概要
だから高校入学と同時に森泉店でバイトを始め、卒業後は社員として働くつもりだった。
が、経営不振を理由に社員登用を見合わされてしまう。
それでも実績が上がれば社員にしてもらえる約束を取り付け、頑張ろうと生きこむ瑞穂。
そこへ店の不振を脱却する切り札として、とある敏腕社員が中途採用でやってくることになった。
期待に胸を膨らませる瑞穂だったが、しかしその男はまさかの「せどり」……その世界で「強欲の仮面」と呼ばれる転売屋の男だった。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!リサイクルショップの裏側、のぞいてみませんか?
主人公・今浜瑞穂はリサイクルショップでアルバイトをしている。なかなか業績が上がらない中、元せどりで「強欲な仮面」と呼ばれる速野渚が入社してきて…?
リサイクルショップを舞台にしたお仕事小説。めっちゃ面白かったです。
リサイクルショップでどういった仕事をしているのか、裏側を詳細に見せてくれます。良い状態のまま保存していて、いざお店に持っていったても、十円、百円の買取価格。いらないから売ろうとしているけれども、どこかモヤモヤしませんか?
速野は、良いものは良い、ダメなものはダメときっぱり査定をおこなうので、読んでいて気持ちが良いです。
威圧的な態度をとるお客さんをスパーンッと成敗するシーン…続きを読む - ★★★ Excellent!!!元転売屋が赤字続きのリサイクルショップを立て直す!
赤字続きのリサイクルショップ「イエローブック森泉店」。高校3年間、そこでバイトを続けてきた今浜瑞穂はそんなお店の将来に不安を抱いていた。そんな現状を変えるべく社長が新たに雇ったのが速野渚。彼は一部から『強欲な仮面』と呼ばれるせどり――いわゆる転売屋――として有名な男だった!
速野がお店を立て直す様子をバイトである瑞穂の視点から描くお仕事ものの本作品。作者が元ゲームショップ店長ということもあってか、ディテールがとっても細かい! 本やゲームを売り買いする際にどこを重要視するかせどりの観点から解説するのも面白ければ、赤字続きなのにあえて営業時間を減らす大胆な展開など、お店を改革する経営サクセスス…続きを読む - ★★★ Excellent!!!中古品ショップに入って欲しい物を探しているワクワク感を思い出した
世代が近いからとか趣味が近いからとかで、やっぱり感情移入する部分も作者さまとは共通点が多いのかもしれませんが、やっぱりあの中古本屋、中古ゲーム屋で「お宝を、より安く!」と血眼になって探していた頃のワクワク感、これをそのまま感じることのできる作品だったと思います。
おそらく作者さまは、ただの客として店に出入りして青春時代を過ごしただけではなく、業界で働くことで作品に描かれているような店の裏側、業界の情報を知り得たのでしょう。
それでも「現実はこうなんだ」というクソつまらないリアリズムではなく、夢とワンダーがしっかり詰まっている内容になっていることが、この業界、このお仕事に対する作者さまなり…続きを読む - ★★★ Excellent!!!仕事とは何か。働くとは何か。
本作はとあるリサイクルショップを舞台とした、いわゆるお仕事ものの物語である。
しかも変に奇をてらわず、また無理な恋愛要素もない。
だが圧倒的に面白い。
それはなぜか。
すべての働く人間の心を打つからである。
そして「商売」の本質とは一体どこにあるのだろうかと考えさせられるのだ。
おそらくお話の多くは作者が実際に経験したことを元にしている。
業種は違えど、その多くは働く人間なら誰しもが一度や二度はぶつかる壁。そして乗り越えてきた試練だろう。
やり過ぎたこと、やらなかったこと。
やっておけばと後悔したこと。
そうした苦い思いが文面を通して、香ってくるのである。
ビジネス指南書?
…続きを読む