37.生き残ってきた経験
「チッ!」
エドは最悪な気分の中、最善の手を探す。
女二人ならなんとか勝つことも可能だったが、あの男は無理だ――そんな意味を込めた舌打ちだった。
「お前には大人しくなってもらおうか。聞きたいことがあるからな」
「フン! 誰が……おとなしくするかってん――っだ!」
エドは話が終わる前に、腰に差していた二本の短剣を舞佳と香織に投げた。
それを難なく打ち返す大晴だったが、次にエドが投げたものを見て顔を顰める。
それは爆弾だ。
大晴は舞佳と香織に飛んできた短剣を弾くため、荷車の女性から離れてしまった。
エドはその隙に荷車の方へ手榴弾を投げた。
どうせ依頼は失敗なのだ。
自分が逃げるためならば、どんな手段でも行使する。
それが彼の今まで生き残り続けた経験から得た人生訓だ。
「クソッ!」
大晴は急いで手榴弾の爆発から気絶している女性を守る。
舞佳や香織が逃げ出すエドに追撃を仕掛けようとしたとき、地面に転がっているエドの短剣の柄についていたカプセルのようなものが開いた。
一本目からは煙幕、二本目からは痺れ薬が噴出する。
エドは逃げるための準備も装備も抜かり無かった。
異変に逸早く気がついた舞佳が、香織を大晴の元まで運ぶ。
舞佳に抱きかかえられながらも、香織は追撃の魔法を放っていた。
〈真空刃〉
すでに隠密で姿が見えなくなっていたエドだったが、しっかりと攻撃は当たっていたようだった。
七年の付き合いの彼らの連携は素晴らしいものだ。
それぞれが最善の行動を取ることで、少人数でも敵を圧倒することができる。
今回の敵は一人逃してしまったが、香織の真空刃でエドの指を二本切り落とした。
その指には指輪を嵌めており、調べればどこの組織に所属しているのか分かるだろう。
「大丈夫か?」
「ごめん……痺れ薬を少し吸い込んじゃったみたい」
舞佳が香織を抱えるときに少し吸い込んでいたようだ。
足に力が入らず座り込んでいる。
「さっきダンジョンに潜れる団員に連絡をいれたからもうすぐ来るよ。それまで少し休憩しよう」
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名前:
性別:男
年齢:24
戦闘力:535
器:【
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名前:
性別:女
年齢:25
戦闘力:203
器:【
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名前:
性別:女
年齢:25
戦闘力:200
器:【
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