第19話皆でプール1
【皆でプール1】
次の日の朝、栞が迎えに来てくれたんだけど、
忍と玄関で鉢合わせに。
ピンポン「かっくん!」
「ちょっと、今日は私とかっくんのデートなのに、なんであんたがここにるのよ」
「皆でプールに行くって決めたから、私がかっくんを迎えにきたんじゃない、別に2人だけのデートなんて認めてないんだから」
「違うでしょ、私とかっくんの2人でプールに行くのに、あなたが付いてくるっていうから、しょうがないから3人で行くことなったんじゃない」
「じゃあプールは中止、かっくんと図書館に行って勉強する」
「あ~、またそれ、もう」
2人が玄関の前で揉めているんだけど、インターホンからそれが聞こえて……じいちゃんごめん
「勝典、迎えに行ってこい」
「うん」
急いで玄関に、栞は鍵を持ってるんだから勝手に入ってくればいいだろ、と思いながら、玄関を開けると、
「かーっくん♡」と言って忍が俺に抱き着いてきた。
「かっくん!」ピキ
「忍ちゃん!」そう言って栞が忍を引き離すと
「何よ、私とかっくんは昔からこうだったんだから」
「それ言うんだったら、私だって」今度は栞が俺に抱き着いてくるから
「なあ、こんな事してないで2人とも、家にあがったら?」
ようやく忍も栞も俺から離れてリビングに
「じゃあ、かっくん、準備するよ」そう言って、眼鏡を渡され、黒くて髪の毛に入っていくワイヤーみたいな櫛状の細いカチューシャ?みたいなのを俺の髪の毛をかきあげながら付けてくる。
それを見ていた忍が
「あ-っ、そういう事?」
「そういう事」2人が顔を合わせ頷きあう
「何?」
「「ううん、なんでもなーい」」
いつものように髪の毛にワックスを付けるわけではない。
あっ、そっかプールだからか、
すぐに準備が終わって3人で出かける
「じいちゃん行ってきます」
「おじいちゃん行ってくるね」
「おじいさん行ってきます」
「おう、忍も勝典も栞ちゃんも楽しんでおいで」
「「うん」」「はい」
3人で駅まで歩きながら
「栞、齋藤さんも本当に来るのかな」
「うん、わざわざ大江戸温泉の改札出口で待ってるって」
「そっか」
「えっ?何?まだ他にも来るの?」
「ええ、私のお友達でかっくんのクラスメイトも1人来るわよ」
「何それ」
「ふーんだ、忍ちゃんのたくらみは絶対阻止するんだから」
栞が1人ぼそぼそ 何か言ってる
「栞、何言ってるか聞こえなかったけど」
「別に、ただの独り言だから」
「そっか」
「うん、齋藤さんを待たせちゃ悪いから早く行きましょ 」
3人で地下鉄に乗って新宿へ
新宿について、改札を出ると齋藤さんが
「高木君、栞ちゃんおはよう」
「「おはよう」」
「……」そっか忍は初対面だよね、
「おはようございます。はじめまして、齋藤裕子と言います、今日はよろしく願います」
会って早々に挨拶され、余裕をみせながら
「おはようございます、高木忍です。よろしくね」
―SIDE高木忍
何、あの子、あんな美人どこで知り合ったの?
かっくんのクラスメイト?
あんなにかわいくて、何あの胸、ずるい。
栞ちゃん、何考えてるの?
今朝、かっくんの眼鏡と髪型変えてたのを見て、なんとなくだけど察したのに、それって全然効果がないって事じゃない、やっぱり、私がかっくんのお世話してあげなくちゃダメね
まあいいわ、今日はこのまま夜までホテルで遊んでお食事して、フフフ、お子様はさっさとお帰りいただいて、そして私とかっくん2人っきりで、私の初めてを♡。
―SIDE齋藤裕子
うわっ、栞ちゃんの言ってた通り
すっごい綺麗な人、さすが女子大生
年上の女性って感じ、栞ちゃんが恐れていた意味わかる。
なんとしてでも高木君を守らなきゃ、栞ちゃんの予想だとプールから上がって、それからが勝負よね。
栞ちゃんと共闘して頑張る!
