王都への旅立ち




それからユートは身体を元の状態に戻す為

毎日自己鍛練を、時にはリックとルネと一緒に鍛練をしたり、パーティを組んで冒険者らしい日を過ごしていた




そして四日後





ユートはブランの街の北門に来ていた


「こっちの門に来るのは初めてだな」


ユートは門を見た後、周囲を確認する



「ユート君!こっちだ!」



エストが見送りに来たようだ


「エストおはよう。後ろの馬車でいいのか?」


「そうだ。ジョーイの所の馬車だ

依頼を受けてくれる代わりにと快く貸してくれたぞ!

一台はユート君用、もう一台が護衛用だな」


「護衛?護衛も付けてくれたのか?」


「ギルドからの依頼でもあるからな

ユート君が強いのは分かるが、まだ本調子ではないだろ?」



そう。ユートはまだ完全には治っていなかった

アビスオーガと闘った時が十割なら今は約六

割程度


特殊スキルの【心眼】スキルは未だに■眼になったままだった



「お見通しか。確かにまだ完治には至らないな」


「だろうな。ティアから報告が入ってたからな

護衛は手練だから戦闘は任せるといい」


(あの人ホントに何者!?)

「あっあぁ、助かる」


そんな事を考えながら馬車に乗る



「では王都に出発します」


「王都までよろしくお願いします」


パシィンと馬を叩き馬車は動き出す


窓から顔を出すとエストが手を振っている



「ユート君!君の帰りを楽しみに待ってるよ!」


「ああ!昇格したらまた戻ってくるよ!また会おうエスト!」



お互いに手を振る



ユートは顔を引っ込め椅子に座る



(王都まで大体五、六日か・・・長旅だな

着くまでには本調子に戻さないとな!)


ユートはそう思い目を閉じ、身体に魔力を巡らせ鍛練を始めた





ユートの旅はまだまだこれから







ブランの街編 ~完~



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