【完結済】告白した彼からの返事はとんでもないカミングアウトでした！？ 市瀬瑛理

※以下のあらすじはネタバレになりますのでご注意ください。




【あらすじ】
　高校二年生の東条春果（とうじょうはるか）は校内でもイケメンとして有名な篠村駆流（しのむらかける）に片思いをしている。

　だがある日の放課後、春果は駆流を呼び出し告白しようとするも上手く伝わらなかった上に、駆流が腐男子であることが判明する。
　結局その日の告白はうやむやになってしまったが、自分も腐女子だと明かした春果は、駆流と連絡先を交換することに成功した。

　駆流のサークルの売り子として参加したオンリーイベントでは、駆流の女装に驚き、また駆流の姉の奈緒（なお）を彼女だと勘違いして落ち込んだりもする。
　結果的には駆流の秘密もさらに知れて、楽しいオンリーイベントになったのだが、駆流のふとした行動に春果は嬉しい悲鳴を上げることにもなる。

　駆流の同人誌の原稿を手伝った日、春果は駆流から「漫画や小説は愛を伝える手段なんだよ」と熱弁され、納得した。

　その後もオーケストラコンサートやテスト勉強、春果の吹奏楽コンクールなどを通して二人はさらに仲良くなっていく。

　楽しい日々を過ごしていた春果は、今の良好な関係に満足していて告白のことを忘れていた。幼馴染の朝陽（あさひ）に聞かれそれを思い出した春果は、悩んだ結果もう少し機会を窺うことにして、改めて告白するのを先延ばしにした。

　二人で一緒に行ったアニメショップでは、駆流の持論やグッズを三個ずつ買うという買い物の仕方をやや冷めた目で見たりもするが、それでも好きだという気持ちは変わらない。

　一方駆流は、春果の気持ちを知る奈緒に「女の子としてどう思っているのか」と問われ、春果が自分にとってどんな存在なのかを考えることになる。

　そんな日々を過ごしていた二人は、些細なことで喧嘩をしてしまう。家に帰ってから反省した春果は、その日のうちに電話で謝ることで駆流と無事に仲直りすることができ、安堵する。

　文化祭では駆流のクラスでやっているカフェに春果と朝陽が顔を出したり、その後の吹奏楽部の演奏を駆流が聴きに行ったりとそれぞれ楽しんだ。

　ところが、ある日春果は偶然通りかかりで駆流が後輩の女子に告白されるところを目撃してしまう。
　隠れて声だけを聞いていた春果だが、後輩の口から自分の話題が出たところで、駆流がどう答えるのかが怖くなり思わず逃げ出してしまった。
　今までの関係に満足して、ずっと告白し直さなかったことを悔やむ春果は、懸命に考えた結果ある答えにたどり着く。

　それから駆流や朝陽を避けるようになった春果は、ある日授業中に体調不良で倒れてしまう。
　保健室に駆けつけ心配する駆流に、春果は「見せたいものがあるから、出来上がったら見てくれる？」と打ち明ける。

　それは春果と駆流の関係を推しカップリングに見立てた、漫画の原稿だった。
「漫画や小説は愛を伝える手段だって言ってたから」と、改めて告白する春果に、駆流は「俺も大好きだ」と、返事を原稿用紙の裏にイラストと共に書く。

　ようやく互いの気持ちを確認した二人は、晴れて付き合うことになった。…続きを読む