２つの地球は月をのぞむ 〜少女は浮いて少年はバズる〜

２０２５年４月５日に月を挟んでもう一つの地球が誕生する。互いの地球にはそれぞれの科学と秘学が発展しそれぞれが、中心にある月の利権を取り合う。

スーパーロボットも出てきて、激しい戦闘が繰り広げられる……と思ったら甘い。

この物語は、化学が発展した地球の『蘇我テンジ』と秘学が発展した地球の『葛城イルカ』が入れ替わったことから始まる。月を挟んでの壮大な入れ替わり。
ここに、テンジのライバルにて親友の『十流トルク』とイルカの親友『遊利ユウリ』が加わり４人の視点を巡りながら語られる。

独特の言い回しと、センスに笑っていると、これがなかなかどうして深く大切なことが散りばめれたワードを見逃しそうにな…続きを読む

台詞回しや表現方法、あべこべなように感じる部分にも意義がありました。会話のやりとりはコメディ舞台に合いそうな感じがします。男の子がすきそうなロボアニ感もありつつ、大人にはどこか懐かしさを感じられる作品です

刺激的な言葉の運用。
独特の感性がSFをSFたらしめる。

失敗するとただのローファンタジーに堕ちるギミックをうまく使いながら、
作品としてはちゃんとSFとして成立させている。

ここでジェンダー論を持ち出すのは些か野暮というモノ。

二つの地球。そして舌をだしているオジサンの、
発想の差異が産んだ世界の差分。

いつかだれかがどうに関してくれる。という最近ありがちなヒロイン像を、
二重の意味で突き崩す。


最近、ファンタジー系のお約束小説を読み飽きたなという人には、
是非読んでいただきたい小説です。

一見するとシュールに見えて、実は過激な台詞まわしが大きな魅力だと思います。たとえば「おっぱい触らせてもうた！！」とか。これだけ読んでも、いかにこの作品が鮮烈でクレイジーかが伝わってくると思います。舞台化しても良いんじゃないかっていうくらいに芸術性のある作品ですm(__)m

序盤しかまだ読んでいませんが、
二人の繰り返しながら少しずつ足されていく狂気的なモノローグが好きです。

唐突な自己紹介には驚かされましたが、寧ろそこから先が楽しみで堪りません。

続きを読みます。