第十三話 早く帰りたいですから。

取り敢えず街の上空で飛んでますが…

街の近くですっごい魔物が密集してる場所があるんですよねぇ…しかもとんでもなく強い気配を感じるのがその中心ですが……


まぁ、早く終わらせましょう。聖国の方もいつ来るか分からないですし、時間掛けても面倒臭いので。


というわけで上空から飛び込みます。

地面が見えてきたのですが…お?

なんか、とんでもない魔力を放ってる熊が居るんですけど…ソフィアさんが言ってたのってあれですかね?


なんか、ちょうど良い感じにあの熊の周囲だけ空いてたりは…してないんですよね。

しょうがないですかね…まず、先に弱い魔物を間引きますかね〜。邪魔されたら余計遅くなりますし…


まずは上から打ち下ろしますか。

広範囲を殲滅したいんですけど…そうなると地形を余計に壊しそうですしねぇ…

丁度良い魔法は…ありますが、いやあるんですけどもね…ここで使っていいのか…?


よりによって聖国という宗教の前で使うか?

………いいや、どうせ聖国軍も敵対してるし。

それより殲滅しましょうかね。


それじゃ…『光系統・聖浄の光』

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……うーん。エルバートさん達を守るので手一杯になってきたわねぇ〜。

魔物はそんなに強くないけれど、数が多いから…

ずっと同じこと考えてる気がするわね。

でもそれくらい数が多いのだけれど……


……!今の魔力は、フレニカちゃん?

私がフレニカちゃんの魔力を察すると同時に目的地のある方向から光が見え始める。


「この光は…」


この光、なにか知ってるわね…確か、あの時のフレニカちゃんの仲間が使ってた魔法と似てる…?

あの時、私には全く効かなかったのだけれども……


というよりも、フレニカちゃん、段々魔力強くなってないかしら…?

それ以上となるとちょっとまずいかしらね…?いくら私が人の姿とはいえ私の素は魔物よ?


「ちょっ…!」


フレニカちゃんの魔力が強くなっていくと共に私の余裕が無くなっていく。

ちょっ、これ、あの子の魔力が強いせいで光に当たらずとも空気が痛いんだけど!


後ろの二人を守るとなるとキツかったけれど、幸い2人は人間だから効果はないし、気にする必要はないわね。というより気にしてる暇が無いわ。


私は魔法で回復したり魔力で影響を抑えながらも、光が収まるまで必死で耐え忍ぶのだった。

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私の眼前には、聖国軍が布陣する姿が見えている。モルベア辺境伯と話している最中、怪しい動きが見えたらしく、いつ進行が開始しても良いように私は待機している。


……彼女は無事かな。さっきからずっとそれしか考えてない。取り敢えず、何事も起きなければ良いけど…

そんなことを考えていると突然…


「っ!」


私の後方…聖国軍の布陣する場所から反対にある森、先程フレニカが向かった方からとてつもない強さの魔力を感じた。


聖国軍もそれに気付いたのか動きが慌ただしくなっている。彼女は一体なにを…?突然の魔力に私が驚いていると、段々と周囲が明るくなって行く。


あまりの事に思わず後ろを振り向く。そこで見えるのは、何…?森の中央付近、その上空からとてつもなく神々しい光が輝いている。先程の魔力もそこから発せられているし…


私が呆気に取られていると聖国軍の方に動きがあり、慌てて身構える。軍が動き始め…た?

いや、撤退してる?


…………何があったの?

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…さてさて、魔法はどんな感じの効き目でしょうかね…っと?あれ……


私は広範囲に広がり、かつ魔物以外の被害を出さないような魔法を使った…のだが、折角だし魔力をたっぷり込めたんですけど……


なんか、あれですね。あの強そうな熊も倒れちゃってます。取り敢えず、そうですねぇ…

一旦討伐の証明ということで熊を持っていきますか。


ん?というか、聖国軍と思われる大量の魔力反応が段々と離れていってますね……撤退してるみたい?


ん〜……なら、聖国は後回しにして良さそうですね。じゃあ一先ず街に行きましょうか。


これだけ大きいと運ぶのも大変ですねぇ〜。

まぁ、「空間系統」の魔法を使えばいっか。

さてと、街に戻りますか。

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………布陣していた軍に素早く撤退の準備を命令した。後方の軍は既に撤退を始めている場所もある。


まぁ、あの光を見れば無理は無い。あれは間違いなく神聖な力を帯びていた。そんな力を持つ者、言わば神の使いとも言える者のいる場所に攻めよる気概は、私達信徒には無いのだから。


思えば、教皇猊下はこれを知っていたのかも知れない。確かあれは、2ヶ月程前の事だったか…


あの日、教皇猊下の意向を無視した4人の枢機卿達によって、クラジニフィア聖国の周りに位置する三国に宣戦布告がされた。


そして対して権力を持たない私達、聖騎士や一般信徒達は、枢機卿達に従うしか無かったのだが…


最後まで反対していた教皇猊下は現在、聖国にある大教会に幽閉されている。私はその様子を見ていたが…教皇猊下はその時、焦っていた様な気もする。


4人しかいない枢機卿全員に裏切られたからと言われればそうだからかもしれない…だが、あの目は違う何かを見ていた気がする。


ぬぅ…恐らくこのまま本国まで撤退することになるだろうな。本国に入ったら直ぐに教皇猊下をお助けしよう。出国前は警備が厳しかったが、撤退した直後ならそこまで厳しくない。


恐らく聖騎士団で総力を上げればお助けできるだろう。そして教皇猊下に事態を説明して各国へ使者を出してもらおう。そうすれば最悪の事態には…ならない筈だ。


最悪私が進言すれば良い。聖騎士は権力を持たないとはいえ、聖騎士団の団長である私…アイネス・ホワイトの言葉なら、少しは耳を傾けてくれるはずだ………

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