第40話高校2年生になって、平和な毎日のはずが・・・

【高校2年生になって、平和な毎日ではなかった】

  栞が、こじれていた斎藤さんと萩原君の仲を取り持って、2人がめでたく恋人となってから、毎日平和な高校生活を送れ、無事2年生に進級し、2人とも同じクラスになって俺に友達が2人もできた。

萩原君も俺と同じラノベを読むらしく、何の抵抗もなく読書同好会(部)に入ってくれ、一緒に斎藤さんも。

俺はいつものように塾のある日、3人で部室で弁当を食べ終わって、塾の予習。

2人は「先に戻ってるね」と言って、俺1人できりの良いところまで勉強し、あとかたずけ、午前中の授業終了の5分前、塾のテキストと弁当箱を持って急いで教室向かって階段を登ろうとしたとき、上から降りてくる人影が見えた。

気にすることなく登ろうとしたら、急に階段を踏み外したらしく、俺に向かって……人間が降ってきた。

うわっ、思わず手に持っている弁当箱とテキストから手を放し相手を両手で抱えたけれど、相手の勢いの方が強くて、相手を抱きかかえた形で一緒に踊り場に転がってしまった。背中から落ちたので、思わず受け身をとって何とか助かったけれど、その瞬間相手を抱えていた手を放してしまい、思いっきり俺の胸と腹に相手が落ちてくる、ドン。

うっ、一瞬息が止まって、苦しんでいると

「大丈夫ですか?けがはありませんか?」

そう言いながら 俺のおでこに手を当ててきたんだけど、

「大丈夫そうですね、よかった」って、別に病気じゃないんだから、熱があるわけじゃないんだからおでこに手を当てる意味あるのか?

なんとか息ができるようになって、そんな風に思っていたら、相手が横に転がっていた眼鏡と弁当とテキストを俺に差し出してきたので

「うん、大丈夫、君こそけがはない?」って言ったんだけど

「……えっ?」

1年生だと思って話しかけたけど、馴れ馴れしかった?言葉使いに気をつけながら

「あの~怪我はなかったですか? 階段を降りるときは足元に気をつけてくださいね」

「……」

「どうしたんですか?どこか痛いところでもありますか?」

「いえ、ありがとうございました。あの~」

「そっか、そうですか、これからは気を付けてください」

「はい、……あの……」

俺はあわてて、その女子が差し出した眼鏡と弁当箱とテキストを持って部室に行くため階段を駆け上がって走って行った。

背中からその子が何か言っていたような気がしたけど、気にしちゃあだめ、学年が違う今時のJK、1学年違うだけで全然違う人種、特に俺みたいなぼっちにとっては、異人。

これ以上かかわると、余計なことが増えそうな気がした。

ただでさえ3大天使のもう1人の佐々木さんまでもぼっちいじりが楽しいのか、クラスが違うのに何かあると俺に絡んできているから。

俺なんかに助られた1年JKはきっと『2年のモブぼっちが絡んできて渋いんだけど』とか、そんな事だろう。

 急いで教室に戻って席に座ると、すぐに先生が教室に入ってきて授業が始まった、ギリギリセーフ、授業が終わってほっとしていると、後ろから斎藤さんが

「高木君、背中、汚れてるよ?どうしたの?」

「うん、さっき階段で、足を踏み外して飛び込んできた女子を抱きかかえたら、一緒に背中から落ちて、それで汚れたんだよ」

「そう、大変だったね」

そう言って背中の汚れを払ってくれたので

「ありがとう」と俺を言ったら

「大丈夫?念のため保健室に行ったほうがいいんじゃない?付き添ってあげる」

「いやいや、汚れただけだから大丈夫」

そんな俺のことを無視するかのように、齋藤さんは、クラス委員に向かって、

「高木君が階段から落ちて背中を打ったみたいだから保健室に連れていくね、先生にはそう伝えてくれる?」

え~っ、

「ほら、行くよ」

そう言って俺の腕をつかんで、どんどん保健室に向かって引っ張られて行った。

何故か萩原君は、うんうんとうなずくだけ、それなら女性の斎藤さんじゃなくて男の萩原君じゃない?って思ったけど、斎藤さんが俺の腕をグイッと引き寄せ、保健室に。

齋藤さんが保険の先生に事情を説明すると、俺は保健室のベッドにしばらく横になるよう言われ、そのうちうとうと寝てしまい、気が付けば5時限目が終わったらしく、萩原君と齋藤さんが様子を見に来てくれて、齋藤さんは心配だからと言って栞に連絡を入れておいてくれ、萩原君まで来てくれて、なんか申し訳なく、でもありがたいというかぼっちの俺にも心配してくれる友達がいるんだ、なんかうれしくて2人にお礼をいうと、栞と俺にはすごいお世話になったからって言われた。そっか栞に頼まれたのか。

その日、俺の部屋では、心配そうな顔をした栞が

「体の方は大丈夫だった?」

「うん、その子が俺のおなかと胸の上にドンって落ちてきたときは一瞬呼吸困難状態になったけど、頭は打ってないし、じいちゃんとの練習稽古で思いっきり落とされたときもそういう事があるから、ちゃんと受け身を取ったから大丈夫だったんだけどね」

詳しく教えてほしいというから、そのことを説明すると

「何~?おでこに手を当てて体温を測った?何それ……床に落ちてた眼鏡を拾ったの?まずいじゃない、それってかっくんの$%&をしっかり見たってこと$%&‘()“#$%&」

栞が1人でブツブツ独り言を言い出したと思ったら、突然斎藤さんにRINEをして

「ちょっと部屋に行ってくるね」とう言って隣の栞の部屋に行ったしまった。

10分ほどして俺の部屋の戻って、

「かっくん、その子の名前、わかる?」

「ううん、知らない、1年だったと思う、何か俺に話しかけたけど、急いでいたし、絡まれるといやだから走って教室に戻った」

「そっか、ふ~ん」

「どうしたの?」

「ううん、なんでもない、でも気をつけてね、いくら稽古でも経験したからと言って、間違って頭とか打ったら大変な事になるんだから」

「うん、わかった」

「そっか、ちょっとまずいかもしれないわね、やっぱり斎藤さんを頼って正解ね、明日また斎藤さんに連絡しなくちゃ、うん、それしかないわ、そうね%&‘()“#$」

今日の栞は何か変だった、ブツブツと独り言が多かったし斎藤さんがどうのこうの言っていたし、

心配になって、何かあったのか聞いても

「ううん、なんでもなーい」

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次の日、学校でいつも通り、お昼になったので、3人で部室に行こうと階段を上がっていると、昨日と同じように、その1年生が立っていた。


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次回からは週1ー2の更新になります。

すみません

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