確かに忍さんから高木君を守るには2人がかりでいっぱいいっぱいね、栞ちゃんがんばろうね!
///////////////////////////////
栞と忍、そして齋藤さんと一緒にホテルに向かって歩いていると、それはそれは目立つ、JDモデルとJKモデルとJKグラドルが一緒に街中を歩いているようなもの
そこにぼっちの俺が申し訳なさそうに歩いているんだけど、おれの右か左か1人余るとか揉めてる、忍も栞も昔から俺を守るため両脇を固めてくれるけど。
でも、それがかえって目立つんだよ、3人で固まってくれよ。
ほら、周りの人達が栞たちを見て、いろんな事言ってるよ。
『モデルだよね、何のイベントなんだろうね』
『あのモデル達、なんであんなにくっついているんだ?』
すれ違う人、すれ違う人が3人をモデルか何かだと思っている。
皆振り返ってるけど、俺が悪目立ちしてはずかしいよ。
1人下を向いて目立たないように、顔を見られないように歩いていると
「かっくん、下ばっかり見ないで、ちゃんと前向いて!」
栞に叱られてしまった。だって……
「……」
「かっくん、栞ちゃんの言う通りよ、ちゃんと前向いて!」
「そうよ、高木君、ちゃんと顔を上げて」
忍も、齋藤さんまでもが
しぶしぶ顔を上げて歩くんだけど。
ホテルのフロントに3人で「手続きしてくるから、かっくんはそこに座って待っててね」
そう言われたので、ソファーを見つけ座っていると、また何か揉めているんだよね~
それから、忍が一番右端、栞と齋藤さんが一番左端で手続きしている
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「忍ちゃん、先に手続き済ませていいわよ、私たち慣れてないから、その後にする」
「私予約していたから、すぐに終わるから、栞ちゃんたちが先に手続きしたら?」
✙;;&%$#¥*@;;;;;
「私あっちで手続きしてくるわ」
「そう、じゃあ私たちはそっち」
―SIDE忍
ふーっ、危ない危ない、ホテルの宿泊2人で予約してるのばれちゃいそうだったわ、
栞ちゃん、これでもうかっくんは私のもの……フフフ
―SIDE栞と齋藤裕子
「やっぱり、忍さん、宿泊も予約しているんだわ」
「手続きしてるところ隠そうしてるの見え見えだった、栞ちゃんの言う通りだと思う、
逆に私たちが3人で予約しているなんて思ってないんでしょうね、気づかれなくてよかったわね」
「そうね」
「あっ、そういえばホテル代」
「いいの、かっくんのおじいさんに、このこと話したら軍資金って言って宿泊代とプール代、食事代4人分もらったから大丈夫」
「いいの?」
「うん、ほらかっくんのおじいさんってお金いっぱいもってるから気にしなくても大丈夫」
「じゃあお言葉に甘えて、ありがとう」
「ううん、私の分も出してもらってるんだから、あとでおじいさんにお礼を言えば大丈夫」
「うん」
「2人でがんばろうね」
「うん」
//////////////////////////
手続きが終わったみたい、3人が俺のところに来たので、さっそくプールへ
水着に着替えて、プールサイドに行く。
3人で忍を見て……固まっている3人に向かって、忍が
「あら?皆どうしたの?」
すっごい、お・と・なの女性、胸は3人の中では一番小さいけど……それでも……すっごい。
齋藤さんのあの胸も栞のスタイルのすごさも……2人ともすごいんだけど、忍の水着、ちょっとエロきれい……あれもワンピースなのか?背が高くてスラっとした忍にぴったりっていうか……とにかくすごい……
「かっくん?♡」そう言って俺の腕に絡んでくるんだけど……まずい、俺のもっこり君が…….
