第47話「快食快便」
娘「それでは、お尻が痛くなった原因は、お尻を冷やしたことと、老化と……」
ノートにメモを取る冬子。
父「あと、血液の循環だな」
娘「お尻の循環?」
父「椅子に座り過ぎて、お尻の血管を圧迫することで血液の循環が悪くなるのと、足の老化で足から心臓に戻る血液の循環だ」
娘「お尻だけじゃなく、下半身の血流が悪くなっているってこと?」
父「そう。足の循環が悪くなると、お尻だけじゃなくて膀胱や腸にも影響するから、足を揉むのと足を温めることは大切だ」
娘「それは、お風呂に入ればいいの?」
父「お風呂もいいけど、足湯をするといいぞ。足湯の方が温度を高くできるし心臓に負担も少ない」
娘「足湯って、やっぱり効くの?」
父「足湯って、江戸時代にもやっていたようで、昔は『
娘「あれかな? 昔の絵でタライに足をつけているのを見たことがあるけど」
父「たぶん、それは夏場に熱くて足を冷しているやつだと思うけど……考え方は同じだな。冷やすか温めるかだな」
娘「頭寒足熱? 足は温めた方がいいんだね」
父「今は冷房が普及してるだろ、涼しくていいが、冷房は下が冷えるから足が冷えるんだ。知らず知らずに、職場で何時間も足を冷やしていると体調も悪くなるぞ」
娘「それは、あるね。長時間冷房を入れると足が寒くなるもんね」
父「あと、女性は料理を作っている時、めんどくさがってスリッパを履かないと床から冷えることが多い」
娘「それは、あたしもよくやる。夏場は裸足で料理を作っている」
父「夏場の暑い日は裸足でもいいけど、なるべくスリッパを履くようにしたほうがいいぞ。フライパンで料理を作るとガスの火がちょうど腹に当たり腹は温められるんだが、足も気をつけた方がいいな」
娘「お腹も温めた方がいいんだよね?」
父「お腹は温かい状態にしたほうが良い。お尻が痛くなる原因に便秘があるだろ、何日も出ないと便が硬くなってしまい、出す時にお尻が切れてしまう。便秘にならないためには腸を冷やさないことだ。腸は冷えると上手く働けないんだ」
娘「お腹を冷やすと免疫にも異常が出るんでしょう?」
父「腸は体の中で1番体温が高いんだ。37度以上はあるはずだ。もし腸の温度が低くなると下痢をしたり、免疫力も下がるし、本来無菌状態の体の中や頭にまで菌が入って悪さをするって言う学者もいるくらいだ」
娘「それじゃ〜っ、自己免疫疾患の人が足湯をしたら良くなるのかな?」
父「たぶん良くなるんじゃないかな? 眠れない人なんかにもいいと思う。足湯のコツは寝る前にやることだ。足湯をしてタオルで足の水分をよく拭いてから、すぐに布団に入って寝ると朝起きても足が温かいぞ」
娘「昼間じゃダメなの?」
父「ダメではないが、寝る前がお得だ! 風呂も風呂から上がって“湯冷め”ってあるだろ、だから、せっかく体を温めたんだから熱を体に定着させたほうがいい。風呂の場合は風呂から上がって汗が引いたら布団に入るんだ。30分~1時間くらい入っていると気持ちがいいぞ」
娘「お父さん、よく風呂上がりに布団に入っているもんね。しかも裸のまま」
父「いちおう、バスタオルは下にひいているんだが、湯上がりは裸でいるほうが気持ちが良くてな……」
娘「かけ布団が外れて丸出しで寝てることが何回かあったよ」
父「はははははっ、そんなこともあったか、冬子は、ちゃんとパンツをはいてから布団に入れよ。あれを見てしまうと気まずいからな、丸出しで寝てるとじっと見てしまいそうだ」
娘「あたしは裸で寝ないよ……」
父「そうしてくれ」
娘「直接温めるのはどう? カイロとかで」
父「それも良いだろうな、使い捨てカイロだろ?」
娘「仙骨に使い捨てカイロを貼るってのテレビでやってたよ」
父「椅子に座っていると仙骨を圧迫するから、なでたり温めたりしたほうがいいだろうな。骨盤の横のお尻の筋肉も圧迫されてるから、なでとくといいぞ」
娘「お父さん、前に、そこの筋肉が切れて動けなくなったんじゃなかった?」
父「よく覚えているな、最初は、ちょっと痛いだけだったんだ。治そうと思って一生懸命にもんだら、翌朝は立てなくなった。筋肉が切れたんだから揉んだらだめだよな。揉んでる時は、もむと痛みがあり良くなるような気がしたんだ。でも、コリじゃなくて傷だから揉んだらダメだね」
娘「それも老化?」
父「たぶんな、こんなとこ気にもしてなかったから疲労がたまったんだろうな」
娘「女の人は、お尻の横がコッていて揉んで欲しいって言う人が多いよ」
父「それは、あれだろ……」
娘「えっ、なに?」
父「あれだよ、あれ!」
娘「なんなの?」
父「なんでもないよ。とにかく、お尻が痛くなる原因は血液の循環が悪くなることと便の循環が悪くなることだろうな。頭寒足熱、快食快便!」
娘「女の人は食べるのも我慢するし、トイレも我慢するのよね」
父「お前も、若くて綺麗なうちに、いい男を捕まえて結婚したほうがいいぞ。そろそろ、急げよ」
娘「あたしの結婚? いい男ったってね……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます