第28話記念祭2

【記念祭2】

お昼を食べ終わってから、齋藤さんと別れ、また2人で

1時間ほど、一緒に歩いていたら、向こうの方でざわめいているので、何?って思ってそっちを見ると

「あー、いたー、かっくーん♡」

「忍?」

「忍ちゃん!」

「来ちゃった♡」

「来ちゃった、って、来る気だったんでしょ」

「うん」

俺は忍に

「高校の文化祭なんて大学生にすればつまんないんじゃない?」

「そうね、文化祭自体はつまんないかも、でもかっくんと一緒だったら最高に楽しいのよ、違う?」

栞の顔を覗き込みながらそう言うと

「うん、そうね……」渋い顔の栞が何故か頷く

忍は俺をじろじろ見ながら栞に向かって

「そう、やっぱり、こういう事なのね、栞ちゃん」

「そうよ、ここではかっくんって言っても誰も気づかないし」

「そう、フムフム 栞ちゃん、私のためにかっくんを守ってくれてありがとう、後は私にまかせて♡」

「ちょっと、何言ってるのよ、忍ちゃんのためなんかじゃないんだからね」

「はいはい、わかったから、じゃあね、ばいばい」

そう言って俺の腕に絡んで、それを栞が引き離す。

周りからはすっごく注目されるし、ひそひそ話が

『何?すっごい、モデル3人で言い争ってる?』

『なんかすっごい、なんであんな人達がうちの学校にいるの?』

『齋藤さんの知り合いみたいよ』

2人で言い争っているところに齋藤さんまでもが現れて

「忍さん!」

「あら、齋藤さん」

「何やってるんですか、周りの皆が見てますよ!」

齋藤さんが忍に話かけているのを見て、また周り連中が、

「あっ、齋藤さんだ、やっぱり齋藤さんってモデル活動していて、そのお友達が来てるんじゃない?」

まわりが齋藤さんの事を言ってるみたいだけど、俺達はそれどころではなくて

「齋藤さん、忍ちゃんを引き離すの手伝って」

「うん」2人がかりで忍を引き離し

「忍ちゃん、ここ学校なんだから、そういう目立つことダメでしょ」

「は~い」

確かに俺は忍にとって弟みたいなものなんだろうけど、あの頃とは違うんだから抱き着いたりしないで……健全な高校生は、こんな綺麗なお姉さんにそんな事されると……俺のもっこり君が……

3人が何か言い合っているけれど、今の俺はそんな事より……ひたすらじいちゃんの顔を思い出しながら……もっこり君を、冷静に、冷静に・・落ち着け落ち着け……

何故か背中に視線を感じて、振り返ってみるけれど……っ、誰もいない。


/////////////////////////

影でそれを見ている女子が1人・・・『高田君・・・』・・

そして男子が1人・・・『裕子・・・』・・


―記念祭が終わって

結局最後のほうは3人で回ることに。

今日は栞と2人で学校デートのはずが、忍の乱入で3人になったけど、忍も俺にとってはとっても大切な人、3人で回るのもいいかな? 

時間も結構たって、一般の人はここまで。

俺は後片付けのため、また3階の階段下で変装を解いて、2人にバイバイして見送る。

まず部室に行って後片付けを手伝い、それから教室に戻る。

周りの目を気にしながら齋藤さんがやってきて

「今日は大変だったね」

「うん」

「帰りに高木君の家に行ってもいい?」

「俺はいいけど、なんで?」

「うん、明日は実質休みだから、栞ちゃんと、忍さんとお話がしたいの」

「そっか」

「うん」

「わかった」

俺のちょっと後ろをきょろきょろしながら付いて来る齋藤さん・・なんか変。

栞にRINEで連絡を入れ、2人で帰る。 

駅に着くと・・栞と忍がマクドから出てきた。

「栞、忍」俺が2人に、向かって手を振ると、2人は機嫌悪そうな顔で

「ちょっと、なんで齋藤さんが一緒なの?!」

「2人に、ちょっとお話があって一緒に来たの、栞ちゃんの部屋でお話しない?」

「わかったわ」

う~ん また3人で 俺の知らない会話が。

途中皆でコンビニによって飲み物やお菓子を買って、4人でぞろぞろ俺の家に。

3人はそのまま隣の栞の部屋に入って行った。

俺は1人・・・まあぼっちは慣れているから、リビングのソファーでごろ寝している、うとうとしていると3人が2階から降りてきて俺の顔を覗き込む。

う~っ と両手で伸び・・をして起きると、忍が

「かっくん、今日は私が晩御飯作ってあげる」

「「私も」」

忍が晩御飯を作る、2人が手伝うって言うけど、忍のご飯……たしか……やばい

「いや、栞が作ったほうがいいんじゃない?」

「……かっくん、いつもまでも昔のままじゃないのよ、進化した私の料理、食べてみてよ」

俺は栞の顔を見ると、栞はしょうがない、って顔。

は~

「わかったよ、進化した忍の料理楽しみに待ってるよ」

ニッコニコの忍は、すっごいやる気を出して、台所に立つ

食材は昨日、栞が作るつもりだったのだろう、冷蔵庫に入っていたのでそれを使うつもりだ。

どうしよう、栞が晩御飯を作ってくれるようになってからカップ麺のストックが数個しかなかったような気がする……4個あるかな~。

食品用のストック棚に目をやると……栞に……ばれた、栞が俺の所に来て

「大丈夫、私がついているから」

小さな声でそう呟いてくれたので、ちょっと安心して、晩御飯を待つ。

テーブルに出てきた料理は煮込みハンバーグだった。

「かっくん、できたわよ」ニッコニコの忍

思わず栞を見ると、うんうんと頷いたので、安心して4人で食べた。

大丈夫だった、ちゃんと食べれて、結構うまかった。

イヤ、今までの忍の料理に比べると滅茶苦茶おいしい。

思わず

「おいしい!」

「でしょ?♡」俺を見てドヤ顔の忍

「これ、忍が作ったの?」

「そうよ、どう?すごいでしょ?私だってちゃんとした料理、できるのよ」

これでもかっ!ってくらい得意げに、

「でも、ほとんど栞ちゃんの指示の通りだったと思うけど……」

うっ齋藤さん、それは禁句……

「違うわよ、私がやろうとすると栞ちゃんが先に言うからそう見えるだけよ、別に栞ちゃんに言われなくてもちゃんと作れるんだから」

「ふ~ん」「へ~」


//////////////////////

ネタバレ

「高田君」であってます、テンプレだから ね!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る