※本レビューは第一節までの内容です※
【こんな方向け】
☑艶やかな和風ファンタジーを読みたい方
☑陰のある美貌の貴公子と人ならざる存在の血を引く神巫との恋物語に心惹かれる方
☑政と呪、愛と宿命が交錯する物語を好む方
【あらすじ】
飛鳥時代末。
鬼神の血を継ぐ神巫・夜鳴媛は、斎院に幽閉され祈りの日々を送っていた。
ある夜、村が一夜で滅び、聖なる「神威の銅鏡」が砕け散る。
人神――「ジン」の存在により、結界が乱れ、国が揺らぐなか、夜鳴媛は、「冷酷無慈悲」と噂される若君・天祥との「契約の契り」を命じられる。
義務と使命のために取り交わされる――「契約結婚」と。
運命に抗うべく逃げようとするも不首尾に終わった夜鳴媛。
だが、天祥の瞳に宿る虚無と孤独を知ったとき、彼女の心はわずかに揺らぎ始め……。
においやかな文と物語に酔う――長編・和風契約婚姻譚です。
【おすすめポイント】
(1)異質な者同士の惹かれ合い
天祥と夜鳴媛は、それぞれに「異質さ」と「孤独」を抱える存在。
血や能力、宿命の異質さ。身の置きどころの無さゆえの孤独。
そんな二人が惹かれ合うのは、ある意味自然なことかもしれません。
本作は、そんな「境界」に立たされた者達と、彼らが抱える孤独。
それ故の痛切な渇望――を描いた物語として読みました。
しかしながら、二人には過酷な試練が立ちはだかります。
天祥の葛藤。夜鳴に忍び寄る「ジン」の誘惑。
最後に彼女の傍らにいるのは果たして――?
今後も目が離せません。
(2)夜鳴媛とナカテの軽やかな語り&小姑・秋桜花の存在
斎院で幽閉されて生きてきた夜鳴媛。
彼女は人の本質を見抜くに長けてはいるものの、世間知らずな御方。
そんな夜鳴媛にあれこれとアドバイスするナカテ。
このやり取りが、最高です。
また、天祥を大好きな異母妹・秋桜花の存在も、素敵なスパイス。
彼女が出てくると、夜鳴媛が大分面白い行動をしてくれます。
本作は、なかなかに「重さ」のあるお話。
しかし、ナカテとのやりとりや、秋桜花の存在が中和剤として、
ほっと息をつくような、軽やかな空気を物語に生み出してくれています。
(3)舞台描写の妙味
舞台は飛鳥末期――政治と信仰、人と“異なるもの”の境界があいまいな時代。
古代の空気、祈りと呪、そこへ絡む畏怖と羨望、そして人の欲が複雑に溶け合う世界。
――飛鳥の香気漂う世界に遊び、物語と繊細な心理描写を味わい、磨かれた言葉に酔う。
そんな、上質の読書体験が待っています。
是非ご一読ください。おすすめです。
神巫・夜鳴媛は、斎宮で祈りの日々を送る中、朝廷から婚姻を命じられる。相手は冷酷無慈悲と噂される莲氏天祥 。婚姻の意思のない夜鳴媛 は逃亡を決意するが、神器「神威の銅鏡」の破損により鬼神の血を受け継ぐ宿命を知らされ――
本作は飛鳥時代を舞台にした和風恋愛ファンタジー。
溺愛してくれるイケメンとの契約結婚だけでなく怪しい事件も起きて、読み応え抜群です!
主人公の夜鳴媛が勝気な性格の主人公おかげでしょうか。主要キャラは重めの運命を背負っているのですが、サクサクと楽しく読み進められました。
それに、ヒーローの天祥の懐の深さも本作の魅力のひとつ。夜鳴媛がツンツンしても、広い心で受けとめてくれます。彼がいれば夜鳴媛 は大丈夫!と思える安心感のあるヒーローでした☆
飛鳥時代を舞台にした、和風ラブロマンスです。
ヒロインは、神巫(かんなぎ、神聖な巫女さん。)として、斎院にずっと閉じ込められて生きた、夜鳴媛(よなひめ)。
彼女は強大な力を持ち、〝契約の契り〟で、人の手にあまる魔物を倒す使命があったからです。
〝契約の契り〟の相手、天祥(てんしょう)は、大和政権の大物で、冷酷無比と噂のたつ、超・美形。
超・美形。
大事なことなので、二回言いました。
とにかく、ヒーロー、天祥が、かっこよくて、謎めいて、寂しさの影もあって、読んでてドキドキします。
彼のかっこよさに、読んでるだけでうっとり。
夜鳴媛との関係性もいいです。
夜鳴媛と、彼女につかえる女性、ナカテとのかけあいも、テンポが良く、読んでて飽きないです。
飛鳥時代? 読んだことない、イメージわかない、と尻込みすることなかれ。
とても読みやすく、おもしろいです。
おすすめですよ!
このお話は、古代日本を舞台にしています。えぇ、古代日本ってどうやって資料集めたの?
