04:やっぱりここからだ。byイルカ

 さて、どこから話せばいいんだろう。


 やっぱりここからだ。まあ、はここからだよな……ここからだ。


 私は、スポーツ特待生だった。結構な進学校で、結構な強豪校の、バスケットボール部のスポーツ特待生だった。


 私は、バスケットボール部の特待生だったから、放課後、体育館でバスケをやった。


 私は、小学生みたいなちぃちゃい手で、バスケットボールを「てんてん」とドリブルして、「ぽいん」とシュートして、「ばいん」とリングに弾かれて、弾かれた反動と、重力で加速して落っこちてきたボールに「ぺしん」と顔面にぶつけた。


 バスケットボールを、「ぺしん」と顔面にぶつけた私は、気を失った。

 だから今、私は保健室にいる。


 ちょっと意味がわからない。じゃあ考えられない。

 なんで私は、スポーツ特待生なんだ?

 なんで私は、バスケをやっているんだ?

 なんで私は、こんなちぃちゃい体なのに、バスケをやっていたんだ?

 なんで私は、こんなちぃちゃい体なのに、全国大会で優勝したんだ?

 なんで私は、全国大会で、最優秀選手に選ばれたんだ??


 ちょっとじゃないから、ちょっと真剣に考えた。

 ついでに、この地球に来てから、ちょっとずっと気になっている事も、ちょっとついでに考えた。


 不便だな。スマホが無いのは不便だな。

 不便だな。インターネットが無いのは不便だな。

 不便だな。一応パソコン通信はあるけどやっぱり不便だな。

 不便だな。スケボーが浮いてて不便だな。

 でも便利だな。特殊相対性理論は便利だな。

 うん便利だよ。特殊相対性理論は便利だよ! 

 こっちの地球のアインシュタインは、めっちゃ便利なこと考えたよ!!


 ちょっとのつもりが、うっかり本気で考え始めてしまっていると、のんびりした声が聞こえてきた。のんび〜りした、トーンの高い声が聞こえてきた。


「イルカち〜ゃん、おるか〜?」


「あ、ここです!」


 私が答えると、ベットの周りを仕切っていたカーテンが開いた。


 そこに居たのは、ちょっとだけ背が高い、ベラボーに可愛い女の子だった。


 ちょっとだけスレンダーで、ちょっとだけウェーブがかったロングで、大きなまつ毛で、すっきりとした広末二重ひろすえふたえで、シュッとした鼻とポッテリとしたくちびるで、そして、そして、驚異的に胸囲のある女の子だった。


 私は、つい、うっかり、驚異的な胸囲にくぎづけになってしまって、慌てて「ふいっ」と目を背けた。


「なんやぁ? いきなり顔そらして。体調悪いん? ……知らんけど」


 挙動不審な私を見て、驚異的な胸囲の女の子は、トーンの高い関西弁で、口を隠しながら、コロコロとお上品に笑った。


 コロコロ笑った驚異的な胸囲の女の子は、じゃない考えられないことをした。おもむろに私の手をひっつかんで、胸囲的な胸囲を、私に押し付けてきた。


「まぁまぁ、とりあえずいつものように、おっぱいさわって落ち着いたらええ……知らんけど」


 私は、私のちぃちゃい手が、おっぱいに押し付けられて、ちょっと意味がわからなかった。じゃない。

 ちょっと……ちょっとちょっと、意味がわからなくなった。


 パニックになった。


 パニックになってる私を見て、驚異的な胸囲の女の子は、余っている方の手で、口を「しゅるり」と拭った。


 そして、口を「しゅるり」と拭った手を、おもむろに胸元に突っ込んで、おもむろにインナーシャツを引っ掴んで、おもむろに引っ張り上げた。


 制服の中が「たゆん」と揺れた。

 制服の中のおっぱいが「たゆんたゆん」と揺れた。

 ブラジャーによって、必死に重力にあらがっていたおっぱいが「たゆんたゆんたゆん」と揺れた。


 驚異的な胸囲の女の子は、制服に突っ込んでいた手を引き抜くと、おもむろに、私のちぃちゃい手を捕まえた。

 そして、じゃ考えられないことをした。私の両手を捕まえて、おもむろ制服の中に押し込んだ。


 「たゆんたゆん」が隠れている制服の中に、おもむろに私のちぃちゃい手を押し込んだ。


 私は、パニックになった。


「まぁまぁ、とりあえずいつものように、おっぱい揉んで落ち着いたらええ。両手でじかにおっぱい揉んで、落ち着いたらええ……知らんけど」


 私はいつも、この女の子をおっぱいを、両手でじかに揉んでいたのだろうか。

 このちぃちゃい手で、この驚異的な胸囲を、両手でじかに揉んでいたのだろうか。

 このちぃちゃい手にあまる、「たゆんたゆん」を、両手でじかに揉んでいたのだろうか。

 ちょっとだけ「たゆんたゆん」の先っぽに触れながら、に両手でいつもじかに揉んでいたのだろうか。


「まぁまぁ、とりあえずいつものように……にやればええ」


 驚異的な胸囲な胸囲の女の子は、トーンの高い関西弁で、コロコロとお上品に笑った。


 私は、言われるまま、驚異的な胸囲を、じかに揉んだ。

 私のちぃちゃい手にあまる「たゆんたゆん」を、両手でじかに揉んだ。


 「たゆんたゆん」は、柔らかかった。

 すごぉ〜く柔らかかった。でも、先っぽはちょっと堅かった。


「……あんた……誰?」


 お上品にコロコロ笑っていた女の子が、急に声のトーンを落とした。

 急に声のトーンを落として、真顔になって聞いてきた。


「あんたは、イルカちゃんやない。誰? 知らん人や……知らんけど」


 彼女の名前は遊梨ゆうりユウリ。

 卜術ぼくじゅつの特待生だった。

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