第五話 Sランク冒険者

さてさて、今日も今日とて冒険者ギルドに来ている。結構前、何時だっけ?にCランクに上がってから、割と食料になる魔物討伐や、報酬が高い依頼などを受けれるようになっていた。


今までは安全をとってCランクの依頼のみを受けるようにしていたが、Bランクの依頼を受けてみようと思っている。

登録時に説明されなかった為知らなかったが、自身のランクの1つ上までの依頼なら受けれるらしい。


というわけで適当に見繕った依頼を何時もの受付嬢さんに渡す。


「すいません。これをお願いします。」

「あぁ、フレニカさん。こちらのイライラですね。1つ上のランクで多少危険な依頼ですが、宜しいですか?」

「大丈夫です。」

「そうですか。それでは気をつけて。」


依頼を受けたので街の外に出る。

今回受けた依頼はなんだ?えーっと、

フットラビットの群れの討伐?

これCランクにもあった気がするけど、とりあえず依頼書の場所に向かってみるか。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

現在私は絶句している。いや、現実逃避をしているというのが正しいだろう。

何故かって?それは目の前に広がる光景が酷すぎるからだ。


Cランクのフットラビットの群れの依頼は精々10匹いるか位だったのに、この群れは、余裕で50匹を超えている。

これは絶句せざるを得ない。


どうしよう?魔法で一掃するか、

いや、しかし…素材が欲しい、これだけいたら屋敷の食材がどれだけ潤うか。

私がどうしようか考えていると、

突然何かが横を通り過ぎた。


「うおおおおー!」


何かが通り過ぎた直後に、目の前のフットラビット達が空に舞い上がった。だが、そのまま重力に従い落ちていき、やがて地面に叩き付けられ、フットラビットの群れが全滅した。


成程、そうして倒せば良いのか。

じゃなくて、何者?突然現れてフットラビット全滅させて、喋ってたから人だと思うんだけど?


考えている内にその何かが私の前に立った。それは可愛らしい猫耳の付いた銀髪ショートの少女だった。彼女は何も喋らないので、私から話しかけることにする。


「何かありましたか?」

「お前、強い!」

「…え?」


言葉が通じないかもしれない?

もう一度聞いてみるか…


「何かありましたか?」

「お前、強い!私好き!」

「…あの、え?」


困惑してしまう。というか困る。

唐突に告白されてもどうすればいいか分からない。てか今私は女だが?


「あの、どちら様でしょうか?」

「あっ、私!Sランク冒険者!【豪嵐の銀猫】!」

「!Sランクの方でしたか。」


この少女がSランク冒険者とは…もしかして家の姉(仮)を探しに来るっていうSランク冒険者ってこの子か?

どうしよう、それより依頼が達成出来ない。とりあえず、


「あの、街に戻りません?」

「分かった!」


とても元気がいい子ですね。(諦)


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「…っていう事があったんですよ。なので依頼が達成出来なくて。」


今私は街に戻ってきて受付嬢さんに事情を説明している。さっきのSランクは隣に居る。なんで?

まぁ、とりあえずどうすればいいか聞かないと…


「どうすれば良いですかね?」

「そうですねぇ…【豪嵐の銀猫】様?先程の話に間違いは無いでしょうか?」

「合ってるぞ!こいつ強い!嘘つかない!」

「!貴女様がそこまで言うとは。分かりました。」


猫耳少女から謎の信頼が、というか、流石Sランク冒険者、受付嬢さんが一瞬で信頼したぞ。


「そうですね、それではその群れはどうしましたか?」

「一応私がアイテムボックスに入れてます。」

「そうだぞ!」


猫耳少女はとても元気だな…


「そうですね…そうなると、共同討伐ということにしましょうか、それなら1番良いと思います。」

「私は良いぞ!」

「すいません。共同にするとどうなるんですか?」


共同?私は何もしてないのに良いのかな?


「今回は【銀猫】様が討伐、フレニカさんが運搬となるのですが、運搬といえど数が数ですので、報酬が半分になります。」


成程、アイテムボックスを持ってないと運搬だけとはいえきついからそうなるのか、それなら良いかな?


「それなら大丈夫です。」

「分かりました。【銀猫】様はギルドに預け入れで宜しいですか?」

「いつも通りに宜しく!」


猫耳少女はいつも預け入れしてるのか。

使わないのかな?

まぁ今日の依頼も終わったし、一旦屋敷に帰ることにする。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る