第16話水着

【水着】

スポーツショップにも女性用水着はおいてあったけど、スポーツ性のものが多く、競泳用とかラッシュガード素材だったり、この時期は女性用の水着売り場が特設されているみたいで3人でそっちの方に。

2人ともすっごい勢いで無言のまま水着を探しまくって俺は茫然をそれを見ているけど、場所が場所だけに恥ずかしくなって空手で身に着けた足さばき、すりすりすりすり後ろに、会場の入り口まで逃げた。

しばらくすると、2人が4着くらい水着を抱えて

「かっくん、これから着替えるからどれが似合うか見て?」

「うん」

「じゃあ、齋藤さんからどうぞ」

「いえいえ栞ちゃんから」

いつもと違って譲り合っている

「ねえじゃんけんで決めれば?」

「……」

結局栞が先になって、栞が最初に見せてくれたのはビキニ、もうそれは、ただでさえスラっとして、出るところは出てるし、くびれとか、太ももとか、それはもう、栞の・・ダメだ、強烈すぎる……「どう?」顔を赤らめながら

俺は見とれてしまって何も言えないでいると

「ねえ、かっくん、これどう?」

「うっ、うんすごい……いや、似合ってるよ」

「そう、じゃあ次ね」そう言って扉を閉め

次の水着に「ねえ、これは?」

これも似合ってるなんてもんじゃない、すらりとした長い脚、巨乳ではないけれど、俺には十分な大きさの胸がエロい、

なんでこんなに綺麗なんだ、神様どうして?

「うん、似合ってる」それしか言えない

「もう、そればっかり」そうやって4着、どれも栞のすばらしさがあふれていて、もう俺は……

それをじーっと見ていた齋藤さんが

「次は私ね」そう言って栞と入れ替わる

さっそく1着目「どうかな?」

おおーーっでかい、まさに巨乳、栞は……こう手でつかむと、ぎりぎりはみ出さないか?くらいで俺には十分な大きさで……なんてエロい想像をしていたけど、齋藤さんは……

あきらかに手から思いっきりはみ出る、やわらかそうな……あ~神様今日という日に感謝いたします。

「あの~かっくん?」

「はっはい、あのすごく〇〇〇です」

思わずデカイと言ってしまった……やっちまった

「もう、かっくんのエッチ」

「かっくん!」栞が思いっきり腕をつねって

「イタイ」

「当たり前でしょ、この浮気者!」

「ごめん」

「栞ちゃん、浮気じゃないわよ、本気よね、かっくん♡」  

それから齋藤さんは上機嫌で次々に水着を披露してくれて、それがどれもすごくて、俺はありきたりに「すごく似合ってる」しか言えなかったけど、なんとか2人とも水着が決まったらしく、俺としては2人ともどんな水着を買ったのか、健全な男子高校生として、それはそれは非常に興味がありまして

「ねえ、どれにしたの?」

「「それは明日のお楽しみ♡」」

本当に明日が楽しみです。

3人とも目的を果たしてところで13時を回っていたので、

「ねえ、お昼いかない?」

「うん」「そうね」

最初はフードコートに、って思っていたけど、1階のレストラン街を通った時、栞がちょっと変わった和食カフェを見つけ、そこに行くことに

ごはんが3種類(白米、五穀米、麦飯)、メインのおかずも3種類、付け合わせとみそ汁も数種類あって、そこから4つを選ぶ、デザートも甘味処がついて、それにドリンクを付けて、席に座るんだけど、2人並んで俺がその向かいに、3人のときは決まりにしよう、ねっ

向かいの齋藤さんが俺の顔を見てはモジモジしてるんだけど、どうして?

