08:丁寧にさわったからだ。byイルカ
私の
私に「たゆんたゆん」を「たゆんたゆん」と握らせて「むむむむむむ」と集中した。
そして、ゆっくり目を開けた。
「まずは、そうやな。まずは普通にあっちの地球に行ってもうたイルカちゃんの事教えた方がええな? そうするんが一番早い」
ぺしん!
7。『戦車』の逆位置。
−
ちょっとした普通の漫画好きのオカルト好きなら、タロットのことは知っていると思う。僕も、そのクチだ。
「
ぺしん!
8。『力』の正位置
−
「
でも、ゴリラは森の賢者。道に
ぺしん!
10。『運命』の正位置。
−
「ワタシがおる。
せやから歯車集める。赤い戦車は進む。ゴリゴリ進んで歯車集める。地水火風、黄青紫緑の歯車集める。すなわち
僕は、ただただ息を飲んで、
スゴイ……のかどうかは正直わからない。何せ僕は、あっちの地球に行った
ただ、少なくともタロットカードには仕掛けがあるようには見えなかった。普通のタロットカードに見えた。
「あっちのイルカちゃんは、普通に毎日おっぱい触っとった。大事な試合の時は入念に
「ワタシは、君の事が
その瞳は、まるで、美味しい料理を見るかのように、まるで、幼い子供がお子様ランチでも見るかのように、キラキラと混じり気なく輝いている。
そしてその手は、迷い箸をする子供のように、畳間に散らばったタロットカードの上をウロウロとさまよった。
「これやろか? ……知らんけど」
ぺしん!
9。『隠者』の逆位置。
−
「こっちの地球に来た、新しい
好きな事ほど早口でしゃべる。普通やないことほど早口でしゃべる。ぶっちゃけちょっと気持ちが悪い」
……あってる。ぶっちゃけちょっと気持ちが悪いくらい合ってる。
「でもって」
そう言うと、
そして一言、
「わからん!」
と叫んだ。目を閉じたまま叫んだ。
「わからん! イルカちゃんの
ワタシがもっと
ワタシがもっと『
そして、目を閉じたままもっと大きな声で叫んだ。
「イルカちゃん、両手で触りぃ!
両手でおっぱい触りぃ!!
両手で
「え……でも……」
僕は
「ワタシは今、忙しいんや!
集中するのに忙しいんや!
目を閉じるのに忙しいんや!
つべこべ言わんと、グチグチ言わんと自分で触りぃ!!」
僕は、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「たゆんたゆん」を自分から触りにいく覚悟を決めた。
僕は、
「たゆんたゆん」を触った。
「たゆんたゆん」は、ほんのちょっぴり湿っていた。
「たゆんたゆん」は、汗ばんで、ほんのちょっぴり湿っていた。
目を閉じたまま、「にへら」と笑った。
「はぁ、ようわかる。君のことようわかる。
イルカちゃんになった、君のことがようわかる。
やっぱり、普通に両手でおっぱい触ってもらわんと、
イルカちゃんに
そう言うと、おもむろに目を見開いて、おもむろにタロットカードを一枚ひっくり返した。
ぺしん!
1。『魔術師』の正位置
−
「決まりや……こっちの地球に来た、新しい
そう言うと、
顔は「にへら」と笑い続けていた。「にへらにへら」笑い続けていた。
「にへらにへら」笑いながら、
僕が両手でにぎった「たゆんたゆん」も、その振動で「ぷるんぷるん」と震えた。
そして「にへらたゆんぷるん」させながら、
「
めっちゃ可愛い魔術師! めっちゃ尊い魔術師!! 可愛い可愛い魔術師!!! 可愛いいいいいいいいいいいいいいい! イルカちゃん可愛いいいいいいいいいいいいいいい!」
・
・
・
ちょっとなにいってるか、わからない。
ちょっとなにいってるか、わからなかった。ちょっとなにいってるか、わからないから、そのまま聞いた。
「ちょっとなにいってるか、わからない」
「いやー、やって可愛いんやもん。
可愛い! 可愛い!! ボーッとしていて、オドオドしていて、でもめっちゃ可愛い顔困らせて、めっちゃムズいこと考えとる。めっちゃスゴイこと考えとる……なんや知らんけど可愛い!! めっちゃ可愛い!!」
「ちょっとなにいってるか、わからない」
「
なんや知らんけど、こっちの地球にないモン、普通や考えられへんもん創り出す……知らんけど。
ふーん……なんや知らんけど、こっちの方が、可愛いより重要らしい。イルカちゃんは女の子なんやから、普通は可愛いが一番重要やないん??
知らんけど……知らんけど……知らんけど……知らんけど」
ぺしん!
10。『運命』の逆位置
−
「新しい
月まで一瞬ですっ飛んで、飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで飛んで回って回って回って解決する。魔術師が、なんでもかんでも解決する・・・知らんけど・・・知らんけど・・・知らんけど」
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