40.調和の象徴
――人類史上最大級の転換。
かつて人類の祖先が火を扱ったときと同じかそれ以上の影響が人類に現れていた。
エニグマの出現をきっかけに人類は、ステータスという未知に出会った。
突如、視界に浮かんだ数値化された戦闘力と、エニグマを討伐することで上昇する値。
身体能力の上昇や超能力の普及が常識を壊した。
世界や国、法律といったものが、急激な変化についていけず、犯罪や不正が横行する。
これに対する抑止力としてNESが、最高戦力である英雄の六人とそれには及ばないが人間の中でも優秀な四人を〈
第一席――近衛慧
第二席――アルファ・セイント
第三席――ツーユー・ミィマオ
第四席――シュタール・ヴェルナー・クリューガー
第五席――オドゥオール
第六席――スキアー・G・フォックス
これが初期のメンバーで、そのすぐ後に優秀な四人の能力者が〈
世間に公表されているのは、第七席と第八席の二人のみ。
この二人の戦闘力は、一人で戦闘力2000前後のエニグマを討伐できるレベルだ。
公開されている二人以外の者たちも同じかそれ以上の強さであると匂わせることで、抑止力としては十分であった。
第一席から第六席の英雄たちの顔を知っているのは、各国の首脳やNESのトップ、トップ団長クラス、その英雄の友人くらいだ。
第七席――
現神楽家当主で神楽大晴の父親。
世界で数十人しかいないS級能力者であり、神楽武闘の達人だ。
体術、剣術、槍術、斧術、盾術など、なんでもこなせるが、特に得意なのは刀術の一種である大太刀術だ。
かつて、神楽家敷地内に大量に発生したエニグマとゲートをその大太刀で両断した。
その戦闘を見た人が「
第八席――ヴァレリー・オブ・モニエ
フランスで単独エニグマ討伐数最多であり、魔術師の女性。
S級能力者で、「
彼女が得意な魔術は、殲滅系統と占星術だ。
自作の
ワイズと結構仲が良い。
強すぎる力は国家にとっては毒にも薬にもなり得るので、扱いが難しい。
二人を含め〈
無断で力を使ってはならない。
軍に入って国のために働け。
無償で国民を助けろ。
などなど。
挙げれば切りがないほどだ。
これは民主政治の国でより起こっていた。
日本の
この扱いに、エニグマを食い止めていた英雄に対する態度ではないとNESは猛抗議し、アルファを筆頭にNESが建国を宣言した。
そこに、数多くの能力者が集うようになる。
太平洋のど真ん中に、オドゥオールが大樹を生やして成長させ、NESの本部とした。
その後、なんとしてもNESとの対立は避けたい各国は引き下がったが、今後NESの中心地はこの大樹――ユグドリームとなった。
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