第24話齋藤さんのお買い物に付き合う
【齋藤さんのお買い物に付き合う】-ギャルに絡まれる。ぼっちいじり?―
この駅は帰る途中の駅だし、前に忍に付き合わされてさんざん歩き回ったところでとにかく人が多い、色々なお店もたくさんあって、齋藤さんは何か買い物でもするのか、でもどうして俺なんか、買い物だったら陽キャ連中の方が慣れているのに、そう思っていると齋藤さんが俺を見つけ小走りでやってきた
「ごめん、待った?」
「いや、さっきついたばかりだから」
「そっか、よかった、帰りに後藤君に捕まっちゃって、すぐに出られなかったの、休み時間に送ってくれたRINEの事が気になって、帰っちゃったかな、って心配だったんだ」
「あいつらに俺の事何か言われたの?」
「ううん、あのね、私本読むのが好きだから図書委員の高木君に図書室について聞いてただけ って言って なんとか納得してもらったの、だから大丈夫」
「そっか、よかった」
「うん、心配だった?」
「まあ 俺が直接絡まれたわけじゃないけど……」
「そっか、待っててくれて、ありがと」
「約束したから」
「うん、じゃあ行こっか」
「うん」
齋藤さんが俺の腕を掴んで、歩き出したので
「齋藤さん、腕」
「何?」
「腕を組むのはちょっと……」
「でも、栞ちゃんとはこういう事してるんでしょ?」
「栞は幼馴染で小さい頃からそうしたから」
「でも、2人とも高校生よ、小学生の時はそうかもしれないけど、今もそうしてるんだったら私としても問題ないんじゃない?」
「まあ、そう言われると」
「じゃあ、OKね♡」
齋藤さんに言いくるめられたような気がするけど、そういうんだったらいいかなって、でも齋藤さんの胸が肘に……なんて大きくて柔らかいんだろう……
「高木君、どうかしたの?顔が赤いんだけど」
「……やっぱり、腕組むのは目立つから……」
はっと気づいたようで、齋藤さんの顔も赤くなり出して
「そ、そうね、じゃあ手を繋ぐんだったら良いわよね」
「……」そう言って腕を組むのをやめ、手を引っ張られ、そのまま繋いで歩く
齋藤さんに言われるまま歩いていると、Pビルに、
「齋藤さんって目が悪かったの?」
「ううん、悪くないよ、あのね 高木君の眼鏡を買いに来たの」
「いや、俺眼鏡持ってるからいらないよ」
「うん、知ってる、私が買いたいの」
「えっ? 齋藤さん 何言ってるの?」
「えっとね、高木君のもう1つの眼鏡って栞ちゃんが持ってるでしょ」
「うん、2人で出かけるときに栞が持ってきて、それかけてるけど」
「それと同じ事がしたいの」
「えっ?」
「私も栞ちゃんみたいに、高木君の眼鏡をもっていたいの」
「いや、いや、栞は幼馴染だから、俺が眼鏡をなくすといけないからって持ってるだけだよ」
「そう、おんなじよ、栞ちゃんは違う学校でしょ、学校にいるときに何かあって、他の眼鏡が必要になったとき、栞ちゃんは何もできないのよ、だから、私が栞ちゃんの代わりに同じことしてあげる、だって栞ちゃんとはお友達だもの」
「……そっか、じゃあもう1つ眼鏡を作るか」
「うん 」
そういって、眼鏡屋さんで眼鏡を探す、結局、齋藤さんがどの眼鏡にするか決めて、そのフレームに今掛けている眼鏡の度数等を調べてもらい、新しい眼鏡が出来上がった。
最初、齋藤さんがお金を払おうとしていたので慌てて俺が支払った
「えーっ私が払うのに」
「いや、俺の眼鏡なんだから、俺が払うのは当然だよ」
「んー、そっか、そうね、じゃあお願いします。」
眼鏡が30分後と言われたので
「高木君、西急デパートの裏においしいスウィーツカフェがあるから、行かない?眼鏡代が浮いたから奢ってあげる」
「……ありがとう」
「うん、私がそこに行きたいから、付き合って♡ 」
いつの間にか齋藤さんに手を繋がれ、一緒にそのカフェに。
パフェと紅茶、ケーキとコーヒーを頼んで小休憩。
目の前にはケーキとコーヒー、齋藤さんの前には大きなパフェとアイスティー
「ねえ、私達って周りの人から見ると何に見えるかな♡?」
「超美人と勘違いボッチ」
思っていることをそのままポロッと言うと、
「あのね、そういう時は、カップルとかアベックとか恋人同士、とか言わなきゃダメだよ」
「はい」
「わかればいいんだよ」
「はい」
「何に見える?」
「カップルとかアベックとか恋人同士、とか」
「一言一句そのままって、あのね~」
「そんな事言われても、思いつかないよ」
「そっか、じゃあ、恋人同士」
「……」
「言ってみて♡」
「恋人同士……」
「そう、そう見えるよね♡」
齋藤さんが妙にテンションが高くて、ちょっと引いてしまった。
齋藤さんから色々聞かれて、答えているうちに30分たったので、さっきの眼鏡屋さんに行って眼鏡を取りに行く。
齋藤さんがにこにこしながら
「ちょっとこっちの眼鏡かけてみて」
「うん」言われるまま眼鏡を変えると
齋藤さんが俺の顔をジロジロ見ながら
「慣れるまでこの眼鏡かけててね、もう何か所か見に行ってもいい?」
「うん」
また、齋藤さんが俺の手を握る
別のフロアーのアクセサリーショップに行くと、カチューシャを物色して3個まで絞ったらしく
それを持って俺のところに
「高木君、これ付けてみて?」
「えっ、俺がつけるの?」
この前のプールの時、栞が俺の頭に付けてくれたやつだよな~ でもあれってプールで髪が濡れても前が見えるようにって言ってたよな、今年はもうプールなんて行かないけど……なんでそれを齋藤が買うんだ?
