第27話記念祭1

【記念祭1】

記念祭の終わりの時間ぎりぎりまで部室でコミックを読んでいると4人組が教室に戻るみたいだったので、声をかけて一緒教室に戻るとちょうど終わったみたいで、速攻で家に帰る。

栞が待っている。

明日は栞が来る。

急いで部屋にはいると

「おっそーい」

「いや、これでも速攻で学校出て、

走って帰ってきたんだよ」

なんか不機嫌

「じゃあ、さっそく聞きましょうか」

「ちょっと待ってよ、のどが渇いたから、何か飲んでからでいいだろ」

「むっ」

謝りながら1階に降りて冷蔵庫からペットボトルをもって部屋に、座るやいなや

「さあ、白状しなさい」

「何?白状って?」

「今日、学校で齋藤さんと何をしたの?」

「いやーRINEのとおりだよ」

「一緒に回ったの?」

「うん」

そう言って3階の階段下に行ったところから話すと

「そう、そういう事、齋藤さんも同じ事考えてたんだ、もう!」なんか怒ってる……

「同じ事って?どうしたの?」

「ううん、なんでもない」

「でも、なんか機嫌わるそうだよ」

「……うん……齋藤さんと一緒に回ったってRINE着たから、心配だったの、他の人たちに見られたらって思うと心配で……」

「そっか、いつも俺の事心配してくれて、ありがとう」

「ううん いいの かっくんのことなんだから」

「うん」

「ねえ、明日ね、ずーっと一緒に回れるの?」

「うん、時々部室の様子を見に行くだけで、クラスの催しものには何もしなくていいから」

「そっか、じゃあ朝から行っても良い?」

「いいよ」

やっと機嫌が直ったみたい、いつも栞に戻って良かった。

―SIDE栞

 もう、齋藤さんったら、眼鏡買ったって聞いたときから怪しいて思っていたんだけど、そういう事、今日のためだったのね~、もう。

カチューシャはこの前プールに行ったときのを見て思ったのよね、

カーデガン?お兄さんのじゃなかった?

そっか、そう言ってかっくんに試着させて……もう

明日会ったら問い詰めてやる。

―記念祭2日目

次の日の朝、

「じゃあ、待ってるね、駅に着いたらRINEしてね」

「うん、RINEするからね」

「じゃあ行ってきます」

「いってらっしゃーい」

きょうは学校についてからずーっとそわそわ

始まって30分もしないうちにRINEが

『今、駅に着いたよ』

こっそり学校を抜け出して駅に向かって歩いていると、栞がこっちに向かって歩いてくる、思わず手を振ると、栞がニッコリ手を振ってくれた

栞が走り出したので、思わず俺も走り出して

「早かったね」

「うん、本当は一緒に出たかったけど、行っても入れないかもしれなかったらどうしよ、って思ったから」

「そっか」

「うん、じゃあいこっか」そう言って手をだしてきたので

思わず手を繋ぐ

校門が見えてきた……

「栞……」

「うん」そう言って手を放す、手続きを済ませて校舎の中に

「かっくん、昨日齋藤さんと行った階段のところだっけ? そこに連れてって」

「うん」

俺の後を栞が目立たないように付いて来る。

少しづつだけど、栞に気が付く男子が栞を目で追う

あっ、九条君と後藤君が栞を見てる。

やばい、と思った俺は小走りになって、栞も気づいたらしく一緒に小走りで何とか3階階段下に

「はあはあはあ、ごめん」

「はあはあはあ、いいのよ、どうせ、へんな奴に絡まれそうだったんでしょ」

「うん」

「私、かっくんの許嫁だよ、かっくんが何考えているかわかってる」

「うん……ありがと」 許嫁か……しおり~

「じゃあ、始めよっか」

そう言って、昨日齋藤さんが俺にしたのと同じ事を始めた。

今日は学校でコンタクトをつける練習、と言われ、3階のトイレでコンタクトをつけてみる。

確かにこれは変装のようなもの。これなら誰にも気づかれないよなー

しっかり変装が終わったら、栞ががっちり腕に絡んで、

「さあ、一緒にね♡」

3階からゆっくり見て歩いていると、隣のクラスの、確か3大天使の1人?佐々木さん?が俺の方をじーっと見ていた。

不気味……俺とは気づかないだろうから栞を見てのことだろう、栞は「あの子知ってる?」

「確か、佐々木さん?だったかな、隣のクラスで、3大天使の1人だったと思う」

「そう」ちらっと見てから、一層俺にぴったりくっついて

「いこ♡」ゆっくり色々な教室の催し物を見ながら歩いていると、周りがざわざわさわがしくなって、きっと栞があまりにも美人だから、それで騒がしくなっているんだろう

俺から見れば、3大天使よりもっともっと……

男子も女子も俺達の周りを走り回っては、教室に飛び込んで、そうしたら他の生徒たちも扉から顔を出して栞を見ている。

呼び込みをやっている女子は俺達の顔をみて、真っ赤な顔をしてもじもじするし、必死に催し物の説明を始め教室に誘ってくる子がいてちょっと引く。

俺がトイレに行ってる間に栞に絡んでくる男子まで、まあそれは良くあることなんだけど、俺に女子が絡んでくるって、わけわかんない、直接、栞のところに行けば良いのに、って思うんだけど。

栞はそういうのにまったく動じない、

うん、さすが栞、こういうのに慣れてるんだろうな

そんな事もあって気が付くと12時近くになっていたので外の出店で何か食べようと言って2人で物色していると、後ろから「栞ちゃん」

齋藤さんだった。

「あら、こんにちは」あっ、栞がツンしてる

「かっくんも」ニコニコ齋藤さん

「かっくん?」ピキッ

小声で「だって、高木君って呼んだら……」

「……そうね、ごめんなさい」

小声で「今日は私がかっくんとデートする日よ」

「うん、昨日は私すっごく楽しかったから」

「そのことでちょっと言いたいんだけど」

「うんわかってる だから今日は2人で楽しんで」

「当たり前よ」

「あっ、でもお昼は一緒にどう?」

「えっ?」

「だって、2人ともここでは部外者にしか見えないじゃない、絡まれたら大変よ、私と一緒にいれば、ねっ」

「う~ん、そうね、じゃあ、お昼だけお願い」

「うん」

2人とも小声で話すから、よく聞き取れなかったけどお昼は齋藤さんと3人で食べることになった。

3人で話しながら食べていると、色々な連中が栞をちらちら見ながら齋藤さんに話しかけてくる

『齋藤さんのお友達?』

『モデルか何かやってるの?』

『彼、昨日も来てたわよね 彼氏じゃないって言ったけど、その2人ともモデルさん?齋藤さんのお友達?ひょっとしてその2人付き合ってたりして、でも齋藤さんの特別の……』

天使と言われている齋藤さんは皆に笑顔で対応するから結構時間がかかる、

ようやく一段落して3人で食べながら

「そういえば、お兄さんは来ないの?」

「えっ?私一人っ子よ」

言ってすぐ齋藤さんの顔がハッとしたところを見逃す栞ではない

「やっぱり! 兄っていうのは!」

栞が持ってきて着せてくれたカーデガンを見て

「あら、その色のカーデガンもステキね」

「話をそらさないの!」

「へへへ」

「もう!」

なんかよくわからないけど、やっぱり2人は仲が良いと思う。


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