中古品ショップに入って欲しい物を探しているワクワク感を思い出した
- ★★★ Excellent!!!
世代が近いからとか趣味が近いからとかで、やっぱり感情移入する部分も作者さまとは共通点が多いのかもしれませんが、やっぱりあの中古本屋、中古ゲーム屋で「お宝を、より安く!」と血眼になって探していた頃のワクワク感、これをそのまま感じることのできる作品だったと思います。
おそらく作者さまは、ただの客として店に出入りして青春時代を過ごしただけではなく、業界で働くことで作品に描かれているような店の裏側、業界の情報を知り得たのでしょう。
それでも「現実はこうなんだ」というクソつまらないリアリズムではなく、夢とワンダーがしっかり詰まっている内容になっていることが、この業界、このお仕事に対する作者さまなりの愛情のようなものが見えるように思います。
この作品は、いわゆる「もしドラ」タイプのビジネス啓発テイストを持った「お仕事ワンダーもの」とでも言いましょうか。ライト文芸には多いのかもしれませんし、実はそれほど多くないのかもしれませんし、まあ不勉強な私にはよくわからないのですが「リアルの中にあるワンダー」を大事にされた力作であると思います。
青春時代、少ない予算を握りしめて中古本屋を回り、中古ゲーム屋を回り、中古CDショップ、中古ホビーショップを回り、欲しいもの、お宝を脚が棒になるまで探し回った、そういう経験のある方は是非お読みください。
きっと、あの店で素敵な品物に出会ったときと、同じような感覚をこの作品からも、味わえると思いますよ。