さっきまで固まっていた栞と齋藤さんが2人がかりでおれと忍を引き離そうとして
「忍ちゃん!こんな格好でかっくんしがみつかないで!」
「あら?どうして?」
「かっくんだって、もう高校生なんだよ、そんなことしたら……じゃない」
2人が顔を真っ赤にしながら、忍の腕をつかむと
「そう?別に私はそれでもいいんだけど?っていうか、それってすごくうれしいんだけど? ねえ、かっくん♡」
「ダメよ、忍ちゃんと違って、かっくんは高校1年生、まだお子様なんだから」
ようやく2人がかりで忍を引き離すと、栞と齋藤さんが小声でなにか話していた
『栞ちゃん、忍さんってなんかすごいよ』
『そうね、まさかプールに来て早々にこんなことしてくるなんて、油断できないわね』
『うん』
//////////////
俺はもう何が何だか、もっこり君が暴れないように稽古しているときのじいちゃんの顔を必死で思い出して、落ち着かせるのがせいいっぱいで、気が付くと忍が離れていて、3人で何かを話し合っていた。
俺は3人から離れるように、プールサイドのビーチチェアに座って、もっこり君が落ち着いたのを確認して、ゆっくり背もたれに寄り掛かった。
やっとまともにまわりの風景が見れた。
プールを見るとあまり泳いでいる人はいない、入っても中でゆらゆらしながら話をしているだけのようだし、どちらかというとビーチチェアに座って、何か飲みながら一緒にいる人たちとニコニコ話しているのがほとんどだった。
俺は、閉鎖する前の豊鳥院のプールしか行ったことがないから、そのギャップに戸惑っていると忍がニッコリして俺の隣に座る。
忍に斎藤さん並みの胸があったら、女王様のゆりこさんにまけないくらいエロいと思わず忍に
「忍、・・・・・その……綺麗だよ、似合ってる。胸はないけど、HENTAIMANSのゆりこさんみたいにエロきれいで……」
「胸~?!」ピキッ、あっ、まずい
「ごめん、今のままですっごく綺麗だと思う」
「そう? 変態?ゆりこさん?」
「あっ、ごめん、ラノベの話なんだ、なんでもない」
「そっか、胸が……でもかっくん、綺麗って思ったんだよねなんだよね♡ ありがと♡」
そう言って俺の腕に胸をムギュ
落ち着いてきたところで忍が
「かっくんってこういうプール、初めて?」
「うん、豊鳥院のプールしか行ったことなかったから、こんなプール初めてだよ、忍はよく来るの?」
「う~ん私も今日で2回目だから、慣れているわけじゃないけど、豊鳥院のプールとは違うわよね」
「ふ~ん、忍はこういう場所、似合ってそうだね、でも俺はちょっと場違いな感じがする、他の人達を見てると特にそう思う」
「そんな事ないよ♡かっくんは自分が思っているよりずーっと馴染んで見えるよ、だからそんな事気にしないで一緒にあそぼ♡」
やっぱり忍はやさしい、見た感じはすっごい美人のお姉さんになってガラっと変わったけど、中身は変わってない。
最近忍とはあまり話してないけど、それでも従姉で幼馴染、いつもお姉さんのように俺の面倒をみてくれて、栞が引っ越してきてからも最初の1年は3人で遊ぶことも多かった。
それから忍は中学生になったこともあって今までのように一緒に遊ぶ機会も減ったけど、時々おじさんとおばさんと4人で遊びに行ったり、旅行に行ったときは今までみたいにずーっと2人一緒だった。
せっかくの夏休み、友達や彼氏と色々なところに行ったり、遊びたいんだろうけど、わざわざ従弟のために こうやって時間を作って誘ってくれる、やさしいんだ。
両親のいない俺だけど、そういう意味で、俺って恵まれてるんだよな~
なんて思っていると、今度は栞と斎藤さんが
「ねえ、プールに入らない?」
そう言って誘ってきたので、「うん」そう言って立ち上がると、忍が
「最初はあなた方3人で遊んで来たら? 私はその後でいいから」
そう言ってビーチチェアに寝そべった。
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