第15話3人でお買い物

【3人でお買い物】

プールに行く前日、栞と齋藤さんと3人でショッピングモールに行って栞と齋藤さんの水着、俺の海パンとついでに俺の夏服も買いに行く、栞は昨日から随分気合が入ってして、明日はどの服を着ていこうかってわざわざ俺を栞の部屋に呼び出し、俺の感想を聞いているけれど、どれも似合うよキレイだよ、でもそれを言ったら 全然見ていないって怒り出すし、本当に全部似合ってるんだけど。

なんだかんだ言ってようやく決まってひと段落。


朝、いつものように、栞が俺の眼鏡を持ってきて、髪をいじくる、「かっくん、今日はこの前みたいにコンタクトにしてみない?」

「うん、でもまた途中で目がしょぼしょぼしてくるんじゃないか?」

「そうね、だったら、その時はコンタクト外して、眼鏡にすればいいじゃない、私がちゃんと眼鏡持って行くから」

「じゃあ栞の言う通りにするよ」

「うん」

俺の服はこの前栞が選んでくれた服があるから悩むこともなくそれを着て行くんだけど、それに比べて栞が滅茶苦茶綺麗で……は~


斎藤さんとはショッピングモールで待ち合わせることになっており、栞と齋藤さんで今日のスケジュールを決めていたらしく、9時30分にショップングモールの1F広場で待ち合わせ、休みでじいっちゃんの朝稽古もないからもう少し寝ていたかった、ちょっと早いかな。


2人で1F広場に行くと…あ~あ、齋藤さんが金髪ピアスのチャラオ?3人に絡まれてるよ、

「ねえ、君、1人?」

「いえ、友達と待ち合わせしてます」

「それって女子?」

「女子と男子です」

「じゃあ、その子が来たら俺達と一緒に遊ぼうよ」

「でも、男子も」

「それ、大丈夫、俺達がそいつに断りいれるから」

「いえ、でも、私達3人で会う約束ですから」

「だから、そいつは俺が代わりに断ってあげるから、その女子と俺達で遊ぼ」

「でも……」

「まあまあ、そう硬い事言わないで、ねっ」

そう言って齋藤さんの肩に手を回す。

「ちょっと、やめてください」

「いいじゃない、これくらい、ねっ、もう俺達友達なんだからさ」

「違います、友達なんかじゃない」


/////////////////////////

栞と2人で齋藤さんの方に向かって歩いて行くと、齋藤さんが俺達に気が付いて、左手を上げ俺達の方に来ようとするけど、金髪ピアに肩をつかまれ動けないで、顔に悲壮感が漂ってる。


うしろの2人が齋藤さんの目線を追って俺達に気が付いたようだ。

うわ~、俺は、金髪君達を見て、あんな奴らでもこんなに朝早くから起きてるんだ~

なんて思っていたら、栞が

「かっくん、あの3人組、やっちゃって」

「うん」

「やりすぎないようにうまくね、ほどほどにだよ」

「わかった」そう言って2人で近づいて行くと、後ろの金髪の2人はこっちを見て、

「ほおー、こりゃまた、んーーん、いいねーー」

にやにやしながら齋藤さんに絡んでいる1人をおいて栞に向かってやってきた。

俺を無視するように栞の前に立とうとしたので、間を割って栞の前に立ちふさがると、あいつらはとっさにこぶしを握って俺に向かって振りかざしてきたので、いつもなら後ろに半歩下がって、流してから脇に掌底をあてるところだけど、すぐ後ろに栞がいるから、あいつらのこぶしが俺に当たるのを覚悟で丹田に力を籠める。  

そして掌底を見せるように前にゆっくり突き出す。

まあ練習でも寸止めが間違って当てられることことがよくあるので、素人こぶしならなんとかなる。


俺の手がそのまま奴を押して、後ろにひっくり返る。

それを見たもう1人も俺に殴りかかってきたので、今度はその手を受け流すように手を添えて、襖戸を開けるように横に押す。


正拳を使うとケガをさせる可能性があり、鳩尾に直に入れるとその場で普通でも気絶させてしまうし、力加減を間違えると最悪。

身元がわかれば、じいちゃんとおじさんの存在がわかって、最悪俺が捕まっちゃうから大変。

いつもじいちゃんに教えてもらったところを、触る(押す)、あくまでも危険回避に留める。


手で押しのけるかのように見せ、実は掌底でツボを押し付ける。

2人はその場で苦しそうに蹲る。


栞は近くの店員さんに警備員を呼んでもらうよう言いに行ってる間に、齋藤さんの方に歩いて行くと、齋藤さんの肩に手をかけていた金髪が、俺に向かって殴りかかってきたので、これもいつもどおり、その手を左手でからめながら自分の方に引っぱる。

金髪自身の勢いを利用しているので金髪は勝手にバランスを崩し、ちょっと背中を押すだけで胸から床に落ちていく、その時、ちょっとだけ、床に落ちるのを手伝うように背中を押す。

金髪は、床に思いっきり胸を打ち、そして同時に床にキス、息ができないでいる……。

だいたい小走りで殴り掛かるなんて素人もいいところ。

蹲っている金髪をさっきの金髪2人のところにずるずる引きずって3人をまとめる。

ひきつった顔の齋藤さんが俺の所にやってきて、

「高木君、ありがとう」

「いやいや、栞と一緒にいるとこういうことがあるからね、それより大丈夫だった?」

「うん、でも、こういう事、よくあるんだ」

「うん」

そうしているうちに警備員のおじさんがやってきて、無線で何か話して、その場で待っているように言われたので待っていると、

新たに警備員の人が2人到着、栞と斎藤さんが警備員さんに説明をしている。


3人の金髪が過剰防衛がどうのこうの言ってるけど、お前ら本当の過剰防衛が何かわかってるのか?どうせネットか何かで調べた知ったかぶり程度なんだろうけど、過剰防衛については、当然俺達のような人間はその動向を十分注視している。

