第二章 Sランク冒険者

プロローグ 姉様の登録

今日も今日とてギルドに来ている。

いつも通り仕事を終わらせてから来たが、何時もと違うことがある。それは隣に姉が居ることだ。しかし屋敷が空いてしまうので今日は屋敷に結界を張って出てきている。いつもなら大丈夫だが最近は狙われる事があるからな、大事です。


それより、何故姉が居るかということだが、姉がギルドに興味があるらしいので登録にきたのだ。どうせすぐランクあがって来るだろうし。別に何も意図はないけど言っとくと一人だと受けられない依頼が有るんだよね。そんなこんなでギルドに到着。

いつもの受付嬢に話し掛ける。


「すいません。姉の登録を行いたいのですが。」

「隣の方ですね?わかりました。

・・・それではこちらに血を一滴垂らして下さい。」

「姉様?」

「あぁ。ここで良いのかしら?」

「そこです。」

「・・・はい、それでは登録が完了しました。そちらのカードがギルド員としての証となるので無くさないようにして下さい。」


「ありがとう。」

「そういえば受付嬢さん。パーティー申請って出来ますか?」

「パーティー申請はランクの差が一つまでの人であれば出来ます。」

「解りました。ありがとうございます。

姉様、頑張ってランクあげてね。」

「解ったわ。任せて。」


登録が終わったので解散した。姉様は依頼を受けるらしいが、私は屋敷に戻る事にする。今日は来客があるらしいから。

それにしても、受付嬢さんは最初の印象とは違ってしっかりしてるな。しかも私が近づくと魔力が上昇してる。封印前まで魔法とかまともに対処してないから怖い。

とりあえず、帰ることにする。


帰り際、依頼を受けようとする姉様に対してひきつった笑顔を見せていた受付嬢は恐らく私の見間違いだろうな。


───────────────────

私は受付嬢、そう、ただの受付嬢だ。

あんな異常な強さを持ってない。

大体何ですか?この短期間でランクをぽこぽこ上げて。更にはその姉?馬鹿ですか?強いに決まってるじゃないですか。

思わず顔がひきつりましたよ。

幸い問題を起こしてないので良いのですが、絶対その内問題が起きます。良い意味でも、悪い意味でも。だってあんなの、


「元Sランクの私でも勝てるわけ無いじゃないですか…」


絶対他の現役Sランクと問題が起きます。

どうか、どうかその時は、私が巻き込まれませんように…

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