ブランの街 襲撃!



ブランの街門付近


二人の兵士がいつも通り見回りをしていた


「ふぁ〜今日の交代もそろそろだな」


「ああ、深夜番は辛くてしょうがない」


「交代終わったら一緒に飯食いに行かね?」


「またどうせお金が足りなくて俺が出すんだろ?」


「今日はちゃんとある!」


二人は今日もたわいもない話をしていた






「おつかれ〜交代の時間だよ」


「「お疲れ様です」」


やっと終わったかと肩の荷を下ろすと監視塔から声が上がる


「おいお前ら!!森の方から魔物の大軍がこっちに向かって来てるぞ!

誰かギルドに報告して救援を寄越してこい!!」


「どうせラビットかボア辺りだろ?」


「仕事終わりの時間だけどしゃーない

さっさと終わらせるか」


「「だな」」


四人は門の前に立ち各々武器を構える

すると塔から鐘の音が鳴り出し、監視塔から更に声が上がった


カン!カン!カン!カン!カン!


「バカヤロウ!大軍だぞ大軍!!まだ距離はあるが間違い無くヤバい量だ!!」


四人は遠くを見る


すると遠くから黒く大きな物体がゆっくりと迫ってくるのが見えた


「おっおい……あれはやばくないか?」


「俺がギルドに説明に行ってくる!」


「頼んだ!他は街の人達に避難指示を!」


「「「はっ!」」」


バタバタと兵士達が走り出した












カン!カン!カン!カン!カン!


「んっ……朝から騒がしいな」


ユートは鐘の音で目が覚めた


宿の一階に降りると皆が慌てていた


ユートは近くの商人風の人に尋ねてみた


「どうしたんですか?」


「ああ、なんか魔物の群れが来てるらしい

俺にも詳しい事はわからんが、避難指示がでてるからみんな今から避難するだとよ

俺も今出ていくとこだ」


「なるほど。ありがとうございます」


ユートはお礼を言うと、宿を飛び出し冒険者ギルドに向かった








冒険者ギルドの扉を開けると中にはたくさんの冒険者が集まっていた


すると横からアレックが近寄ってきた


「ユート君おはよう。キミも来たんだね」


「アレックかおはよう。宿屋で魔物が来てるって聞いたんだが」


「そうらしいね。今からギルドマスターが詳しい説明するらしいから話を聞こうか」


「ああそうだな」



そんな話しをしているとギルドマスターから声が上がる


「諸君!つい先程、監視塔から連絡が入った!

魔物の群れが街に向かっているとの事だ!

数は約40。大きいオーガ先頭を歩き魔物を引き連れているそうだ

このまま街にぶつかると街が壊滅する恐れがある!

ギルドとして、諸君らに特殊依頼として魔物の殲滅をしてもらいたい!

報酬は戦功に応じて出す!参加するだけで小金貨一枚も出そう!」



おお!


俺は参加するぞ!


俺もだ!!



周りから次から次へと声が上がる

すると奥から


「へっ!俺様はパスだな!こんな所で死んでられるか!!」


「アニキがパスなら俺達もパス!」


あのオーガン達が大声で話す


「別に強制ではない。去るなら去ってかまわない!」


ギルドマスターがそう言うとオーガン達はさっさとギルドを出て行った


「ふんっ!お前らは頑張ってきな〜」


と捨て台詞を吐いて


すると隣にいるアレックから声をかけられる


「ユート君は参加するんだろう?」


「それはもちろん。鍛練には持ってこいだからな!」


「ならよかったよ!僕、ギルドマスター、副ギルドマスター以外だと高ランクの人がいないんだよ」


「俺もそこまで高くないがな」


「ギルドランクはね!」


その後、二人はギルドマスターからの話が終わるとすぐに門の前まで走った










門の前に着くと街中から集まった冒険者や兵士達がごった返していた



お前ら!魔法展開しろ!!



行くぞ!構えろ!



三、二、一……撃てえええ!!




数々の魔法が魔物達に向け撃たれ、遠くで着弾した


ドーン!


ドォン!


ドゴオオオオン!!






「これは凄いな!」


ユートは魔法の威力に驚いていた


着弾を確認した周りの冒険者達が騒ぐ




やったか!?


あれだけ撃たれたら流石に死に体だろ?


思ったより呆気なかったな!


ははは!



冒険者達が呟く、しかし


「まぁ一斉に使えばあのくらいの威力はでるさ!





ただ・・・・・・まぁ殲滅は無理だよね」


アレックがそう言うとユートも気付く


「!?魔力がほぼ消えてないな」


「ユート君も気付いたかい?

大雑把に感知は出来たけど・・・バカでかい魔力が一つあるね」


二人は土埃が舞い上がった場所を見ると魔物が咆哮を上げた




GURAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!






その咆哮は街まで届き、咆哮を聞いた冒険者達は体を震わせ固まっていた




だが、その中から二つの影が飛び出す

ユートとアレックだ



「ユート君行くよ!」


「ああ、任せろ!」










ユートとアレックが魔物達に近付くと、魔物達の奥の方から魔法が飛んできた


「ちっ!魔法か!」


ユートとアレックはギリギリで避けた

魔法は街の壁にぶつかり壁が崩れる



ドガァァァァァァン!!



ガラガラッ



ガラガラッ



それを見た二人は


「あの魔法を放つ魔物を早めに倒さないと不味いね!」


「ああ、あれを何発も撃たれるとそれだけで街が消える」


二人はそう考え魔法を放った先を見る






そこには禍々しい気配を出すオーガが立っていた





それを見たアレックは


「エンペラーオーガ?にしては大きい…

それに属性魔法を使えるオーガなんで見た事ないよ」


「考えてる暇はない。さっさと倒すぞ!」


二人は魔物達の群れに突っ込んだ






二人の闘いが始まる

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