齋藤さんの言ってることについていけず、ちょっと固まってしまった
「そっか、この前栞ちゃんがやってあげてたものね」
そう言って俺の前髪をグーッとかきあげてカチューシャを付けられた。
「う~ん」3つとも、とっかえひっかえ つけられ
齋藤さんはそのうちの2つを買う事にしたらしく、レジで会計を済ませると、エスカーターの脇の椅子に座って俺にその1つを
「高木君 今日は帰るまで、これ、つけててね」
「……うん」もう齋藤さんの言われるままに、
齋藤さんが俺の頭に付け俺を見ながら
1人でうんうん頷いてニッコリ
「もう少しだけ、私の買い物につきあってね」
「うん」
そう言ってまた俺の手を掴んで、今度は横にぴったりくっつくようにして歩く。
周りの皆が振り向くんだよ、だからこんな超美人とこんなにくっついて歩きたくないんだ。
女性の服売り場とか、男者の服売り場、家庭用雑貨? 色々なショップに入っては、これなんかどうかな、って聞いてくるんだけど
それより、周りの人が物珍しそうに俺達を見るのが、恥ずかしくって、ほんと超美人と勘違いぼっちが手なんか繋いで歩いてるから物珍しいんだろうけど、俺には残酷だよ。
お店の中を見て回っていると、店員さんは褒めるのがうまいから、こんなボッチの俺に向かって
「まあステキお連れさんですね、カレシですか?」って、さすがこういうところの店員さん、商売上手って言うんだろうな。
こんなぼっちでもお客様を持ち上げる、うまいよな~
齋藤さんも、コミュ力高いから それに合わせて
「ハイ、彼氏です♡」とか言って、そのたびに俺の腕に抱き着いて、そこまでしなくてもいいのに。
それから、『兄に』って言ってサーモンピンクのカーデガンを買った。
体形が俺にそっくりという事で、俺がマネキンになって色々試着させられたけど、良いもの買えたって斎藤さんが喜んでいたので、俺も役にたってまあ満足。
ちょっと周りの目が……精神的に疲れて ぐったり気味でいると、
「ちょっと疲れたから、スタバでお茶しない?」
そう言って スタバに。
「外の方が気分がいいから、この席ね」
そう言って外のデッキにあるテーブルに
「じゃあ、俺が買ってくるから、斎藤さんはここに座ってて、何にする?」
「キャラメルマキアート」
「わかった、じゃあ行ってくる」そう言って、オーダーカウンターに、
……俺が絡まれた、見ず知らずのJKにボッチいじりされた。
ギャル?スカートみじかっ、シャツのボタン外しすぎ、ブラ見えるんだけど?
顔はかわいいんだけど、見るからに陽キャだよね。
「ねえねえ君、どこの高校?」
「東校です」
「へぇ~、私OO女子なんだけど、東に友達いるんだ、今度文化祭に遊びに行くから、君の名前教えてくれない?」
「いや、それは、ちょっと……」
教えたら、その東の友達にぼっちいじりされるよきっと、だから言わない
「え~ どうして? 名前くらいいいじゃん」
「いや、困るんで」
「じゃあRINE交換しない?」
俺はとにかくぼっちいじりされたくないから、全部拒否していたらいつのまにか後ろに齋藤さんが立っていた。
「高木君?」
「齋藤さん」振り向くと、ちょっと怒り気味で
「あの、私の彼氏なんで」
「あ、 そーなーんだ彼女いるんだー、でもRINE交換くらいならいいでしょ」
「ちょっと、人の彼氏の連絡先聞くって、どういうつもりですか?」
「いいじゃないRINEくらい、ただ連絡するくらいなんだし」
「それ、友達になってからですよね、初めて会った人に突然RINE交換って、高木君、教えなくていいからね」
「うん」
「何よ、自分がちょっと美人で、彼氏がいい男だからって、そんなに独占したいわけ?ちょっとRINE交換するだけじゃない、嫉妬深い女は嫌われるわよ」
こいつ、今度は齋藤さんに絡んできた、俺の事もいい男って皮肉かよ。
お前、見た感じ十分かわいいんだからそんな事するなよなって思うんだ。
栞と一緒にいるときも同じようなJKに出くわすことがあるから、同じように対応する。
「あのー、俺も初めて会った人にRINE教えるなって言われてるんで、教えることはできないです。それと今日は彼女と一緒にいるんで、これ以上絡んでくるのやめてもらえませんか?」
「何よ、自分がいい男だからって、東には知り合いが結構いるから、調べればすぐにわかるんだからね、フン」
そう言って店を出て行った
「いくら知り合いがいたって高木君の事わかるわけないのにね」って斎藤さんが俺の顔を見て言うんだけど
確かに存在感ゼロのボッチだから わかるわけないよね
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