第22話「便秘」

 

父「便秘について話すぞ。元々、俺は便秘ってほとんどなくて気にしてなかったんだけど、50歳でお尻が痛くなってから考えるようになった」


娘「男の人って、あんまり便秘がないって言うよね」

父「1日に2回出ることもあるぞ、2日も出なかったら大変だ!」

娘「女の人は2〜3日出ないなんてザラみたいだけどね」


父「2日でないと、便の先が硬くなるし、後ろから押されて先端の便が太くなるんじゃないか? 出すのに一苦労だぞ。女の人は、食べる量を減らしたり、トイレに行くのを我慢して、水分も取らないようにしてるんじゃないかな?」


娘「水分はあまりとらないようにすることはあるかな、トイレが混んでいたら困るもんね」

父「女の人はオシッコでも個室に入らないといけないからな、そのてん、男はオシッコは簡単だ。大きい方をしたい時、個室が空いてなかったら絶望だな」

娘「男の人は個室は大ってだいたい決まっているからいいけど、女の人は個室の前で待っていても中の人がなかなか出てこないとガッカリだよ」


父「トイレに行くと、なぜか猛烈にオシッコがしたくなる時があるな、個室の前で待っている時間は辛そうだ。そういえば、最近、やたら喉が渇いて水を飲むようになったんだ」

娘「糖尿病じゃないの?」

父「たぶん、そうだと思う。晩飯を食べると、やたら水を飲むんだ。しかも、その時の水が旨い! それでガブガブと飲んで、寝ると2時間おきに起きてトイレにいくんだ」

娘「病院に行ったほうがいいんじゃない?」

父「俺は病院は好きじゃないからな、なるべく薬は飲みたくない。そこで、俺は考えた」

娘「糖尿病の治し方を?」


父「そう、まず原因。ここ1年くらい仕事でパソコンを使うことが多くなったんだ。それで、運動不足もあるけど机に座っていることですい臓に圧迫があって弱ったのではないかと考えた」


娘「それはあるかもね……」

父「すい臓は腸の上だ、だから便秘の治し方とほぼ共通なんだ」

娘「便秘の話しに戻ったね!」

父「そこで、まずやったのは運動! 歳を重ねると、ふとももの筋肉が減りやすい。筋肉は水分を溜めるタンクでもあるから、ここが弱ると夜間頻尿になりやすいらしい。そこで親父のやっていた湯たんぽスクワットだ!」

娘「あれは効くの?」


父「基本になる技だな、湯たんぽに3リットルの水を入れて、ゆっくりスクワットして、そのままゆっくり頭の上に持ち上げる。これを2分くらいやる」


娘「たった2分なの? おじいさんは、もっとやっていたわよ!」

父「慣れるとできるけど、最初は少しづつやらないと体が痛くなる。朝と晩に2分でも効くんだ」

娘「薬みたいなものかな?」


父「そうだね、急がずにコツコツとだね。湯たんぽを頭の上に上げるのは首や肩のコリにもいいが、腸にもいいんだ」


娘「腸にも効くの?」

父「そう、二足歩行になって腸は下に下がりやすくなってしまったんだ。腸が下がってしまうと通りが悪くなって便秘になってしまう、そこで湯たんぽを上げる事で腸も上げられると思う」

娘「テレビでやってたよ、“落下腸”とか“ねじれ腸”って」

父「腸って、けっこう動くみたいだな、腸が下がると膀胱が圧迫されて、男は尿を出すのに時間がかかるようになってしまうようだ」

娘「お父さんも出ないの?」

父「俺はよく出るよ、そこで秘伝だ!」

娘「やっと秘伝、もう忘れてたよ」


父「便秘にならないためにお腹を揉む技があるだろ」


娘「のの字になでるやつ?」

父「そう、あれはなでるだけで万病を治すと言われているが、便秘が万病の元かもしれないな」

娘「便秘は、やっぱり良くないの?」

父「良くないだろうな、だいたい腸は新陳代謝が早い、表面は2〜3日で入れ替わるらしい。それなのに2日も3日も便がでなければ新陳代謝がだいなしだ。テレビでそんな事を言っていた……」

娘「テレビか……」


父「夜間頻尿もテレビで見たが、骨盤底筋体操と薬くらいで、具体的な治し方は分からないようだ」


娘「お父さんが治してあげなよ!」

父「俺も夜間頻尿は、まだ試行錯誤だからな……お尻のケアの仕方を教えてあげたいが、テレビでは放送NGじゃないかな?」

娘「せっかく分かったのにもったいないわね」

父「世界中で悩んでいる人はいるんだろうな、お尻とか夜間頻尿とかで悩んでいる人が」


娘「日本だけでも多いと思うよ」


父「俺、このあいだレトルトのハンバーグを茹でたんだ」


娘「何、いきなり料理? お腹すいたの?」

父「いゃ、そうじゃなくて具体的な例なんだけど、お尻が痛くなって出せなかった時を思い出したんだ」

娘「それがハンバーグ?」

父「そう、レトルトのハンバーグを茹でて切り取り線をハサミで切ったんだ、そして出そうとしたらハンバーグが引っかかって出ないんだ、持っていたら手も熱くなるし出せないしイライラした」


娘「ちゃんと切り取り線で切らなかったんじゃないの?」

父「そうなんだ、切り口が浅くてハンバーグの大きさより小さかった。まるで、あの時の俺のお尻だと思ったね」

娘「それは、肛門が広がらないと言うこと?」


父「良くわかるな。そうなんだ、肛門が広がらないんだ。切れ痔を何回もすると傷口が硬くなって肛門が広がらなくなる。まるで狭い出口からハンバーグを出すようなものだった……」

娘「病院いきなよ、昔の話か……」

父「そう、今は昔……あの時は辛かったけどな……」

娘「それでハンバーグは?」

父「ハンバーグの直径は出口よりでっかい。出すには、出口を広げるかハンバーグを崩すかだ。結局、無理矢理ハンバーグを押して出したけどな。これが便だったら指を入れて便を崩すんだろうな、俺は便が硬くならないよう便秘に効く物を意識して食べた」


娘「今は広がるの?」

父「今は大丈夫だ。切れ痔もないぞ」

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