第23話夏期講習の後半、そして学校が始まる

【夏期講習の後半、そして学校が始まる】

夏期講習の後半が始まって、いつものように3人で講義を受け、時々齋藤さんがうちに寄って3人で勉強したりして過ごす。

塾では、よく男子高校生が栞や齋藤さんに声をかけてくるけど、栞が撃退……ほっとする。


知らない女子も、俺に声をかけてくるんだけど、きっと栞や齋藤さんをJKモデルじゃないかって思って聞いてくるんだろうけど、

「モデルか何かしてませんか?どこの高校ですか?」

「違うよ」 って答えていると、

栞と齋藤さんの2人がやってきて、説明しているみたいで、皆、簡単に去っていく、

まあ俺が説明するより本人達が直接説明する方が確実だから、うん。


夏期講習は3人でうまくやっているけど、今までちょっと違うのが、結構頻繁に、忍が夜、家にやってきて、遅くまで俺の部屋にいて、そのまま栞の隣の部屋で寝るようになったこと。


それと、ちっちゃいころのように一緒にお風呂に入ろうとか、一緒に寝ようって言ってきて、栞と言い争ってたりしてるけど、忍はそんな事お構いなしに、夜俺が寝ている間に、こっそり俺のベッドにもぐりこんできて、朝起きると忍が隣で寝ているものだから、それから大騒動になって。


忍にとって、俺はまだちっちゃいころのままの感覚なんだろうな~。

この前なんか、俺がお風呂に入っているところに忍が入ってこようとして、俺が焦っていたら、いつの間にか脱衣所に栞が来て、2人で言い争って、栞も服を脱ぎ始め一緒に入ってこようとしていたから、お風呂場の中から一生懸命扉を押さえていたら、突然2人でじゃんけんし始めてるし……いくら昔の造り家で風呂場が広いからって言っても……あんなすごい女子が2人も……もっこり君 落ち着いてくれ……。


そんな日の夜は大変、2人が寝静まってから、静かにこっそり1人で……。


夏休み中、2人がすごくて……

……俺は、深夜になってからひっそりともっこり君と戯れる……

昨日は忍、今日は栞……


「かっくん、最近眠そうね?眠れないの?何かあったの?」

「いや、別に何もないよ」

「そう? また 一緒に寝てあげようか?」 

忍、それはまずいよ、この前だって、朝起きたらブラとショーツ姿の忍が俺にぴったりくっついて寝ているものだから、もっこり君が暴れだしちゃったのに……

「そう?なにか心配事でもあるなら、なんでも言ってね♡」

ありがとう、でも……言えないよな~

栞が俺の部屋には鍵が必要だ!って……



/////////////////////////

夏休みも終わり、またいつものぼっち生活、夏休み前と違うのは、ときどき斎藤さんが声をかけてくることだ。

でも栞の言うように、他の陽キャ連中に見つからないようにしてくれているようなので助かる。


時々、夏の宿泊旅行で同じ班になったアニオタ連中が陽キャ男子に大声でいじられているのを見るんだけど、あいつらはアニオタという同じ趣味で4人固まっているから、その道のプライドもあるから、少しくらいいじられても大丈夫みたいなんだけど、俺はぼっち、いじられたら誰も助けてくれない。


まあ割り切れば平気なんだけど、対応を間違えるとあういう連中は面白がって、いじりがエスカレートしてくるから始末に負えない、だからあまりかかわりたくない。

毎日学校ではぼっち、塾の時とおばさんが夜勤の時は栞が一緒、栞に彼氏ができるまでは……とりあえず充実した毎日。


9月になれば、26日水曜日、栞の誕生日。

5月に栞にばったり会った時の約束で、23日の日曜日に栞とデート!!

栞はデートとは言ってなかったけど、プレゼントを用意して、一緒に……夜はおばさんが夜勤じゃなかったら3人で誕生日を祝うから、お昼を、それとフルーツカフェとかも行って、両方奢っちゃおう!

いつもいつも俺のために色々相談に乗ってくれているお礼もかねて

と考えていたら、急にクラス委員が『9月15、16日の記念祭に向けて』を話し始めた


そんなのもあったっけ?

全然興味もないから記憶にもなかった。


内容は、記念祭委員2名の選出とクラスの出し物について。 

ぼっちの俺は目立ちたくない、

おまけに次の週は栞とデート、尚更目立たず、できれば何もしたくない。

俺の存在感ゼロのまま実行委員が決まり、出し物を何にするか、一応サークルの出し物がある場合、調整するとのことなので、俺は読書同好会(正式名)所属なことを良いことに、最低限で済みそうだった。


1年のうちは記念祭をわかっておらず、コスプレ喫茶とかメイドカフェとか色々な意見がでたいたようだけど、食事関係は主に屋外で、教室はほとんど催し物や展示、まあ俺は存在感ゼロだし、部活の方が、 と言っておいた。


そんな俺は当然軽く流され、陽キャ連中で盛り上がってくれ、あいつらが中心に何かやるようだから、助かった。

皆がテンション高めの中、俺1人でさっさと帰る。

いつものように、おばさんが夜勤の日、栞は寝る時間ぎりぎりまで俺の部屋一緒にいる

「ねえ、かっくんの学校の文化祭っていつなの?」

「うちの学校って記念祭って言ってるんだけど、9月15と16日だよ」

「私、見に行きたい、ねえ部外者が入れるのはどっち?」

「記念祭の2日間はどっちも一般の人は入れるからどっちでも大丈夫だよ」

「それじゃあ、日曜日にしようかな?」

「ああ、俺はどっちも暇だから大丈夫だけど……」

「何か役割とか担当する事とかは?」

「うん、……俺、目立たないから……」そう、ボッチの俺はまるで空気のよう。

「大丈夫、かっくんはかっくんなんだから、それにぼっちなら私と一緒に校内を回っても誰も気づかないでしょ」

「いや、俺の事は気が付かないだろけど、栞は目立つと思うんだよね」

「そんなの気にしちゃダメ、2人で出かけたときもそういう事ってあるじゃない、あれと同じ、大丈夫」

「そっか……」

「うん」

「本当に、ぼっちだけど、いいの?」

「もちろん♡ 日曜日楽しみ♡」

俺にとっては、2週続けて栞と一緒だから うれしいんだけど栞に申し訳ないような……

とりあえず楽しむんだ、うん

そんな話をした次の日

「ねえ、高木君」

「ハイ」

「今日って塾のない日よね」

「うん」

「学校が終わったら、ちょっと付き合ってほしいんだけど」

「でも‥」

「大丈夫、OO寺駅だったら、帰りの途中だし、人も多いから、そこの改札前で待ち合せれば目立たないでしょ?」

「……」

「ちょっと買い物に付き合ってほしいの、それだけだから」

「でも栞と……」

「栞ちゃんには私から言っておくから」

「それなら」

「じゃあ、よろしくね」

「うん」

そう言って齋藤さんが自分の席に戻って行ったけど、陽キャグループの九条君と後藤君がすごく睨んで、席に戻った齋藤さんのところにすかさず寄ってきて、何を話していたか聞いているんだけど……齋藤さんはうまくごまかせたんだろうか、あの2人が俺にまとわりつくようだったら、栞に言われた通り、斎藤さんとの約束はなかったことにしよう。

10分休憩の時、斎藤さんにその旨RINEで伝えると、すぐに『大丈夫、ばれてないから、待ってるね』

返信が来たので一安心して授業を受け、放課後齋藤さんと約束した駅の改札で待つことに、


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