34.神の力
――その時。
【夢幻世界】と〈
どこか外に繋がっているようだ。
〈
穴の先から途轍もない光と轟音が響き、
青白く光る雷は神の裁きのごとく、一瞬では終わらず
それによって力を封じられていた地球の神は、
「まさか……下界の使徒にアレを倒せるものがいるはずがない……」
神は【封神】の効果が切れると、急いで下界を覗いた。
目の前に大きな鏡が無数に出現し、複数の戦場を俯瞰することができる。
すると自分に攻撃を仕掛けていたエニグマが地球に進出し、暴れていることに気がつく。
「なんと……」
その中には
人間の抵抗力の高さに嬉しさと頼もしさを覚えた。
「ふふ……今回の地球の文明は素晴らしい。これでようやく果たせるか……」
しかしその使徒と人間たちが今、自分を封じていた
まだ回復しきっていない神だったが、力を振り絞り〈
声を上げる暇すらなく、神の一撃のもとに屠られる。
慧たち
「……倒したのか?」
六人の疑問を何者かが答える。
『――よくやった私の地球、そしてその使徒たちよ……』
『――特にそこのケイ……君の頑張りで【封神】の対象が、私から君に移ったのだよ。おかげで止めを刺すことができた』
『今は力が使えないだろうが、地球にいる限り、徐々に回復していくから安心すると良い』
これが耳に届いた瞬間、心温まる不思議な声の主は神であると、六人は感じ取った。
『私はしばらく、地球を守る結界の構築と自身の回復のため休眠する。その後に、改めて話そう……』
神の声は非常に厳かな雰囲気を纏っていたが、最後の方は疲労を感じさせる声に変わっていった。
『しばらく、地球を任せるぞ』
――神はいる。
この場にいる六人だけが知る真実。
大いなる存在に地球は守られていたのだ。
そんな存在に地球を任された使徒六人は、エニグマに負けないほどの力を求めるのだった。
慧は魂力の回復とワイズの成長を待ち、再び
ワイズは得意な演算とシミュレーションで、魔術の開発を進める。
各々、次なるエニグマに備え、行動を起こすのだった。
――そして舞台は7年後の2106年へ――
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