幕間 ある冒険者の一日 1
ある冒険者が倒した魔物の前に立っていた
僕はどうしたのだろう
冒険者は自分の手を見て思う
あの日だろう、僕が変わっていったのは…
☆★☆★
僕はあの日、ギルドの依頼をこなしていた
しかし、夕方になり日が落ち始めた時それは起こった
それは二発の大きな爆発音をたてると街中で異常が起こる
一緒にいた者と外に出ると多くの魔物が街に溢れていた
僕達は音がした場所を目指すのに二手に分かれて行動を始めた
僕達はノイン神殿
もう一パーティはエルシュタット学園へ向かった
僕達は迫り来る魔物達を倒してノイン神殿へ向かう
神殿に近付くにつれて魔物の量が増えていく
ようやく神殿に着いた時には神殿の周辺は焼き焦げ、草木は全て無くなっていた
「オラッ!」
両手に炎を発現させ魔物の集団にぶち込む男がいた
あれが先に向かっていたと話しにあった炎帝だろう
彼が暴れ回った結果がこの焼き焦げた場所が出来上がった
「とっ!とりあえず私は被害が拡がらないように消化活動します!」
水帝と呼ばれたファニタは自分の周囲に水を生成させ、燃えている建物や絶命した魔物を生成された水で包み込み炎を鎮火させる
「このおバカッ!!」
「はぶっ!」
風帝と呼ばれたカタリナは手に持つ鞭のような物で炎帝の頬をはたくとそのまま首にぐるぐると巻き付けこちらに引き寄せる
「おごごっ!ギッギブ……」
「アンタ!ちゃんと周りを見ながら戦いなさいよ!」
手繰り寄せた炎帝の頭をぱこんと叩き叱るカタリナだが、炎帝は更に締まった鞭をゆるめるのに必死になり話しを聞いていない
それに気付き鞭を緩めると荒い呼吸をしながらも少し冷静になる炎帝
「ぜぇ…ぜぇ…悪かったよ、確かに魔物倒すのに夢中になってたぜ」
「分かればいいのよ。それで状況は?」
「とりあえず俺が来た時には既に魔物が溢れていた。どうもアイツら神殿の中から出てきてるみたいだ」
「じゃあ神殿の中にいる人は?」
「まだいるかも…なっ!」
二人はまた新たに現れた魔物を倒しながらも会話をする
「それじゃ私と彼が二人で中に侵入するわ。アナタは妹といた方が暴れた際対処しやすいでしょうし」
「すまんすまんって、でもソイツで大丈夫かよ?」
「ええ、彼はSランク冒険者よ。充分な戦力になるわ」
「へぇ〜なら大丈夫そうだな!んじゃ同時に行くぞ…三…二…一…オラァァァァァァァァ!!」
二人が同時に魔法を放つ
炎帝の炎が真っ直ぐ神殿の入り口近くまで燃え広がると、風帝の放った風の魔法が加わり
炎が激しく燃え、近くにいた魔物達を巻き込んでいく
そうしてできた神殿までの道を二人で進んでいく
☆★☆★
「ようやく中心部ね」
「そうですね。魔物の数も増えてます」
僕達は広い神殿内を隅から隅まで走り生存者を探す
そして数人生存者を見つけ保護をする
保護した人に話しを聞くと礼拝室にまだ誰かがいたとの証言があり、外にいる水帝と連絡を取り保護した人を渡すと僕達は中心部に向かった
「それにしても何で魔物がこんなにいるのかしらね?」
鞭と短剣を巧みに使い魔物達を倒しながら話すカタリナ
「そうですね…ダンジョンみたくなったのか、もしくは魔物を操る者がいるのかもですね」
僕は白銀の剣を振りながらもそう考察し話す
「さすがあのブランの街で戦っていたSランク冒険者ね。普通なら操る者なんて考えないわよ。こんな数なんて操れないし、でも確かにあの街であった事を考えると…」
カタリナは持っていた鞭と短剣をしまうと両手に魔力を込める
そして手と手を合わせて唱える
「プレスウィンド」
魔法を唱えると左右にいた魔物が真ん中に寄せられていく
「ふっ!」
魔物達は抗えず見えない風の壁に押されていく
パンッと音が鳴ると同時に魔物達は圧縮され絶命した
「さっ行きましょう!」
これが風のスペシャリスト・カタリナの実力か
僕は目の前で起きた現象を見ながらそう呟きカタリナの後を追って更に神殿の奥に進んだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます