選ばれなかった紫色の侯爵令嬢～歪んだ心はきっと死ぬまで戻らない～

広大な領地を治め、呪術師の家系でもあるマリアライト侯爵家の３姉妹の長女として産まれ、後継ぎとして育てられたウィスタリア。彼女は１２歳から１８歳まで皇都のヴァイゼ魔導学院で勉学に励むと同時に、自分の補佐にふさわしい伴侶を探していた。入念な下調べをしてから標的に接する優秀な彼女であったが、それを周りの女生徒達に利用されたり自分の男受けしない容姿や性格が災いしたりして学院で良き伴侶と出会う事はなかった。卒業式を終えた後、暗い気持ちで領地に戻ると、父であるマリアライト侯爵が何と別の人と婚約していたはずの初恋の人との縁談を持ちかけてきて――

別作品「婚約破棄された桃色の子爵令嬢～相手の妹に消えてほしいと思われてるみたいです。～」の２０年位前。マリアライト女侯爵の若い頃のお話。一夫多妻が珍しくない（一…続きを読む