉しいけど、ほどほどにねぇー。あと、最後カギしめてきてね。お疲れさまー。」
『はい、お疲れ様です!』
彼女はそう言って会議室を後にした。
ほんとに面倒見がいいな‥。
今日は時間が無かったとか聞いたけど、いつもは何やってるんだ?
そう考えながら、今日得た情報を再びメモに書き連ねる。
初日? の仕事はこんなもんか。
俺ももう帰ろう、妹が心配するからな!
複雑な心情を胸に、俺もカギを閉めて会議室を後にした。
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