仕事とは何か。働くとは何か。

本作はとあるリサイクルショップを舞台とした、いわゆるお仕事ものの物語である。
しかも変に奇をてらわず、また無理な恋愛要素もない。

だが圧倒的に面白い。

それはなぜか。

すべての働く人間の心を打つからである。

そして「商売」の本質とは一体どこにあるのだろうかと考えさせられるのだ。

おそらくお話の多くは作者が実際に経験したことを元にしている。
業種は違えど、その多くは働く人間なら誰しもが一度や二度はぶつかる壁。そして乗り越えてきた試練だろう。

やり過ぎたこと、やらなかったこと。
やっておけばと後悔したこと。

そうした苦い思いが文面を通して、香ってくるのである。

ビジネス指南書?
いやそうではない。

これは働くすべてのひとへのエールと、失敗の記録である。

詳しくは本編を。
けっして損はさせない。

作者であるタカテン氏の力量を信じてほしい。

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