第十二話 不穏な予感

今日も今日とてギルドで依頼をこなしている。え?貴族はどうなったって?

真偽確認できるスキル持ちがいるんだから、そこへんは言わずとも解るだろう。

とりあえず調べたいことがあるから平原へ行く依頼が受けたいのだけど、丁度良いのが見つからない。受付嬢に聞くか。


「こんにちは。平原に行きたいんですけど丁度良い依頼ありませんか?」

「平原ですか。貴女は依頼遂行率が100%なので信頼できると判断されています。なのでランクはCですがBランク下位~上位までの依頼も受けれますよ。」


「そうなんですか?でも折角なので選んでくれません?」

「解りました。ギルドとして受けて欲しいものとオススメのものがありますが、どちらにしましょう?」

「前者で。」

「解りました。ではギルド長から話があるのでついてきて下さい。」


うーん?聞いてないですよ。


目の前にはいつもの受付嬢さんと凄くゴツい体格の男がいる。これがギルド長か。


「まず依頼を受けてくれたことに感謝する。今回は特殊な依頼であり、このことは他言無用だ。そして、肝心の依頼内容だが、街付近の平原にある【約束の大樹】と呼ばれる巨大な木の付近にある石碑を調査して貰いたい。」


「そこには何があるのですか?」

「これはギルドの上層部や国のお偉いさん方にしか知られていないが、過去に存在した王国にとても強い騎士がいて、その騎士が倒すことが出来ずに封印された魔物が居たそうだ。そしてそいつの封印された場所には目印となるように石碑と木が植えられたそうだ。その木が魔力を吸って成長するもので、封印が解けたときには木が急激に成長して解る。」


「つまりその木が成長したと?」

「そうだ。封印が解かれそうになっている。そしてその封印の状態を詳しく調べて来てほしい。調べるための機材も渡す。」

「解りました。」

「よし。それではこの機材を使って欲しい。使い方は…」


なんか話が進んだな。

まぁ、私の調べたいことが丁度それだったし、いいかな。朝起きたら過去に無くなったスキル『永遠の魔力』が復活してたんだよね。だからそれの原因を調べに行きたかった。にしても、未だに封印が解かれてなかったなんて、ちょっと警戒するか。


現在私の目の前には巨大な木がたっているのだが、でかすぎる。縦はおおよそ100mちょっと、横幅は大体30m前後ある。


「どこにあるのかな...」


ちょっと目をそらして石碑を探すことにする。少し離れた所に置いてあった。

もう一度言う。置いてあった。


「まずいな?」


石碑が普通の石みたいに転がってるということは封印が意味をなしてない。

どっかに封印されていたものが居るはずなんだけどどこにも気配がない。


「めんどくさい。」


これは報告した後に探索する案件ですね。

私には解ります。


「なんということだ。」


報告したらギルド長は目を見開いて驚いている。そしてなにやら不穏な話が、


「国に報告して対策しなければ。」


まずいね?早めに回収しないと怒ったあいつのせいで国が滅ぶ。


「情報感謝する。それではここでのことは他言無用だ。国に関わることどからな。」

「解りました。」


そして私はギルドから出て、


「あいつどこ行った、」


と呟くのだった。

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