第47話忍とご対面1


【忍とご対面1】

―ちょっと時間がダブります―


それからは毎日お昼になると、新井さんが部室にやってきては、一緒に弁当を食べるようになった。

最初、部室に俺以外に、斎藤さんと萩原君がいるを見て驚いたけれど、話しているうちに皆をも仲良くなって、

「斎藤先輩って2年の3大天使さんですよね」

「うん、いつのまにかそんな風に言われるようになったんだけどね、新木さんも皆から妖精って言われてるんでしょ?」

「はい、私もいつの間にか周りの人から、そんな風に言われるようになって……」

「そう、皆、勝手に人の事、そんな風に言うけど、ないも変わらないのにね」

「はい」

「あの、高木先輩と、どういう関係なんですか?」

「ただのクラスメイト」

「本当にそれだけですか?」

「しんちゃんとの仲を取り持ってくれた恩人?」

///////////////////////

「そうなんですか、萩原先輩って斎藤先輩の彼氏さんなんですね」

「まあ、そんな所」

「しんちゃん?!!!そんな所?!!!」

「ごめん、その、うん、僕は裕子の彼氏です」

新木さんはこんな2人おやり取りにちょっと困りながら

「そ、そうなんですね」

「そうなの、しんちゃんってヘタレだから、こうやってはっきりしないんだけどね」

「へ~、萩原先輩ってヘタレなんですね」

「はい」

「そっか、高木先輩はただのお友達さんですね、よかった」

「よかった?」

「いえ、なんでもないです」

「そうお?」

「はい」

「好きな人と一緒にいられるっていいですね♡」

「うん」

「まあ」斎藤さんは萩原君の返事にピキッ

「まあ?」

「いえ、はい、いいです」

「そうよね」

う~ん、斎藤さんってあんなに強かったっけ?なんか栞を見ているみたい

……そっか栞と仲良くなって栞の影響を受けているんだ。

//////////////////////////

「高木先輩ってどうして前髪がそんなに長いんですか?いつ髪の毛を切ったんですか?」

「長い? そうかな、でも、ついこの前、髪の毛、切ったばかりなんだけど」

「この前?」

「ああ、先週?かな」

「それで、その前髪ですか?」

「あ~あ、そうだよ」

「どこのサロンですか?」

「サロンじゃなくて「高木君は幼馴染に切ってもらっているんだよね」そう」

新木さんのどうでも良い質問攻めにちょっと困っていると斎藤さんが間に入ってくれた

「幼馴染?」

「そう」

「どんな人ですか?」

新木さんは最初の印象と違って、結構ぐいぐいくる、ちょっと困っていたら斎藤さんが

「新木さん、ちょっといい?」

「はい」

齋藤さんが新木さんを部室の端に連れて行って、そこで2人でコソコソ

「新木さんも高木君の素顔見たでしょ? 」

「はい」

「今のままだと陰キャぼっちだけど前髪を上げて、眼鏡をはずしたらどうなるかわかるわよね」

「はい、すごくかっこよかったです。それにやさしそうな感じで、私を助けてくれて、ぐいぐいこないから一緒にいても安心だし、とっても楽ちんで……」

「あのね、その幼馴染なんだけどね、違う高校なの、だから高木君の事が心配でね」

「どういう事ですか」

「わらない?」

「……そういう事ですか?」

「そう」

「でも、付き合ってるわけじゃないんですよね」

「そうね、高木君って鈍感だから」

「そうですね、でも、それもいいところかもしれないです」

「うーん」

「どうしたんですか?」

「ひょっとして、新木さんも高木君の事、狙ってるの?」

「えーっと、その、私、そういうのまだよくわかってないんですけど、今まで周りにいた男子は皆、私を変な目で見るっていうか、外見だけで寄ってくる感じがして、でも高木先輩はそういうのが全然なくって、だから……」

「やめた方がいいと思う」

「どうしてですか?」

「新木さんは2年生だから、去年の記念祭は知らないわよね」

「はい」

「今度の記念祭でその幼馴染さんに会うと思うけどね、もう高木君の事に関しては大変なんだから」

「でも、記念祭だけですよね」

「そうだけど、見たらわかると思うわ」

「斎藤さんは、その幼馴染さんを知っているんですか?」

「うん、とってお仲良しよ」

「そうなんですね」

「う~ん」斎藤さんが頭を抱えだし、それを見ていた萩原君が

「祐子、それだったら忍さんの事も教えてあげた方が良いんじゃない? 」

「そっか」

///////////////////////

「そうなんですか、それじゃあ従姉のお姉さんは会う事ができるんですね」

「うん」

「それは楽しみです」

//////////////////////

いつものように、忍からレインで連絡が入り、校門まで斎藤さんと萩原君と……何故か新木さんが走って俺達の所にやってきた

「はあはあはあ、高木先輩」

「そんなに息をきらしてどうした?」

「はい、あの、今日ってこれから時間ありますか?」

「いや、人を待ち合わせしてて」

「人って?」

「……恋人」

「えっ?恋人いるんですか?」

「うん、まあ」

「……そんな……」新木さんが固まってしまった

そんな会話をしていると、校門に忍が来たのが見えたので

「新木さん、その、恋人が待ってるから行くね」そう言って、3人で忍の所まで行くと

さっきまで固まっていたはずの新木さんが、また走って俺達の所にやってきた




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