地下深く…
ある場所にある
ある地下にある
ある部屋にある
ある祭壇
正面からのルートは隙間無く瓦礫に埋もれ、中には入れない
少し昔に内部よりある者が暴れ回り破壊されたが、破壊された場所は全体の三割にも満たない
そしてその場所に繋がる正規のルートを知る者は数少ない
その最下層にある場所に祭壇が設けてあり、何かが奉納されている
そこに二人の男女が現れる
二人は何かを話しながら祭壇に向かう
途中で女性は立ち止まり、男性は女性から受け取った物を持ち一人祭壇に向かう
「貴方様のお導きにより新たな同士が仲間になりました。そして貴方様の物をこちらまで運んでくださいました。どうぞ、こちらをお使い下さいませ」
男性がその物を祭壇に奉納する
すると、奉納するまで薄暗く光っていた物が一瞬だけ強く光り出し、すぐに真っ黒の石に変わる
「……」
「おお!そうでございますか!それはそれは大変喜ばしい事です!!」
女性には何も聞こえないが男性には何か聞こえているようだ
男性は歓喜し手を叩いている
「…、……、…」
「なるほど…では更なる強さを?」
「…、…」
「おおっ!それは素晴らしいですね!!ええ、お待ちしております」
話が終わったのか男性は女性の元に戻る
「貴方のお陰でだいぶ力がお戻りになったそうです。それで貴方には新たな武器をお渡しするそうですよ」
「武器?ですか〜?この刀で充分では〜?」
ゆるい話し方で女性は疑問を投げかけるが、その刀に愛着があるのか鋭い眼光で男性を見つめている
「お〜怖い眼でこちらを見ないでくださいよ。その刀よりも貴方に馴染むのを用意するそうです。くふふっ、楽しみですね〜」
「まぁ使えなさそうならその場で叩き折りますけどね〜」
「やれやれ…あの御方が創造する物の素晴らしさに…まぁいいでしょう。その武器を使えば素晴らしさに気付くでしょう。さぁ次はこちらに」
男性は女性を先導し部屋から出る
「…これくらい…れば…も作……な?」
☆★☆★
ガルゾキルズ帝国の城の一室
薄暗い中に集まる者達がいた
「んで、今回はいつ王国に戦争するんだ〜?」
背の小さい者が机に足を置き話す
「まだ決まっておらん。皇帝からの許可がでん」
「マジかよ〜何時もの適当な殺し合いが無いんじゃ暇じゃ〜ん」
年配の男が話すと小さい者が気だるさそうに返す
「では聖地、魔王国、獣王国への進行は?」
椅子に座らず柱に寄りかかり話すのは屈強そうな雰囲気がある男性
「とりあえず他のシリアルナンバーが削りに行っておる」
「んじゃ俺も行かせろよ!!毎日毎日ヒマなんだよ!!早く誰か殺さないと…暴れるぜ」
「またか…わかった。S/N Ⅵは王国へ偵察に行け。正体がバレなければ暴れてよい」
「ヒャッホー!!これだからⅡは好きよ。んじゃ行ってくるな〜」
小さい者は大喜びしドアを強く開け閉めし出ていった
「やれやれ…あやつは腕はいいんだがあの殺人欲求がの…」
「…ここ最近は特に酷いな」
「なにがあったか知らんがこれで多少なり治まればいいんじゃが…」
二人は深い溜息を吐き部屋から出ていった
その後、かな〜り遅れて一人の男が慌ててその部屋に入る
「ふぁ〜みんなおはよ…あれ?誰もいない?なんだ、今日じゃなかったのか〜急いできたのに損した…帰って寝よ。ふぁ〜」
男は目を擦り、眠たげそうな目で部屋を出て行く
男が歩いた場所には血の跡が続いていた…
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