第十話 夜間警備員です☆

というわけで色々と根回しをし終えたので現在は夜間警備をしている。私の経験上しばらくの間は侵入者を警戒しなければならない。なぜならああいう貴族は追い詰められると焦って沢山の人を送り込んでくる。


しかも今回は私というただのメイドのボコボコにされたことが癪に障っているだろうから暗殺者数人は固い。

暫くギルドに行けないかな?


3日経ったが未だにこない。おかしいな、そろそろ来る筈なんだけど。あの貴族の性格上即座に送ってくると思ったが。そろそろ食事の時間なので作るために警戒を解く。そろそろきて良いんだぞ~?


更に2日経ってからいつも通りに警戒していると、


「・・・・・・・・・ぉ」


何やら小声で会話が聞こえる。

集中してなかったのであまり聞こえなかったが恐らく今夜仕掛けてくるだろう。

それじゃあ、夜間警備の時間かな?

それよりも食事の準備しないと。


ということで夜になった。周囲が暗くなってからが本番。いつ来てもおかしくないからな。いつ来るかな?


───────────────────「今回は伯爵様からの依頼だ。報酬はとても高い。今回の任務を確認しておく。

三人は屋敷を探索して魔術について研究された資料を探せ。これは一番の優先事項だ。次に俺を含めた五人はこの屋敷にいる一人の使用人を殺せ。殺したら全員資料の探索に加わる。何か聞きたいことは?」


「何故使用人に五人も付けるのですか?」

「Aランクの実力を持つ護衛に対して余裕の表情を浮かべて倒したそうだから念を入れてだ。それでは任務を開始する。」


「これから念話で会話する。」

「「「了解」」」


侵入してから暫くして一階の探索が終わったので戦闘班に連絡する。


「こちら探索班オール。一階探索完了。二階の探索に移る。」

「こちら戦闘班ベータ。了解」

「メイ・・・」

「戦闘班アルファ?応答せよ。」

「戦闘班点呼せよ。」

「・・・」

「ベータ、無事だ。」

「チャーリー同じく。」

「デルタ、こちらも無zぐっ…」

「デルタ?応答せよ。」

「・・・」

「戦闘班リーダーより命令する。一階玄関前で戦闘班は固まれ。」

「・・・」

「チャーリー了解。」

「ベータ?応答せ…」

「リーダー?…こちら戦闘班チャーリー。

探索班へ告ぐ、戦闘班は壊滅状態と思われる。いち早く探して持ち帰れ。」

「探索班オール、了解した。そちらも用心するように。」

「戦闘班チャーリー了解s…」

「チャーリー?」

「探索班オール。背中を合わせろ。」

「「了解」」


何があった?恐らくアルファは速い内に倒されていた。だが、だとしとらあの殲滅速度は?ゆっくり倒していくのでは無く、タイミングを待っていた?

いや、まさか、念話を傍受されていたのか?だとしたら、


「探索班、これからは念話を使わずに行く。念話は傍受される危険がある。」

「・・・」

「探索班?」


そう問い掛けると…


「良くわかったね。傍受されてるって。」


後ろにメイドが立っていた。


「何者だ?」

「私?私はねぇ。夜間警備員です☆」


その声と共に私の意識は消えていった。

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