第#話・閑話 記憶の断片2
───────────────────「おい、聞いたか?例の魔物が倒されたってよ。」
「らしいな。だけど、【国の剣】も共倒れになったって話だぜ。」
「あぁ。彼女が国を守ってくれなかったら俺達も今頃…」
「…そうだな。」
───────────────────「我が国の騎士団長である【国の剣】「フレイア」がかの魔物によって亡くなった…彼女に冥福を祈る…」
───────────────────「騎士団が出発するぞ。」
「あぁ。あの馬車には国の英雄が乗っているのか。」
「亡くなってしまった彼女を埋葬しに行くんだってよ。」
「そうなのか。」
「俺達も彼女の冥福を祈ろう…」
───────────────────「副団長、とある衛兵によると、団長は無事とは言い難い状態ではあるが、国へ帰ってきたようです。」
「副団長、こちらで確認したことによると、魔物の討伐後、国王陛下へ報告しに行き、謁見したようです。」
「ふむ。それでは団長は亡くなっていなかった筈なのか…更に詳しく調べろ。」
「了解しました。」
───────────────────「副団長、報告です!とある近衛騎士に確認した所、宰相が一部の貴族と共に団長を処分すると話していたと。」
「何だと?まさか…他に情報が無いか探せ!」
「副団長!宰相が国王陛下へ団長の処分を促していたとの情報が!」
「………」
───────────────────「……フレイア。」
「……………」
「私にできるのはこれだけよ。」
「……………」
「聞こえてるかしら…」
「……………」
「……せめて、またいつか一緒に…」
───────────────────「宰相よ。」
「何でしょう陛下。」
「私の判断は、合っていただろうか。」
「ええ。あっていました。本来ならば裏で処刑しても良かったでしょう。」
「そうか…」
「あれに牙を向かれるくらいなら妥当な判断です。」
「………」
───────────────────「私を封印した彼女の気配が消えた?」
「でもまだ封印は解かれない。一体何があったのかしら?」
───────────────────「何故私は封印された?」
「・・・答えはでないか。」
「・・・とても、暇を持て余すな...」
───────────────────
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