そこから気になりますが、そんな作者様の努力は結果として作品に現れています。
神巫(かんなぎ)夜鳴媛(よなひめ)は、契約婚として莲氏天祥(れんうじてんしょう)の元へ嫁ぎます。
全ては『ジン』と呼ばれるものを倒すため、結界を張るため。
とても難しい時代の話なので、内容もちょっと難しいです。普通のラノベではないよね?っていう読み応えです。
そう、読み応えなんです。読み応えがありまくるのです。
全体的に重厚感が漂っていましてね、「この作品はハードカバーで書籍化して欲しいな」って思いました。間違っても萌え絵のラノベではありません。
いや、ラノベが駄目って言ってるわけじゃないですよ? 私もラノベ買いますし読みますしね。
ただ、凄ーく重厚な文章なので、どっちかって言うと歴史小説にくくれそうなくらいの勢いがあるんですよ。
これ、資料集めるの苦労したろうなって凄い思います。
その知識を、サラッと書いている。読みやすいように組み込まれている。血のにじむような努力を見せないでサラッと書いている。
さすが作者雨杜和様です。今までの作品でも、この作者様はいつだってその豊富な知識をさらっと出して来たものでした。
ああ、でも、でもです。
ハードカバーの本で読みたい重厚な内容なのですけど、コミカライズには向いているなって。
何せ夜鳴媛も天祥も絶世の美男美女です。出て来る怪異もおどろおどろしくて個性的です。
絵的に映えますよ。私は馬鹿なので、どちらかというとマンガでかみ砕きながら読みたいですね。
作者様曰く、「最高傑作」です。
今まで様々な傑作を生みだして来た雨杜和様の、新たな伝説の一ページを捲って(クリックして)みませんか?
6世紀後半の、飛鳥時代。
強力な力を持つとされる一族の神巫、夜鳴媛は、生まれたときからずっと幽閉されていました。
といっても、切ない雰囲気は全くなく、ブーブー文句を言いながら護衛のナカテと仲良くやっているという印象。
しかしあるとき、人々を守る結界に綻びが生じたからさあ大変。
結界を張り直すためには、ある男性と政略結婚をし、契りを交わさなければなりませんけど、冗談じゃない!
その男の名は、天祥。優秀ですけど、冷酷無慈悲と噂の、どこか油断ならない相手。
そんなのと契りを交わすなんて真っ平ごめんです。
どうにかして逃げることはできないものかと悩む夜鳴媛でしたけど、徐々に天祥の沼にハマッていきくのです。
逃れられない宿命を背負っているのに、明るい感じの夜鳴媛のキャラクターがいい!
恐ろしい怪異が出てくるハラハラ展開のある中、天祥といっしょにどう切り抜けていくのか?
ゾクゾクした魅力溢れるお話です。
時は飛鳥時代。
神巫として、生まれてからずっと幽閉され祈りを捧げる日々を過ごしてきた夜鳴媛に、世に現れた怪異をなんとかするため、ある男と契約の契りを結ぶよう命が下ります。
つまりは結婚しろということなのですが、夜鳴媛は内心では不満たっぷり。
怪異をなんとかするためだの、それが世の中のためだの理由は色々ありますが、そのせいで無理やり結婚させられ夫となる相手も選べないのですから、無理もありません。
それが神巫の宿命などと言われても、そんな宿命からは逃げ出したい。
しかも相手となる天祥は、冷酷無慈悲と評判の男。
隙あらばこの結婚から、自分が背負う羽目になったろくでもない宿命から逃げ出したいと願う夜鳴媛ですが、天祥の人となり、そして彼もまた大きな宿命を背負いその上でそれを受止めようとしているのを見て、心に響くものがありました。
どんなに大きな宿命を背負い、常人には及びの寄らない力を持っていても、所詮は一人の人間。
背負うものの重さに押しつぶされそうになることだってあります。
その上で、自らの宿命とどう向き合うのか。自らの意思なく結ばれた相手にどんな思いを向けるのか。
それぞれの心の在り方に注目です。
雨杜和さまは、いろいろなお話が書ける稀有な作家さまです。
最近の作品は
「貴妃あるいは緩慢な死」 ☆中華ファンタジー
「半魂 〜鎌倉、八百年の呪〜」 ☆現代ホラーミステリー
「地味なわたしと博士と美少年(女)が、食材ゼロからはじめる異世界ライフ、究極レシピ!」 ☆異世界ファンタジー
です。
今回のお話は、なんと古代日本、飛鳥時代です。
思い浮かぶものといえば、古墳、大和政権でしょうか。
この時代のことはよくわからない分、想像力が試されますね。
作家さまいわく好きな時代だそうです。
さて、主人公は、夜鳴媛(よなひめ)。鬼神の血を受け継ぐ神巫(かんなぎ)。
結界を守る仕事をしています。
何らかの理由で結界が綻び怪異が現れ、それによって、国が傾きかねない。
特別な血筋の末裔でもある莲氏の若君、天祥(てんしょう)との
契りの儀式を命じられる。
お互いに望まぬ契約結婚です。夜鳴媛は全力で逃げたい。
一方の天祥さまは、噂では冷酷無慈悲(?)ですが、
会ってみると、孤独を纏った翳のある美青年。
しかも夜鳴媛のことを前から知っているような?
これは溺愛の予感です(〃▽〃)ポッ。
古代というと少しとっつきにくいと思われがちですが、
雨さまの文章はそう思わせない、分かりやすい言葉で、
古代日本の世界に浸れます。
古代と恋愛と、ミステリー。
なんといっても天祥さまの男の色気にやられてしまいます。
おススメします(´っ・ω・)っ📚✨