06:もう少し識る必要があるからだ。byイルカ
私は、おっぱいを触って正体がばれた。
私が僕だとバレた。
私の友達(らしい)
・
・
・
「そっかー、イルカちゃん、あっちの地球にいってもうたんや……」
「しかも、あっちの地球で男の子になってもうたんや……」
ハッとした顔をして、瞬く間に顔が真っ赤になった。耳まで真っ赤になった。
そして、今頃になって、ようやく普通じゃ考えられない自分の行動を、大きな声で叫んだ。
「ワタシ、男の子におっぱい触らしてもうた!!」
そして、消えいりそうな声でつぶやいた。
「……めっちゃハズい……」
「たゆんたゆん」を僕にわしづかみにされたのを、両手で顔を覆って、しきり恥ずかしがった。
そして、ひとりしきり恥ずかしがると、顔を覆った両手を剥がして、コロコロと笑った。
「ま、しゃーない」
と、コロコロと笑った。
「減るもんやないし、こっから先は、君がイルカちゃんなんやし」
あっけらかんとコロコロ笑った。そして、おもむろにしゃべり始めた。
「ま、しゃーない。入れ替わったんはしゃーない。でも、なんで入れ替わったかは
「うーん……どーせ、イルカちゃんと入れ替わったんや。普通に考えたら、こんだけしか使わんでええやろ……知らんけど」
そう言うと、シャフルしていたタロットのおしりを、「ていん」と叩いた。
カードの束から、3分の1程度のカードが、僕の部屋の畳間にバラバラと落ちた。
「占い?」
僕が畳の上に散らばったタロットカードを見ながらつぶやくと、
「
と、語気強めの返事が戻ってきた。
「全然違う。
対して
悩んで悩んで、ごった煮になって、
そんな普通のこと、なんで知らんのや……知らんけど」
僕は思った。これは、【
数学は、普通は答えが決まっている。絶対に答えが決まっている学問だ。
絶対に答えが決まった定理を、様々な分野に活用する学問だ。
対して、統計学は普通は答えがない。答えがない答えに、仮説を立てる学問だ。
統計を調査して、
「手ぇ、貸して」
僕は、
どうやらこれが、僕の
そして一言、
「わからん!」
と叫んだ。
「やっぱあかん、手やあかん!
イルカちゃんに
そして、僕をにらんだ!
「あとそれから君は、
頭の中で
ワタシとイルカちゃんは親友なんや!
大親友なんや!!
普通、大親友のことフルネームで呼ばんやろ!!!」
「あ、えっと……ごめん。
「苗字でさん付けはやめえ!」
「じゃ、じゃあ。
「苗字やめえ!! そのイントネーションやめえ! 『
「えっと、じゃあ、
僕は、初対面の女の子の名前を呼び捨てるのは、どうしてもはばかられた。とても照れくさかった。仕方がないので、苗字のイントネーションを変えることした。
「うんうん! これで君とワタシは親友や!!
君は今日から、イルカちゃんや!! ……知らんけど」
そう言うと、
そして、口を「しゅるり」と拭った手で、おもむろに胸元に突っ込んで、おもむろにインナーシャツを引っ掴んで、おもむろに引っ張り上げた。
制服の中が「たゆん」と揺れた。
制服の中のおっぱいが「たゆんたゆん」と揺れた。
ブラジャーによって、必死に重力にあらがっていたおっぱいが「たゆんたゆんたゆん」と揺れた。
そして、普通じゃ考えられないことをした。さっきから握り続けている僕の手を、おもむろに「たゆんたゆん」に押し込んだ。
そして、「にへら」と笑った。
「はぁ、ようわかる。君のことようわかる。
イルカちゃんになった、君のことがようわかる。
やっぱり、おっぱい触ってもらわんと、普通におっぱい握ってもらわんと。
イルカちゃんに
そう言うと、「にへらにへら」と笑っていた
再び目を閉じて、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます