23.『エニグマの出現方法と法則の研究 No.1』
――NESエニグマ研究資料――
――『エニグマの出現方法と法則の研究 No.1』――
地面を焼く炎陽にも怯まない異形のエニグマたちは、中国国内の霊峰と呼ばれる場所に出現したマザーゲートを守護していた。
ある日――世界に出現したエニグマが強くなっていると報告を受けた調査員は、エニグマの一体に発信機を付ける。
すると発信機を付けたエニグマは、数日後には遠く離れた中国にて、何故か反応を示したのだ。
それから連続して世界各地で、同様の調査結果を得ることに成功した。
各国がこの疑問を解決しようと、NES主導で調査が開始される。
結果、発見されにくいように未知の技術が施されたゲートを発見した。
そこにエニグマたちが頻繁に出入りしていることが確認され、さらなる調査が行われることとなった。
エニグマがゲートへ入った瞬間――発信機の反応が消える。
五日後、消えたはずの反応が中国のエニグマに占領されている場所で確認される。
――といったことが地球の複数地点で観測された。
その後、調査は次の段階へ移り、ゲート内部へのドローン偵察が行われ始める。
ドローンはゲート内部の洞窟のような場所を一日中飛び回り、ついに出口らしきものを見つけた。
その先には蠢く無数のエニグマとそれらに守護される巨大な門――マザーゲートを観測し、中国の現状を世界中へ伝えることに成功した。
マザーゲートはドローンが出入りしていた小さなゲートとは規模が違った。
高層ビルすらも余裕で飲み込めるような高さと幅で、大型から小型のエニグマが出入りを繰り返し、何かを行っていた。
――まるで、一つの国家だ。
この映像を見たとある研究者が漏らした言葉だ。
まるで蟻の巣のようにエニグマたちがマザーゲートの側で作業のようなものをしていることから、そう思ってしまったのだろう。
調査結果――世界各国に出現するエニグマは小さなゲートを通じて、他国内へ侵入していることが判明。マザーゲートに戻ってから、再び出てきたエニグマの強さが上昇していることを確認。中には姿を変え、進化を果たしているものも存在した。
しばらくして、ゲートを閉じる方法がNES軍によって発見され、各国も支援を受けながら次々にゲートを閉じていく。
しかし――各地のエニグマの出現数は減ってはいなかった。
ゲートを閉じても、再び開く手段がエニグマたちにはあったのだ。
それはマザーゲートが新しくゲートを開く効果だ。
開かれたゲートは地球上のどこかへ再び繋がるため、閉じてもあまり意味がない。
マザーゲートから出てきて、各地に繋がるゲートに入っていくエニグマの数は、毎日ほぼ一定だ。
しかし、侵入するゲートの数が少なければそこに大量のエニグマが集中する。
そのため、その場所はエニグマで溢れ返ることになる。
よって各国は勝手にゲートを閉じることがないように決まりを作った。
自国のゲートをすべて閉じることで、間接的に他国を滅ぼすこともできてしまうからだ。
――『エニグマの出現方法と法則の研究 No.1』一部抜粋――
――『エニグマの出現方法と法則の研究 No.2』へ続く――
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