肛門が笑った。 

ぢんぞう

第1話「はじめに」

 “用便のあと紙でふいたのち、

 指先で肛門の周囲を強く指圧する”


 某、一年間続く江戸時代のドラマでも言われていた言葉です。

 やまいだれに寺と書いて、死んで寺に行くまで治らないと言われていた痔ですが、江戸時代には痔の予防法として肛門を指圧するというのはあったようです。

 薬についてもいろいろと作られて現代にも続いています。


 私の父は整骨院を営んでいましたが、三日月流の仙術の伝承者でもありました。

 仙術の中には自分で体のコリを取る導引どういんという技があります。

 父は、とりわけ、この導引を熱心に研究していました。


 私も幼い頃から導引を教わっていて、痔の治し方も知っていました。

 20歳を過ぎて何度かいぼ痔・切れ痔になりましたが、“肛門を指圧する”という方法で簡単に治りました。

 いぼ痔なら、だいたい一週間ほどで良くなり、切れ痔もすぐに治りました。


 痔は簡単に治る。

 そう思っていました。


 しかし、50歳の時になった痔は“肛門を指圧”しても良くならなかったのです。


 一生懸命指圧しても治ることはなく、現状維持が精一杯でした。

 肛門の痛みと出血が5年間続きました。


 ある時、ひらめきました。

 なぜ肛門を指圧しても治らなくなったのか? 答えは簡単でした。


 分かってしまえば簡単なのですが、その答えにたどり着くまでに5年もかかったのです。

 今回、その答えをこの小説の中に書きました。


 成人の3人に1人は痔になっているそうです。

 いぼ痔・切れ痔で悩んでいる人にぜひ読んでいただきたい。

 きっと参考になると思います。


 ただし、私がなったのは、外痔のいぼ痔と切れ痔です。

 内痔や痔ろうに効くかどうかは不明です。


 いぼ痔・切れ痔の方、それも初期の方には、ぜひ読んでいただきたい。そして実際にやってみることをお勧めします。

 症状の重い方は恥ずかしがらずに病院に行くことをお勧めします。



 導引は難しい技もありますが、

 三日月流の導引はほとんどが簡単で、普通に歩けるような方なら出来るものばかりです。

 痔の行法も難しくはありません。

 トイレの中ですることも可能です。


 そして、私はトイレットペーパーの使い方についても閃いたのです。

 これも、50年もお尻を拭いていて、やっと気づいたのです。

 トイレットペーパーを使い、痔の予防ができるのです。

 このやり方も小説の中に書きました。

 わかってしまえば、とても簡単なものです。



 この作品は、私、三日月勘蔵みかづきかんぞうと娘、冬子とうこが家の茶の間で話す何気ない会話ですが、いぼ痔・切れ痔を改善させる重要なヒントが含まれています。


 この痔の治し方は、他の病気の治し方と共通するものです。導引の原理を理解して快適な生活をしてください。




              三日月勘蔵。


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