26.Round1−2 Side「かぐや姫」
さて、この月面戦争のルールを新たにひとつで紹介しよう。
〜
2つの地球は、まだ月面開発に乗り出したばかりだ。とても四六時中、戦争ができるような状況ではない。月面に輸送できる物資は、とても限られる。
なので、当面は、月1回、毎月1日に、1時間だけの戦闘が許された。
続いて、誠に簡単ではあるが、戦力説明をしよう。
最初に、2つの地球のひとつめ、ややこしいので、互いの地球の月面開発のプロジェクト名で呼ぶことにしよう。
最初に説明するのはSide「かぐや姫」。
重力波を自在に操るテクノロジーを有した地球の戦力説明だ。
すなわち、物理法則が「風の
月面戦争に投入された兵器は1機のみ。
いや、この説明は正しくない。正式には、4機のロボットと、12機のビット機関で構築された、全16機体の兵器だ。
現在、ロボット、並びにビット機関のストックは存在しない。軌道エレベーターからの輸送を待つしかない。つまり、いきなりの背水の陣だった。
だが、自信があった。Side「かぐや姫」のパイロット、
さて、この月面戦争のルールを、新たにもうひとつ紹介しよう。
〜
そう、
そして、その大胆極まる作成を可能にするのが、
現在の年月日及び時刻は、2027年7月1日。日本時間、午後7時59分。開戦1分前だ。
この段階で、パイロットである
なお、彼女たちは月面への戦局を、机の上に置かれた巨大タブレットで把握する。
そう、彼女たちは、まるでストラテジゲームをするかの如く、
電撃作戦を実行するためには、
それで詰みだ。月面戦争は終了だ。
「セントウカイシマデ……10……9……8……」
宙に浮いたシャチのロボットが、無機質な声で戦闘開始までのカウントダウンを行う。
「……3……2……1……ゲームスタート!」
シャチが戦闘の開始を告げるとともに、
ぺしん!
〜 『
「イルカちゃん! 2時方向や! そこにすっとびぃ!」
「了解!
Hey!オルカ!
Mark-IIIに変形指示、ウンディーネ及び
「カシコマリマシタ」
巨大なタブレットに映し出されたロボット……オルカMark-IIIは、すぐさま変形して、淡くて青い1体のロボットと、甘くて淡いパステルカラーの黄・青・紫・緑色の、4体ビット機関を分離した。保険として、この区域の防衛を行うためだ。
「Hey!オルカ!
インスタント発動!
詳細ポイントはマニュアルで指定!」
「カシコマリマシタ ショリヲ ジッコウ シマス」
ロボット……オルカMark-IIIは、4体のビット機関を分離した。
カラフルなネオンカラーの黄・青・紫・緑色の、4体ビット機関を分離した。
そしてその4体のビット機関は、ロボットの目の前に移動して四角形を描いた。ロボットがちょうど通り抜けられるくらいの、一辺70メートルの四角形を描いた。
機体の2時方向に向かって、一辺70メートルの四角形を描いた。
四角形中に、複雑な魔法陣が描かれた。
ロボット……オルカMark-IIIがそこを通り抜けると、機体は瞬時にワープした。いや、ワープではない。高速移動だ。魔法陣は加速装置だった。
ロボット……オルカMark-IIIは、敵の本拠地の200キロ目の前で止まった。
「Hey!オルカ!
インスタント発動!
エネルギー出力はアナログで指定!」
「カシコマリマシタ」
ロボット……オルカMark-IIIから、4体のビット機関、つまり、全てのビット機関が分離した。
シンプルな原色の黄・青・紫・緑色の、4体ビット機関を分離した。
そしてそのビットは、ロボットの目の前に移動して四角形を描いた。一辺10メートルの四角形を描いた。
敵の本拠地に向かって、一辺10メートルの四角形を描いた。
ビットは、ロボットの前で四角形を描いた。そして、四角形の中に魔法陣が描かれた。
「ハッシャマデ ……5……4……3……2……1……ファイア」
ロボット……オルカMark-IIIは魔法陣に向かってビームを発射した。
魔法陣を潜り抜けたビームは、その太さを、何十倍にも増幅させた。四角形いっぱいに拡大増幅した。ビーム砲は、敵の本拠地めがけてすっ飛んで行った。
勝った!
だが……ビーム砲は、敵の一体の機体に阻まれた。
バスケットボールのような、全長50センチの真っ赤な機体に阻まれた。
真っ赤な機体は、ビーム砲に衝突すると、直径5キロメートルの大爆発を起こした。
敵の本拠地のわずか1キロメートル手前で、全長50センチの真っ赤な機体に阻まれた。ビーム砲は、直径5キロメートルの大爆発を起こした。
ぺしん!
〜 9『
「イルカちゃんがおる! あのバスケットボール? をビーム砲にぶち当てたんは、あっちの地球にいってもうたイルカちゃんや!!」
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