筆記試験前日



次の日の夕方


「んー疲れた……久しぶりに勉強したから頭がクラクラするな」


ユートは軽く伸びをして首を左右に動かす


「ちょっと休憩がてらにご飯食べに行くか」


ユートは準備をし、一階の酒場に行く







「今日も結構混んでるな」


依頼帰りの冒険者が騒いでいたり、一人静かに飲んでいる姿が目に映った


「さてと何処か空いてるかな?」


ユートは周りを見渡すと奥のテーブルからアレックが歩いてきて声を掛けてきた


「やあユート君。今からご飯かな?

良かったら僕達と一緒に食べないかい?

今丁度パーティメンバーみんなで食べている所だったんだ」


「いいのか?アレックのパーティメンバーが大丈夫なら喜んで行くが」


「大丈夫だよ!むしろみんな興味津々だからさ!」



「ならご相伴に預かろうか」



ユートはアレックのパーティメンバーの待つテーブルに向かった


「ユート君はここに座って!

じゃあ僕のパーティメンバーを紹介するよ

まずは昨日会ったのがAランクの槍使いキアラ

その右隣りがBランクの魔法師ダフネ

その隣りがBランクの重戦士ミゲルさ!」


「初めましてユートと申します」


「やっほーユート君!昨日振りね!」


「ブランの英雄の魔法は凄いって聞いたニャ!話聞かせるニャ!」


「うちのアレックが認めた男、会いたかったぜ!」


キアラ、ダフネ、ミゲルがそれぞれ挨拶する


「まあとりあえず乾杯しようじゃないか

ユート君はお酒で大丈夫かい?」


「ああ、お酒は強い方だ」


「わかった。すみませーん!

オススメの赤ワイン二つといつものチーズの盛り合わせ、後はワイバーンのステーキを二つで!」










てってれてーてってれてーてててててー!!

みんな……覚えてる?………忘れてない?……待ってた?…………キャッホイホイ!!

見た目は愛くるしい子供!中身は誰もが崇める神!

おしえて!アヴェルくんのおじかんだよ〜♪


今日のおじかんはこの世界の飲酒についてだよ〜


この世界は15歳から飲酒が認められてるんだ!







・・・えっ!?もう終わり!

ちょっと待ってよ!これでボク出番しゅーりょーなの!!


もうちょブツン!




アヴェルは帰って行った












「それじゃあかんぱーい!」


「「「「かんぱーい!」」」」「ニャ!」


ユート達はテーブルに並んだ料理を食べながら色々な話しをする



「ユートは魔法はどれくらい使えるニャ?」


ネコ獣人のダフネが話し掛ける


「俺ですか?一応全属性と氷、雷、光、闇、時空ですね」


「 それ全部かニャ!?それは凄いニャ!魔法の申し子ニャ!

属性魔法が全部使えるだけでも稀ニャのに。特殊魔法も使えるニャンて羨ましいニャ〜」


「申し子なんてそんなそんな。ちなみにダフネさんは?」


「私は無、火、水、風、光、時空ニャよ」


「 充分凄いじゃないですか」


「まあこれでも学園首席ニャからニャ〜」


「学園ですか?」


「そうニャ!あのエルシュタット学園の首席ニャ!」


「学園ですか。一度行ってみたいですね」


「ユートは学園に通わニャいのかニャ?

ユートの年齢なら丁度通う時期ニャよ」


「そうなんですか?うーん、ちょっと考えてみます」


「そうするといいニャ!色んニャ経験出来るから勉強にニャると思うニャ〜」



ダフネと話しが終わると次にミゲルが話し掛けてきた


「ユートは剣技も凄いってアレックから聞いたけど、何処かで習ってたのか?」


「はい。祖父から一通り教わりました」


「へぇ〜そりゃあ近くで見てみたいぜ!」


「軽くでいいならいつでも見せますよ」


「マジか!!お前は良い奴だな〜!」


ユートに抱き着くミゲル


「いえいえ、アレックにもお世話になってますし、それくらいお付き合いしますよ」


「んじゃ明日俺と訓練しようぜ!」


「明日はちょっと試験がありまして……」


「んっ?ああそういや昇格試験受けるんだったな!ありゃあ面倒だからな〜」


「やはり難しいのですか?」


「いや、難しいってよりはちまちましてて俺の性格に合わん!

筆記なんて冒険に役に立つかわからんし、教育だったか?あれもいちいち他の冒険者を面倒見ないといけないのが疲れるし」


「なるほど。勉強になります」


「まあ俺は三回は落ちたからな!」


ミゲルは笑いながらビールを一気に飲む


「まあ気楽にやれや。落ちても次があるからよ!」


「はい。気楽にやります」


「おう。んじゃ試験終わったらユートの剣技見せてくれ!」


「わかりました」





それからユート達はたわいもない話をして一同は解散した







ユートは部屋に戻りまた勉強を再開する


「学園か。この世界では一応16歳だし

指名依頼が終わったら入学するか考えてみるか」



ユートの勉強は夜遅くまで続いた


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る