月面戦争:FinalRound
39.FinalRound Side「葛城イルカ」
こんにちは。
今日は、2027年11月1日。日本時間、午後7時25分です。
月面戦争:Round6、開始35分前です。
そして敬語は苦手なので、とっとと、いつもの自分に戻ります。
「えへ、私がんばっちゃう!」
突然だけど、私は今、混乱している。
とても混乱している。
なぜなら、
ちょっと意味がからない。
なぜ、上がるんだ?
現段階での仮説は3つ。
【仮説A:
なんだろう? ドローンパイロットの教官とかが妥当かな??
だって、直接パイロットをやるなら的中率はもっと上がるし……うん! そう考えるのが普通だ。
だけど……あんな気持ちの悪い操縦テクニックを、他の人が習得なんてできるのかなぁ……ぶっちゃけちょっと考えられない。現実性がなさすぎる。
【仮説B:
これが本命。
こっちのプログラム解析任務とかが妥当かな?
いいかげん、オルカMarcIIIの能力の全容はバレただろうから、
まあ、バレたところで、防ぎようないけど。
だって、
とはいえ、
月面戦争の戦局が完全に硬直した今だったら、絶対そっちの方が良い。
月面戦争は、もう長期戦になるしか無いんだ。
だったら、被害を最小限にして、一戦あたりのランディングコストを下げた方がいい。普通はそう考える。
で、一応最後の仮説。
【仮説C:
一応、的中率96%の意味を考えるなら、これが一番普通だ。
でもまあ、そもそも接触禁止の条約があるから、ありえないんだけど。
・
・
・
うーん、わかんない、仮説Aと仮説B、どっちだろう。
これ以上は考えてもわかんないや。
これ以上は、
心をスッキリさせないと、わかんないや。
「ねぇ、
「コホッ……ええよ……知らんけど……コホッコホッ」
わたしは、今日も
私は
わたしはいつもの通り、
そして、おもむろにブラジャーを引っ張りあげた。
ブラウスの中が「たゆん」と揺れた。
ブラウスの中のおっぱいが「たゆんたゆん」と揺れた。
ブラジャーによって、必死に重力にあらがっていたおっぱいが「たゆんたゆんたゆん」と揺れた。
私は、両手で真剣に「たゆんたゆん」を優しく握った。
・
・
・
熱い!
・
・
・
え? ちょっとまって、普通じゃ無い。これ、40℃くらい発熱してない??
ぺしん!
私がおっぱいを握ったとたん、
〜 13『
−
「コホッ……なんやぁこれ? 訳わからん……コホッ。そもそも誰? ゴホッ……才覚を
〜 12『
−
「……ゴホッ! ゴホッゴホッゴホッゴホッ。」
「
なんだこれ? 普通じゃ無い。普通じゃ絶対に考えられない。
・
・
・
まさか! まさか!! まさか!!!
・
・
・
私はおもむろに、
わたしは、おもむろに
リンパ節が腫れている。そしてうっすら黒ずんでいる。
間違いない! ユウリは黒死病だ。つまり「ペスト」に感染している!!
なんで? なんで?? なんで???
なんで、ペスト?
なんでこっちの地球にない感染症に疾患してるの??
そして、今、私も感染している???
濃厚接触者の私も感染の疑いがある????
ペストだけじゃない。
こっちの地球には存在しない、流行性感冒や、スパイクタンパク質を有した感染症に疾患している恐れもある。
つまり、インフルエンザや、アレに感染している可能性も十二分に考えられる。
おちつけ!
おちつけ
私は今、何をするべき?
私は今、なにができる??
何もできない!
何もできない!!
医療に詳しく無い私にできる事なんて、何ひとつない!!!
私が今できることは、ここから先、自分の、そして
私は、
そして、
「Hey……オルカ! 父さんに電話をつないで!(ひそひそ)」
「OK…………プルルルル……プルルルル……プルルルル……プルルルル……ガチャリ……どうしたんだい? 私の可愛いイルカ」
「父さん。
「どういうことだい? 私の可愛いイルカ!」
「そういうことだよ!(ひそひそ)
「わかった、すぐに医療チームを手配する。完全に完璧な感染症対策をほどこした医療チームを手配する。
私の可愛いイルカも、そして私もすぐさま隔離されるべきだろう。
今日の月面戦争は、私のスタッフに任せよう」
「うん!(ひそひそ)
そうだよね!!(ひそひそ)
そうするしかないよね!!!(めそめそ)」
「その通りだよ。 私の可愛いイルカ!」
「でも、私……ほんとは、
苦しそうに咳き込んでる
「それはダメだよ。私の可愛いイルカ。
絶対にダメだよ。私の可愛いイルカ」
「うん、わかってる。(ひそひそ)
わかってるよ父さん……そんなこと絶対やっちゃだめってわかってるよ……父さん。(ひそひそ)
でも……苦しんでいる
自分が
「それはわかるよ。私の可愛いイルカ。
痛いほどわかるよ。私の可愛いイルカ」
私が、父さんとひたすら、ひそひそ、めそめそ話しをしていると、おもむろに
息をきらしながら、のんびーりとした、関西弁でしゃべった。
「なんやぁ……ゴホゴホッ……イルカちゃん……めそめそして」
「
ごめん、ごめんなさい!
私が
「ひゅー……なんやぁ……ゴホゴホッ……イルカちゃん……ひゅー……ちょっとなにいってるか、わからん……ゴホゴホッゴホッ」
「
「ひゅー……いやや!
ひゅー……ひゅー……これだけは言う、絶対言う……ゴホゴホッ……!!
ひゅー……ひゅー……ひゅー……ワタシに、なんやしらん病気うつしたんは……ゴホゴホッゴホゴホッ……!!
ひゅー……ひゅー……ひゅー……ひゅー……あっちの地球におる、イルカちゃんのお父さんや!!! ……ゴホゴホッゴホゴホッゴホゴホッ……!!!!」
「な、なんだってーーーーー!」
「な、なんだってーーーーー!」
私とシャチのぬいぐるみのオルカは、ガッツリハモった。
ガッツリハモって、死神の正体に愕然とした。
くるってる。
あっちの地球の父さんは、くるってる。
人の命をなんだと思ってるんだ!!
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