栞を見るといつも通りなんだけど

「齋藤さんどうしたの?」

「えっ、何?」

「いや、いつもと、なんか……違うから」

「そう?」

その会話を聞いて栞がツラっと

「今日のかっくんがいつもよりかっこよくて、あそこも見れたからうれしいのよ」

真っ赤な顔をして栞に向かって

「もーっ栞ちゃん!」

「違うの?」

「……かっこ良かった」

「そうでしょ、かっこいいんだから」

「うん」

俺がかっこいい? ……、あ~あのチャラオやっつけたからか・・・

「眼鏡してない高木君ってかっこいい……それにあの人たち簡単にやっつけたところも……」

そうかやっぱり、眼鏡はよくわからないけど、きっと栞のセンスが良いから服がかっこいいんだろう、そして、うん、空手やっててよかったー

「そうよ、それにもっこりも見れたしね」

「もう栞ちゃん!」

おい、それ言うか?お前だって見ただろ

「栞ちゃんだって見たじゃない」

顔を真っ赤にしながら栞に向かって言うと、

「……」栞が無言でだんだん赤くなっていく

こんなやり取りのせいで、皆が気まずくなって、

沈黙が続くなかもくもくとごはんを食べ

結局シェアするのも忘れ、ちょっとぎこちないまま食事が終わって

「じゃあ、目的も果たしたから、齋藤さん、じゃあ明日」

「2人は?」聞かれたから俺はそのまま

「ああ、俺の夏服がないから、買いに行くんだ」

「栞ちゃん!」

「へへ、ばれた?」

「もう、ほんと腹黒栞なんだから!」

「へへへ、じゃあ3人でかっくんの夏服買いに行こ」

そう言って再びショッピング街へ

「ねえ、どうして栞ちゃんが高木君の服買いに行くの?」

「ああ、それね、かっくんって服全然持ってないのよ、学校でもよれよれのブレザーとぼてぼてしわしわのパンツでしょ、普段の服もよく近所のスーパーの2階に洗剤とお鍋とか食器のコーナーの片隅にちょこっと下着とか一緒に服も売ってるじゃない?そこでジーパンとTシャツとトレーナー買ってるんだって、サイズが合えばそれでいいんだって言うのよ」

「そうなの?」

「そう、それじゃあぼっちもしょうがないわよね」

「う、うん」

「でも……」

「そう、学校は今のままでいいのよね、ぼっちのままで、でもこういう時は、ねっ」

「そうね、学校はぼっちのままがいいのよね、じゃあ私も一緒に選んであげる」栞に同調する斎藤さん、ここ数日、2人を見てると、この2人はとっても馬が合うんじゃないかって思う。

「あーあ、斎藤さんも一緒にね」

なんか2人の会話で、やたらぼっち、ぼっちって言われてるんだけど……気にしてないと言えばうそになる。

あれから栞が一緒にいてくれるからぼっちのままでも全然平気ではあるけれど……いつまでも栞がそばにいてくれるわけじゃないから、いつかは自分でなんとかしなきゃいけないんだろうと思うと友達を作った方が良いのかな……

そう思いながら歩いて、最初の店に、やっぱりウニクロ

「さらっと見て、買わないで出るわよ」

「そうね、最初はどんなのがあるか見るだけね」

2人の後ろをついて歩いていると、履きやすそうなジーンズとストレッチのきいたズボンを見つけたので

「ねえ、このジーパン履きやすそうなんだけど、それにこのズボンも」

「ズボン?」

「あー、このデニムとこのパンツね、そうね、これは他で買うよりここでも十分良いかも」

「そうね、高木君は動きやすい方がよさそう」

「じゃあこれは候補としておきましょう」

「はい」

「おお」

やった!俺が選んだ服が採用される!

今までさんざん言われていたからちょっと、いや、かなり自信がなかったけど、うれしい。

なんだかんだ言いながら、2人がいろいろ選んで、ときどき言い争って、でも結局その両方を買って、すごい量の服

「こんなに買って……」

「しょうがないじゃない、かっくん何にも持ってないんだから、夏は汗かくから、パンツは3本を回せばなんとかなるけれど、上は1日着たら洗濯、私が洗濯してあげたとしても、それでも1週間分はあった方が良いでしょ」

「そっか」

「そう、だから多いようだけど、1週間ぎりぎり」

「栞、いろいろ考えてくれて、ありがとう」

「高木君、私も」

「うん、齋藤さんも今日は付き合ってくれてありがとう」

「いいの、こういうのだったらいつでも付き合ってあげる、なんなら私と2人きりでもいいのよ」

「ちょっと」

「栞ちゃんは家に帰ったらいつも一緒にいるんでしょ、だったら私だって」

「もう」

「何よ」

「斎藤さん、あとでちょっとお話しましょ」

「望むところよ」


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