第43話忍VS栞、今日の勝敗、久々に忍が勝利

【忍VS栞、久々に忍が勝利】

○○寺駅で4人で色々見て回ってカフェでおしゃべりして、忍と2人で家に帰ると、いつものように栞が俺の部屋でベッドで寝転んで俺達の帰りを待っていた。

栞は忍を見ると

「忍ちゃん、ちょっといい?」

「あら、なにかしら?」

「いいからちょっと」

栞に引っ張られるようにして俺の部屋から出て行った。

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「忍ちゃん!今日、かっくんの学校まで行ったでしょ」

「あら?どうして知ってるの?」

「この前、私にかっくんの塾の事聞いてきたでしょ、なんかあやしいっと思っていたら、今日、斎藤さんがレインで教えてくれたの」

「ふ~ん、そう」

「そうじゃないわよ、学校の校門の前で待ってたって、結構人が集まっていたって言うじゃない」

「そうね、あのどこにでもいるような自称イケメン軍団が、色々騒いでいたけど、その程度よ」

「なんでそんな目立つ事したの」

「目立つ?いいじゃない、恋人がわざわざ学校まで来て校門の前で待ってるなんて、そしてその後デート。もう高校生ラブコメのまんま♡」

「はあ?」

「ちゃんと、その3大天使にも宣言してきたしね」

「何それ」

「だ・か・ら!“#$%&‘%&()‘&%」

「そうなんだ」

「そう」

「そっかー」

「そう、これが一番確実でしょ?だからしばらくは、かっくんの学校に通うわ」

「……大学は?」

「大丈夫、その日は講義は2限までで、何もないから」

「でも、わざわざ久我山まで来るのは大変じゃない?」

「平気よ、中高6年間、三鷹台まで通ってたんだから、慣れてるもん、それに久しぶりに、あのちっちゃな電車に乗って、とっても懐かしくって、楽しかったわ 」

「……」

「ま、そんな事より、かっくんにお話しなきゃ、戻ろ?」

2人が俺の部屋に入って来て、忍が

「ねえ、かっくん、これから毎週行ってもいい?」

「毎週?」

「うん」

「大学は?」

「大丈夫、今日は大学は午前中までだったし、これでもちゃんと講義に出て単位とっているからね、」

「そっか、でも、どうして、わざわざ学校まで来るんだ?」

「ほら、佐々木さんだっけ?いっつも絡んでくるんでしょ?私がかっくんの恋人のふりをすれば、ねっ♡」

「でも、それだけのためにわざわざ来てもらって、悪いよなー」

「それだけじゃないわよ、一番の楽しみはね、かっくんと遊びたいからよ」

「いあー、だからってわざわざ学校まで来るって、大変だし……」

「大変じゃないわよ、私も6年間三鷹台まで通ってたんだから、それにね、○○寺とか◇円寺とか長野ブロードウェイとかかっくんと行きたい所がいっぱいあったの、だからかっくんと一緒に行けるって思うとすっごく楽しみなんだけど?♡」

「そうよ、かっくんって◇円寺とか長野ブロードウェイに行ったことないでしょ」

「うん」

「やっぱり。今まで、学校と家と塾の往復だけなんでしょ」

「うん」

「せっかく通学定期があるんだから、塾のない日は途中で降りて遊ぶのも良い息抜きになるわよ。そうだ、かっくんってラノベとか好きでしょ」

「うん」

「長野ブロードウェイにはそういったお店がいっぱいあるの知ってる?」

「ああ、読書部(同好会)の友達がよく行くって言ってたよ」

「でしょ?楽しいわよー、2人で行こ♡」

「いいのか?」

「うん♡」

2人の会話を聞いていた栞がモヤモヤ

「私も行く!」

「えー栞ちゃんは学校があるでしょ」

「学校終わってすぐ行くもん」

「すぐ行くって言ってもね~」

「電車で1本だもん」

いつのまにか腹黒忍に、栞が普通のJKに。

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それから毎週、忍が学校に来るようになった。

時々4人で遊んだり、2人だけの時もあるけど、栞からレインで今どこにいるか聞かれて、連絡すると、息をきらして栞がやってきて3人で遊ぶ事もあって、それはとても楽しくて、栞と忍のおかげで放課後も楽しい学校生活を送っている。

ただ、ちょっと困るのは、忍から、レインで『駅に着いたよ♡今から行くね♡』と連絡は入って、俺が校門の前で立っていると、俺を見るなり「かっくーん」と言って走っては俺に抱きついてくる。

忍が俺に抱き着いて来るのは、子供の頃は当たり前だったけれど、高校生になってから家でもやるようになって、ちょっとドキドキはするんだけれど、さすがに学校も校門でそれをやられると思わずもっこり君が……

隠そうとするんだけれど、忍に気づかれてしまい、いつも大変な事になる。

「かっくん、あのね、○○駅にホテルがあるの知ってる?」

「ああ、うん」

「ちょっと休んでいかない?」

「いやいや、疲れてないから、それに疲れてるんだったら、家に帰って自分の部屋で休むよ」

「そうお?そうね疲れてないわね、とーっても元気だものね、ねえ、私が静めてあげようか

?」

「何言ってるんだ?静めるもなにも、そんなに元気でもないし、そんな事……」

「フフフ、かっくん、いつのでもいいのよ♡、私の初めて、ぜーんぶあげる」

「……」

「あら?かっくん?顔、真っ赤よ♡」

「忍―」

「フフフ、この事は栞ちゃんにナイショ、2人だけのヒミツ、ね♡」



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