『なぐったな、これで正当防衛だ&%$%&‘・・・・・・』なんてどこかのラノベじゃないんだから、そんなお粗末な話ではない、そんな単純な話なら誰も苦労はしない。


最近は特にそういう場面が多いから、じいちゃんは協会理事だし、おじさんも何かの委員会のメンバーでよく警察署に行ってはそういう話もしているんだ。

当然俺もじいちゃんからイヤというほど聞かされている。

あいつらは俺に殴りかかってきたけど、俺はあいつらを殴ったりしていない、あいつらが殴ってきたのを避けようとして掌で押しただけ、あいつがバランスを崩して転んだだけ、押した場所がたまたま・・・それだけ。


残念ながらお前たちの言い分が通るのは難しい。

栞も小中学生の事よく俺と一緒にじいちゃんに教えられていたから、栞がそれについて話し出したらお前達には無理。

結局、最後は、警備員の人達に連れて行かれた。

俺と栞はよくあることなので、平然としているけど齋藤さんはびっくりしながら、その様子を見ている。

「ねえ、高木君っていっつもこんな風?」

そこに栞が

「そうよ、だいたいあんなチャラ男がかっくんにかなうわけないのよ」

「すごいのね」

「そう、かっくんはすごいの」

って俺の腕にしがみつくんだけど、毎度毎度、栞のやわらかいのが俺の腕に……へへへ

 ///////////////////

「さあてと、まず最初に、かっくんの海パン買いに行こ♡」

そう言って3人でスポーツショップに、

俺をおいて栞と齋藤さんがあーでもないこ-でもないって言って俺の海パンを選んでる、そのうち3着ほど持ってきて試着室に入る。

でもその中の1着は明らかに・・・無理

「なあ、栞、これも履くの?」

「……うん、これから履いてみて……」

やっぱり履くのか~、

栞と齋藤さんの顔が真っ赤。

渋々、最初に店員さんに、このインナーは買う旨を伝え試着するのでレジを先に済ませてもらい、袋から取り出しインナーを履いて、その無理なやつを履く。

鏡を見て、思わず、サイドチェストからのフロントダブルバイセップス&筋肉ピクピク……にはならないな~

「どう?」栞が扉の外から聞いてきたので

「ああ」

「開けるわよ」そう言って試着室の扉を開けて、まじまじと俺を見る、2人とも顔が真っ赤にして

「そういうのって上も脱がなきゃ似合うかどうかわからないじゃない」

「えっ?」

「ほら、さっさと脱いで」そう言って扉を閉めるもんだから、しょうがないから上も脱いで扉を開けると、2人ともしばらく沈黙が…….

顔を真っ赤にしながら、でもニヤニヤ顔

「かっくんって思ったより筋肉ついてないのね」

そう言って俺の体をぺタペタ触ってくるもんだから

「おい、やめろよ、くすぐったいよ」

「そう?」そう言いながらも、今度はスリスリ

それを見ていた齋藤さんも真っ赤な顔をしながら

「私も」って言ってスリスリ

「なあ、これって海パン?ボディービルの人が履いてるやつじゃないの?

マッスルズのたかさん達なら似合うんだろうけど……」

「マッスルズ?たかさん?何それ?」

「HENTAIMANSの5大プレイヤーだよ」

「はあ? かっくん、何言ってるの?」

そうでした、ごめんなさい。

「あっ、いや、なんでもない、忘れてください。それより、こんな格好でプールに入るの?」

「そっそうね、うん、じゃあこれはなし、次の履いてみて」

栞め、絶対遊んでるよなー

ようやく普通の海パンに、なぜか上半身は裸のまま!って……俺で遊んでるよ

「うん、これいいかも、もう1個の方も」

そう言って扉を閉めたので履き替えようとしたら

急に扉が開いて「ねえ、かっくん」

3人がギョッ、俺、インナー1枚、

前がもっこり黒々・・・・・・透けて見える……

「「キャー」」「ギャー」バタン勢いよく扉が閉まる。

見られた……2人に……俺のもっこりが……

俺は真っ赤になりながらもなんとか履き替えて扉を開くと3人とも気まずくて無言「……」

「……なあ、これは?」

「そっ、そうね、さっきのとどっちが良いかしらね……ねえ齋藤さんは?」

斎藤さんは栞以上に真っ赤になって固まっている

「……」

「齋藤さん?」

「もっもっもっ」……しっかり見られたんだ……

「齋藤さん?」栞にゆすられて、はっと我に返って

「う、うん、どっちも良く似合ってると思う」

「そうよね、じゃあかっくんはどっちが良いと思う?」

俺はさっきの出来事で頭が真っ白になって、それどころじゃなくて「とりあえず服着て出てもいい?」

「「うん」」

扉をしめて、急いで服を着て、試着室からでて ホッ

落ち着いてきたので、2つの赤と青の海パンを見比べる。

2人とも落ち着いてきたようで

「私は赤がいいかな」

「えっ、私はこっちの紺がいいと思う」

えー?さっき俺が決めていような事言ってたじゃん

俺はどっちでもいいんだけど……

「じゃあ2人じゃんけんで決めようよ」

「うん」「そうね」

じゃんけんの結果赤に決定。

レジで会計を済ませて、今度は2人の水着。

う~ん俺の海パンって結局3人とも、どっちでも良かったんじゃないかなって思った。

あのちっさいやつとか上半身も脱げ とか……

栞に遊ばれた……もっこりも……


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