デッドエンド ライブラリー

あるとき目が覚めたら中世に似た世界にいた。佐藤素一。
佐藤素一としての記憶もあり、たった今、借金取りらしいものに追い込まれている、ジーノ・ロッセリーニとしての人生の記憶もある。混乱の中で思わず昏倒しそうになる所で、世界は反転。真っ白い建物の中に放り込まれる。
そこにいたのは、白い服を着て、黒い長い髪を後ろになでつけた、糸目の青年。人間らしさのない彼は自らのことをルイスと名乗る。
ここは図書館であり、世界の書籍が納められている。ここの蔵書は全てであることを告げる。この世界は本当は人間は来れないはずだがと告げるルイス。訳知り顔で書物をめくりながらクスクスと美しく笑うルイス。
「面白いですね、ジーノ。どう言う訳かあなたはジーノとして生きると変死する運命にあるようですよ」
「どこがおもしろいの？」
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