第六話 ギルドランク昇格試け...試...
ギルドに登録してから十日程経ち、特に何もなく依頼をこなして料理を作り、といった様子で過ごしていたらいつもの受付嬢さんから突然
「Dランクへの昇格条件を満たしましたが、試験を受けますか?」
と聞かれた。
なぜ突然Dランクなのだろう。
Eではないのか?そう思い、
「Eじゃないんですか?」
と聞くと、
「Fの方は一定数の依頼をこなすとEかDかの判断がギルドからされます。その判断基準が討伐、採集、納品の全てをこなしていることなのですが、それらを貴方はクリアしていました。なのでDの試験が受けられますが、どうしますか?」
そう言われたので、せっかくだし受けてみることにする。
「受けます。」
「それでは明日の昼過ぎにギルドの訓練所にきて下さい。そこで試験を行います。」
とのことなので討伐と納品依頼を受けてギルドを出る。
後から知ったけど依頼の複数受注は確実にこなせると判断された人しかできないらしい。何故Dランクの条件を満たしているのかというと、討伐はフットラビットやスライムのを受けているし、納品はスライムコアのことだろう。
因みに討伐依頼はドロップが確定でもないのにどうやって確認しているか気になると思うがそれはギルドカードがしっかり記録してくれる。なんでもどのモンスターを何体倒したというのが専用の道具を使うと表示されるらしい。便利。
話が飛びすぎたが、街を出てサクッと依頼を終わらせる。
昼食を作る時間が迫っている。
「暇だなぁ。」
最近は食事を作るのも慣れてきて一瞬で終わる。読書しようにも自分に「時空系統」の「加速魔法」をかけて読んでいたので全てを読み終わってしまった。
「何をしようか。」
暇なので取り敢えず屋敷を出る。
そしてそのまま街を出る。
「なんか居るかな。」
今は森に来ている。理由はウサギ肉の調達ついでに探索をするためだ。
「あんまりこの付近を見たこと無いなぁ。」
探索して気づいたが、この付近はわりと魔物が少ない。一定の場所に片寄ってモンスターが湧いている気がする。
「なんだあれ?」
なにやらでかいウサギにいつものウサギ達が群がっている。
そういえば一つ聞いたことがある。
モンス達には定期的に群れのボス的な奴が出るとかなんとか。
しかもその素材は通常のモンスよりも上質らしい。そう、“上質らしい”のだ。
そんなこと言われたら、言われたら、
食べたくなるよね。ということで、
「ウサギ狩りの時間です。」
そしてギルドに寄って討伐を報告する。
「すいません。ウサギ狩ってきました。」
と、いつもの受付嬢に証拠のドロップを見せる。すると、
「あれ?このドロップってもしかして...ボスのドロップですか?」
と聞かれた。隠すことも無いので正直に答える。
「そうですね。」
「あーはい。そうですね。えーっと。」
答えると、突然受付嬢は頭を抱えて呻き出した。しばらくすると、
「そうですね。えぇ。貴女は今日からCランクとなります。」
突然そんなことを言われた。
「え?Dはどうなるんですか?」
「フットラビットの群れを討伐してる時点でDはこえているんです。そしてモンスターのランク分けでDランクでも上位のビッグラビットを単独討伐した時点で十分実力があると判断されました。そして、ビッグラビットは群れのフットラビットを強化する能力があるのでCは確定です。」
「成る程です。でも討伐以外の採集や納品は達成していないのですが。」
「それに関しては問題ないです。言ってませんでしたが貴女が過去に持ってきた薬草のついでの何かですが、あちらがBランク相当の魔力根でした。そして納品は大量納品のクエストによって達成しています。
これらの理由から全てにおいてCランクを達成していると判断されました。」
「あの、試験って」
「今日からCランクです。」
「・・・あの、試験」
「今日からCランクです。」
「あっはい。」
ということでCランクになった。
取り敢えずそろそろ夕飯の準備をしなければいけないのでさっさと帰る。
「これはどう使おう?」
大ウサギ(ビッグラビット)の肉を何に使うか悩む。
「むぅ。」
何も思い付かない。
いつもと同じソテーかスープか。
そういえば作っていないものがあったのでそれを作ることにする。
大ウサギの肉に薬草や香辛料等をふんだんに使って香り付けをする。
そしてオーブンでじっくりと加熱する。
大ウサギの肉を焼いている間にタレを作ることにする。砂糖とみりんと醤油を混ぜておろしたショウガを加える。
焼き上がるまでにお嬢様の好物であるフルーツタルトを作る。今日はCランク記念ということで普段よりも大きく作った。
その他には野菜をたっぷり使ったスープを作る。焼き上がったのでお嬢様を呼びに行く。
食堂について、
「今日は豪華な食事ですね。
何かありましたか?」
「はい。僭越ながら本日私のギルドランクがCランクへと上がったので、その時に狩ったモンスターの肉を使わせて頂きました。」
「そういうことですか、ってCランク?」
「はい。Cランクですが。」
「あのCランクですか?」
「あのも何もCランクです。何も凄くは無いと思いますが。」
「あぁ。そうでしたね。貴女はそういう人でしたね。丁度良いので今日はギルド関連について教えましょう。」
また呆れられたようだ。
「まぁ取り敢えず、食事をしますか。」
そして食事の時間を過ごす。
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