おまけ 飯テロ?



 『ふぅ‥今日はここまでにするか‥‥。』


 もう午後の6時だもんな、帰ろ‥。

 例の化物に背中をやられてしまった俺だが、みんなの助けでなんとか‥‥。ほんと九死に一生って感じだったわ。

 あの後みんな帰ったんだが、俺は居残りで今日のことを書き留めていた。藍浦ちゃんのなんかすごい技に瀬々木ちゃんの力、今日だけでも知ったことが色々とあったな。


 『うっし‥お疲れ様でーす‥』


 誰も居ないけど言ってみる。

 もちろん、誰も居ないので返事なんてかえってきません。

 でもこういうのが大切だと思うんだよなぁ、たぶん。



…………………………



   ピーピーピー!


 さて、今俺はどこに居るでしょう。

 正解は某ラーメン店です。

 サポーターになったので、文房具を新調しに、ここ黄藤町のショッピングモール的なところに来てみた訳だ。

 そしたらフードコートからかぐわしい香りがただよってきたって訳。

 たまーに食べたくなるんだよなぁ、こういうの。


 『すいませーん、5番札です。』


 ここの店は注文してから札をもらって、それが鳴ったら取りに行くタイプなんだよね。


 「はぁい♡ お待たせしましたぁ~♡

 ご注文の和風らーめんです♡」 


 『うぇっ! あ、藍浦ちゃん!? なんで

 ぇ‥』


 「バイト始めてみたの♡」


 『あ、はぁ‥。』


 驚いた‥お盆を持ったまま口が開きっぱだわ‥。

 よく見たらこの店〝メスガキヤラーメン〟って名前じゃん! ダメだろ!

 でも‥魔法少女やって、バイトまでやってて大変だなぁ。

 そう思いテーブル席にお盆を置くと、誰かとお盆が重なってしまった。


 『あっ‥す、すいません! 今どきま‥』


 「あっ‥みつ君じゃん。」


 『えっ‥‥あ‥みおうちゃん!?』

 

 「どぉも。」


 『どっ‥どもぉ‥。ら、ラーメンおいしいよ

 ね‥‥!』


 「うん。」


 『‥な、何頼んだの?』


 「これ」ドォン!


 うおっ‥! この香り‥まさか‥!


 「系ラーメン」


 『そこまで意識してんのか‥!?』

 

 なんでも字を変えりゃいいってもんかよ‥。

 こういうのが〝地雷系〟なのか‥?


 「地雷と言えばテロ‥! テロと言えばご

 飯!」


 どういう思考してんだ!

 ダメだ‥なんかフラフラしてきた‥‥‥‥‥




   ピピピピ! ピピピピピーッ!




  ‥アラーム!?


 ……『う~ん‥ はっ‥?』


 えっ‥あ‥ ゆ、夢‥? 

 あぁ‥‥ヘンな夢だったわマジで‥。もう疲れてんだ俺は。


 『ここは‥‥会議室‥か。』


 どうやら居眠りしていたみたいだ。

 なんと今までの出来事は夢の中だったようだな。


 『‥‥帰ろ。』


 はよ帰ってご飯でも食べよ。お腹空いたしな。

 ん‥口に違和感が‥。

 心なしかラーメンの香りがしたような‥。

 気のせいか‥。そうだよな‥?

 


 



 

 

 

 

 


 


 

 

 

 

 

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